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営業所にいるのが嫌でアポ取りしまくってたら受注できた話

練馬の税理士の渋谷です(ややこしい)。

もう何年も前の話です。
自己紹介でも書いてますが、私はメーカー総合職出身です。
職種は法人営業でしたがとにかく向いていなかった…ハズなのですが、ド新規のお客さんからの受注に結びつけたことが3回あります。


成熟市場でド新規のお客さんを探すのは激ムズ

「3回wwwwダセェwwwwww何イキってんだコイツwwwwププwwww」と思ったこれを読んでるそこのあなた。

言いたいことは分かります。

ただ、私がいたのはBtoBの製造業界で歴史も古い上場企業でした。
フルコミの保険営業マンや不動産営業マンなどではありません。

こういう業界の場合、開拓先&営業相手はかなり限定されるので、そもそも「新規開拓先」などあって無いようなものです。

さらに 製造業のBtoBなので大体は「既に付き合いのある取引先がいるので…」と言われて断られることがほとんどです。

さらにさらに、製造業というのは仕入れ先を切り替えるのは技術の観点からけっこうハードルが高いことが多いです。これが断られる最大の理由です。

私は完成品に搭載される部品を売る営業でしたが、完成品メーカー(つまりお客さん)からすれば、新しい部品に切り替えるということは品質テストや設計、商流の検討、部品入手性の検討などをやり直さなければならなくなります

先方社内にも各部署の力関係があります。

営業部門(とにかく売り上げたい)VS製造部門(工場側のリソースを考えろ)
製造部門(現場で実践できる現実的な品質基準にしろ)VS品質部門(確実に問題ない品質基準にしたい)
品質部門(保守的にやりたい)VS設計部門(新しい製品をリリースしたい)
製造部門(部材確保は徹底しろ)VS購買部門(部材入手が間に合わない)

社内政治、しがらみ、人の好き嫌い、利害関係者の各々の思惑などなど、変数の数が多くなりがちです。

この点が不動産営業や保険営業との決定的な違いだと思います。

そういったハードルを乗り越えてまで部品切り替えするよっぽどのメリットが無ければ、そもそも切り替えようなんて話にならないんですよね。

つまり文系総合職の若手営業マンがちょっと新規顧客開拓などしたところで成約などまずしません。

会社としては大手既存顧客重視

BtoB上場メーカーにとって大切なのは、新規顧客開拓をすることよりも昔から付き合いのある上場完成品メーカーに対する営業を徹底することであって新しい顧客開拓をすることではないのです。

そういうお客さんは大体、分社化していたり事業部ごとの規模が大きかったりするので、案件(引き合い)を取りこぼさないように普段から徹底的にフォローする事が大切です。

1社の1事業部だけで中小企業1個分くらいの規模があり、案件の数も無数にあります。
会社としてわざわざ新規顧客開拓をする必要がないのです。

さらに、社内の与信管理部門による審査があります。
新規開拓先のお客さんの規模によっては、会社としての与信審査NGとなることが大半です。
この場合、直取引不可ということで代理店さんに介在して頂くことになります。

BtoB営業を経験されたことのある方なら分かると思いますが、この「商流の確保」は結構難しいです。

代理店さんは代理店さんの都合ももちろんありますし、代理店マージンや保有可能在庫数の交渉などさまざまなハードルが生じるためです。

そんな前提でなぜ成約したのか

結論からいえば、営業所にいるのがとにかく嫌でアポ取りに徹したからです。

「毎日明るく元気に!」のような雰囲気だったので、私にとっては営業所という場所はカイジに出てくる強制地下労働施設のようなものでした。

とにかく部屋の中に居たくない。

そんなときある方法を思いつきました。

「新規顧客開拓のためのアポを取りまくれば事務所に居なくて済むのでは???」

ちなみにこれは別に画期的なアイデアではありません。

おそらく営業職をやったことのある人なら誰でも経験があるのではないでしょうか。

「不要不急のアポを入れることで、苦手な役員が本社から出張してきて営業所内で顔を合わせることを回避する」

「社内の行きたくない飲み会に参加したくないからアポの時間をあえて夕方に入れて直帰する」

のような経験です。

私はそれを徹底的にやったのです(←自慢できることではない)。

具体的には、勤務時間中のスキマ時間はもちろん平日夜や土日にプライベートの時間も使って新規訪問できそうな会社をエクセルにリストアップしました。

そして週明けたら片っ端から電話をかけていってとにかくアポを入れ、「営業所に居なくていい理由」を量産しました。これを毎週繰り返します。

営業先では…

とはいえ、ほとんど不発に終わりました。
前述のとおり、大手の製造業は成熟市場なので断られるケースが大半です。

アポすら取れないことの方が多いです。

何回もアポ取りトライしてると、「いかに受付をくぐり抜けて部品選定権者である技術者に繋いでもらえるか」のコツを掴んできましたがそれでも断られるケースの方が多いです。

諦めずに電話しまくってると、大阪という地域柄だからなのか、訪問先の方もどうせ商談は成立しないとわかっているハズなのにわざわざ私のために打ち合わせの時間を割いて頂きアポが取れたのは圧倒的感謝でした。

当時の記録は残ってませんが、100回電話して30件くらいアポ取りできるような感じだった気がします。たぶん(適当です)。
これがBtoCビジネスだったならもっと打率は低いと思います。だからこそ不動産営業マンや保険営業マンの方が「営業職として」大変なんですよね。

どうせ電話してもアポ取れないことの方が多いので、飛び込み営業も何回もやりました。

飛び込みといっても、いきなりエントランスの受付に行くのではなく、目当ての会社の近くで、社用車の中から電話をかけて、「たまたま今近くまで来ているので、ちょっと名刺交換とカタログ渡しだけでもさせて頂けませんか??」のような感じで飛び込みます。

例えばある会社と電話アポが取れたのが午前中だったら、午後、例の自作エクセルを見ながら「この付近でまだ訪問したことのない会社はないか?」と探してみてあればそういうアプローチを仕掛けます。

ラッキーパンチ

こういうことを繰り返していたら、1年目で1件、2年目で1件、2年目だったか3年目だったかで3件目の成約に結び付きました(3件目は私が発掘した案件ですが諸事情により別の営業マンへ引き継がれたので私が直接受注はせず)。

金額は大きくなかったですが、成熟市場なのに若手がド新規のお客さんから受注したということで、当時の直属の上司も私のことを持ち上げてくれたので、ありがたいことに社内でも大きく取り上げて頂きました。

ただ繰り返しになりますが、私はただ社内にいたくなかっただけなのです。

皆さん私のことを過大評価しすぎていました。
同じチームのお世話になった先輩方などは、私の本質を見抜いていたので笑っていましたが。

続けることが大事?

「あきらめないことが大事」

「続ければいつか成果がでる」

「辞めなければ『失敗』ではない」

というありきたりな感じでこのnoteを締めくくることもできるのですが、性格上それはできないので正反対の結論で結びます。

私が上記の結果を出せたのは以下の要因です。

  • 勤務していた会社が公務員的な上場企業で資金的に余裕のある会社だったから

  • フルコミの営業職ではなかったから(営業マン自身に気持ち的な余裕がある)

  • 雇用契約を結んだサラリーマンだったので結果が出ない期間があったとしても毎月安定した収入を貰えたから

身も蓋もないですがこれが現実です。
もちろん私自身が行動量を意識的に多めにしていたからという要因もあるとは思いますが、そんなものは吹けば飛ぶくらい「所属していた会社の圧倒的資金力」のインパクトの方が要因としては大きかったな~と思います。

金は命より重い……!

筆が乗りすぎて長文になってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

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