『人生の羅針盤となる“個人理念”を探る。 』人間理念神社
何かを決める時、私は必ず検索をする。
友達と行くランチのお店を決める時。
新しいコスメを買いたい時。
大学の履修登録。
就職活動。
理想の結婚相手の選び方。
何かを決めなければいけない時、大抵迷いの中にいる。
私は迷うとすぐに、明確な答えを求めてしまう。
だから、疑問を検索窓に入力するだけで答えを出してくれるインターネットは、私にとって非常にありがたい存在だ。
最近は、もはや「決めること」も少なくなった気さえする。
私のSNSのタイムラインは、すでに私が好きなもので埋め尽くされていて、
ただ眺めているだけで満たされている。
しかし、本当にこのままでいいのだろうか?
と不安に思うことがある。
「私は私の人生を生きている」と、果たして言えるのか。
人生は様々な選択で成り立っているが、
その選択は、本当に私の意思によるものなのか。
友人とのランチでそのお店を選んだのは、
口コミサイトの評価がよかったからだし、
私がSNSを始めたのは、
周りのみんながやっていて話題についていけなくなるのが怖かったからだし、
私が水をよく飲むようにしているのは、
田中みな実が「1日2Lの水を飲む」とテレビで言っていたからだ。
最終的に決めたのは、他の誰でもない自分だし、
他人の意見を参考にすることがダメなことだとも思っていない。
だけど、「自分の軸で物事を決めているのか?」と問われると、
自信を持って答えることができない。
上に挙げた小さな選択に加えて、
今後、大きな選択に迫られることがきっとたくさん出てくる。
結婚、子ども、転職、老後の生活…
自分の人生を左右する岐路に立った時、他人任せの選択をしてしまったら、きっと後悔してしまうと思う。
とは言っても、そんな大きな選択を迫られた時、何を基準にすればいいのだろう?
これまでなんとなく生きてしまっていた私にとって、なかなか難しい問いだった。
しかし、その「なんとなく」の中には、実は自分なりの判断基準がある。
そう気付いたきっかけが、自分の“個人理念”をつくったことだ。
企業理念ならぬ“個人理念”。
要するに、自分自身の考え方や歩む方向を示す言葉のことである。
この個人理念づくりを一からサポートしてくれたのが、
今回紹介する『人間理念神社』の主催者である加来氏だ。
“個人理念”とは、人生の羅針盤になる言葉。
人々が自分らしく生きるためのイベントを開催。
ブランディングカンパニー・株式会社サインコサイン代表の加来氏が主催するイベント『人間理念神社』。なんとも怪しげな名前だが、前身のイベントである『個人理念展』を含めると計4回開催している人気イベントだ。
イベントでは、加来氏が一対一で来場者と対話し、これまでの半生や価値観を紐解きながら、個人理念として言語化する。
加来氏との対話は、来場者にとっては「自分との対話」だ。加来氏からの質問に答えるためには、自分自身の過去や深層心理に向き合う必要がある。
一説によると、初詣は新年に神様へのお願い事をする場であり、自分自身に向き合う場でもあると言われているそう。その証拠に、神社の御神殿の奥には鏡が祀られている。
だから、加来氏は個人理念づくりの場に「神社」というモチーフを採用した。『人間理念神社』の中で、加来氏は鏡。来場者が自分と向き合うための役割を担う。
イベント開催の経緯や開催中の様子はこちら↓
加来氏に“個人理念”とは何か聞いてみた。
自分がどう生きるべきかを示してくれる。個人理念は、まさに人生の羅針盤なのだ。
個人理念を作ってもらったら、
自分の進むべき方向が見えた気がした。
ここまで個人理念とはなんなのかを語ってきたが、実際どのように作られるのか気になった方も多いのではないだろうか。
少し気恥ずかしいが、私が加来氏と個人理念を作った際の対話を簡単に紹介したいと思う。
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加来氏:まず初めに簡単に自己紹介をしてください。
私:ランニングホームラン株式会社という広告制作会社でコピーライターをしています、濱田あゆみと申します。社会人2年目で、まだ実績と呼べるものはないですが、一人前になるべく日々仕事に勤しんでいます。趣味は絵を描くことで、最近Instagramでイラストアカウントを始めました。
加来氏:ありがとうございます。なぜコピーライターを志望したんですか?
私:自分のアイデアを形にして、誰かの課題を解決する仕事がしたかったからです。アイデアをアウトプットする形に特にこだわりはなくて、CM制作会社やテレビ局などクリエイティブ系の会社を色々受けた結果、内定をもらえたのが広告制作会社のコピーライター職でした。
加来氏:仕事をしていて、どんな時に「嫌だな」と思いますか?
私: 理不尽な事象によって、思い通りに制作ができない時ですね。例えば、大人の事情によって、本当に伝えるべきことが伝わらない形になってしまうと、やるせなさを感じてしまいます。
加来氏:趣味が絵ということですが、絵を仕事にしようとは考えなかったんですか?
私:自分の実力的に絵で食べていくことは難しいと思いました。だけど、絵を描くことで自分を表現することは好きなので、今も趣味として続けています。
加来氏:今後の人生を考えた時に、どうなりたいかという希望や思いはあったりしますか?
私:仕事でも仕事以外のことでも、「自分の作品だ」と胸を張って言えるものを作っていきたいと考えています。
加来氏:それはどうして?
私: 自分自身、映画や漫画、アニメなどいろんな人の作品に救われてきました。同時に、そういった作品を生み出す人たちに憧れも抱いてきた。だからこそ、今度は自分が誰かのためになるようなものを作りたいと思ったんです。
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5~6往復のやりとりを終えた後、加来氏はおもむろにパソコンに言葉を打ち込み始めた。
その画面に映し出された私の個人理念がこちらだ。
この言葉を見た時、強い納得感を感じた。
やっぱり、コピーライターとしても絵を描く人間としても、嘘偽りなくありのままを言葉や絵にしたいと思うし、そうやって表現されたものが、人の心を動かす。そう思いながら仕事や絵に打ち込んできた。
この個人理念とともに過去の自分を振り返ることで、自分がやってきたこと・これからやっていきたいことが明確になった気がした。
個人理念の価値について、加来氏はこう語る。
私はこれまで明確な「自分の軸」を持って人生を歩んでこなかった。
なんとなく、やりたいことを探し、
なんとなく、絵を描き続け、
なんとなく、今の人生を生きてきた。
人は「なんとなく」生きれてしまう。
だけど、
「なんとなく」で決めてしまっている選択には、自分が自分らしく生きるためのチャンスが眠っているかもしれない。
その「なんとなく」を言葉にすることで、
たとえ大きな決断を迫られても、自分の意志で迷いなく人生を歩くことができる。
今回個人理念をつくってみて、そんな自信を持つことができた。
あなたの「なんとなく」も、いつかあなたを導く個人理念へと生まれ変わるかもしれない。
主催企業
株式会社サインコサイン
「DESIGN YOUR SIGN FOR YOUR SIGN」を事業コンセプトに掲げ、様々なパートナーシップの生み出す無限の可能性を信じて、企業やブランドならびにひとりひとりの個人の理念やパーパスなどを共創している。
I am CONCEPT.編集部
・運営会社
執筆者:濱田あゆみ