開発STORY②~商品開発者インタビュ-~
ハーブキャンディ「ハーブ農園から」はハーブの栽培からキャンディづくりまで一貫して取り組んだハーブキャンディです。
商品が生まれる現場で、どのような取り組みが行われているか、共に製品を作り上げてきた担当者の口から商品誕生までの道のりや想いを語ってもらいました。
今回は、開発者の梶浦勇人マネージャーです。
-最初から、自社でハーブオイルの抽出まですると決まっていたのですか?
開発開始当初は、外部に蒸留を委託することを考えていましたが、せっかくハーブの栽培から取り組んでいるので、「蒸留に関しても自分たちで行えないか」という思いが高まってきました。そこで、蒸留設備を貸していただける工場を探しました。しかし、適切な食品製造用の設備で且つ、製造ロット、コストが合う工場が見つかりませんでした。そこで、「自分達で蒸留設備を持ってみたらどうか」と検討をはじめ、テスト用の蒸留器を購入しました。
-ハーブ精油の蒸留をどうやって進めていったのですか?
ハーブ精油の蒸留に関して、予備知識は殆どありませんでした。
そのためどこで蒸留機器を購入したら良いかもわからず、手探りで情報収集しました。インターネットを使い検索したところ、自社で開発した蒸留機器を使った、ハーブ精油の蒸留結果をサイトに載せている会社に行き当たりました。そちらにコンタクトしたところ、蒸留に関する技術的な疑問点について詳しく説明をして頂くことができました。レクチャーをして頂いたこちらの会社の社長さんは、大手メーカーで研究開発をされていたバックグラウンドを持つ方で、同じ技術者として意気投合しました。こちらの会社にハーブを持ち込んで蒸留試験を行わせていただき、最終的に試験用の蒸留器を購入するに至りました。
購入したテスト蒸留器をラボ(いとおかし工房)に設置し手探りで蒸留を開始しました。テスト蒸留を繰り返すことで、ハーブ精油の蒸留に関する知見を少しづつ蓄積して行きました。
-蒸留を自社で行ってみて何か発見はありましたか?-
これまでの自分の商品開発の経験では、ハーブ精油を原材料として使用する場合、食品表示には原材料名として「香料」と記載しなければならないと考えていました。自社でハーブを購買し自社工場で蒸留した場合の食品原材料表示について改めて保健所に確認したところ、キャンディ製造の工程の中に蒸留も含まれると解釈できるので、原材料として「ローズマリー」、「レモングラス」と記載するべき、という見解を貰いました。
原材料名が、「香料」でもなく、「ローズマリー油」、「レモングラス油」でもなくても良いとの解釈は意外でしたが、使用されている原材料が明確化され、「余計なものが一切使用されていない」ことを、お客様にお伝えできる様になったので、うれしい発見でした。
- 一番難しかった事や苦労したことは何ですか?
何もかもが初めてのトライでした。ロールモデルが無く、周りに詳しい方がいる訳では無かったので、全てが手探りでした。特に人を巻き込んで行く点が一番難しかったと思います。ハーブの栽培や蒸留を自社で行うことが、美味しいキャンディをつくることにつながるの?と最初は皆が懐疑的だったと思います(笑)
それが、ハーブ精油からキャンディが出来て、実際に食べてもらうと、一気に反応が変わりました。「美味しいね」「スゴクシンプルなレシピなのに素材の味が感じられて良いね」といったポジティブな反応が得られたとき、「上手く行っている」という実感が得られ、嬉しかったです。ハーブの栽培から精油蒸留まで自社で行っているからこそ、ローズマリーとレモングラス、そのものの美味しさが感じられるハーブキャンディが出来たと考えています。是非そのやさしい味わいを感じて頂きたいです!
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次回は製造現場でハーブの蒸留を行いをハーブ精油を抽出している加納唯の話をご紹介させてください。