規則正しくすると、変化に対する対応力が欠ける
私は昭和37年生まれです。子供の頃は「規則正しく」と教わりました。子供は夜9時に寝るのが当たり前。私より年上の人は、さらに厳しく育って生活されたことと思います。
1980年あたりから24時間営業の店が増え始め、90年代には昼夜逆転する人が随分増えました。最近では「ショートスリーパー」などという人も増えました。仕事も多様化し、規則正しく生活することが不可能と言えるくらいの世の中になりました。
高齢者は今でも規則正しい生活を守っている
健康問題を取り上げた番組を見ていますと、今でも「規則正しく生活しましょう」と言っています。昼夜逆転すると体内時計が狂い、自律神経がおかしくなり、様々な病気を発症すると言われます。仕事している人にとって、現代は無理な話だと思いませんか?
高齢者と話をしていますと、規則正しく育ったまま、今も守っている人がとても多いです。
私の整体院では、自宅への送迎無料サービスをしています。出張無料サービスもしていますが、自宅は散らかっているので困ると言われる方に、重宝がっていただいています。ところが整体のご予約時間を決める時に高齢者は困ることがあります。
「朝11時はいかがですか?」
「12時のお昼ごはんにかかってしまうから無理だわ」
「では、午後1時はいかがでしょう?」
「食べてすぐだから動きたくないわ」
「では、午後4時はいかがですか?」
「帰りが暗くなるので、その時間ではちょっと遅いわねー」
「暗くなるって言っても、玄関まで送迎しますから、関係ないでしょう?」
「いえ、雨戸を閉めなければいけませんから」
「帰ってからでは遅いんですか?」
「そうね〜、できたら暗くなる前に閉めたいわね」
「じゃあ、出かける4時前に閉めればいいんじゃないですか?」
「それでは早いのよー」
なんとかして、この固定観念!
こう叫びたくなります(笑)
「なんにも他に予定ないんだから、何時でもいいじゃないの!」と、心の中で叫ぶしか仕方がありません。
こう言われると、限られた時間しか入れることができなくなります。高齢者の一軒家一人暮らしです。年金で生活されていますから、24時間自分が予定を考えればいいだけなのに、働いている人より時間がタイトです。
このような人が何人もいらっしゃいますので、皆さんの時間が重なってしまって、なかなか予定が決められない状況になってしまいます。
「夜はダメなんですよね?」
「夜は出かけたくないわ」
「どうしてですか?」
「どうしてって、足元が暗いから」
「玄関まで送迎しますから、関係ないように思いますけど?」
「いや〜、でも夜は出たくないです」
そんなんでは、認知症になりますよ!
詐欺に引っ掛かりますよ!
「規則正しく生活しましょう」という言葉に縛られすぎて、ガチガチの固定観念です。「そんなんでは、認知症になりますよ」と言ったら、「そんな怖いこと言わないでくださいよ〜」と言われます。どうやら自覚はないようです。
規則正しいということは、変化が起こった時の対応力に欠けると思います。とくに突発的な出来事には弱いことでしょう。こんな人が、詐欺に引っかかるのではないかと想像します。
「そんなんでは詐欺に引っかかりますよ」
「そう?」
「自覚あります?」
「対策はしているわよ」
「で、引っかかるんじゃないかという自覚はありますか?」
「それはわからないわ」
「簡単に引っかかりそうですけど?」
「そう?」
やっぱり自覚ないんだ!
悲しいことですが、規則正しく誠実に生きてきた高齢者が、不規則に生きてきた不誠実な人たちに騙されるわけです。守ってあげたいですけど、家族ではないので限界があります。