【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第9話 出発
翌日、ガキは空港へと送られた。一応本人も興味を示していたようだから拉致や虐待の類には当てはまらないだろう。それにこの時代だ。LINEがある。困ったときはビデオ通話で居場所を探せばいい。俺はババアにガキの連絡先を聞いた。
教えられたのは今時珍しく電話番号だけだった。古風な家柄に相応しい。やはり陶芸家の孫だ。あまり新しいものを取り入れることを快く思わないのだろう。しかしババアが口にした、ガキの携帯電話でLINEが使えない理由は革新的だった。
「キッズ携帯だからLINEが使えなく