「行動が早い人」は、早く行動しているわけではない
行動が早い人ってすごいですよね。
メールは即レスだし、必要な資料もパパッと作ってくれる。自分もそんな人になりたくて、頑張って速くメールを返すようにしました。
が、全然ダメ。必要な情報を返せていなかったり、お客さんのメールを理解できていなかったりと、しまいには上司に怒られる回数が増えてしまいました。
どうしたらいいんだろう、と思っていたとき、この本のタイトルが目に止まりました。
自分はまさに「考えすぎて行動できない」タイプなのでは…。
タイトルに惹かれて、すぐに買ってしまいました。
「考えすぎちゃう人」がすぐ行動できない理由
わたしたちがなにか行動をするとき、その前の段階に「脳で情報を処理する」というステップがあります。
この段階のときに「どんな方法で処理をしているか」によって、行動のパターンが大きく2つに分かれます。
①思いつきで行動する人
感覚的に情報を処理する。文章よりも図や絵で理解した方が分かりやすい。
②考えすぎちゃう人
複数のことがらの法則性や共通点を見つけて理解する。段取りや時系列で考えるのが得意。
「考えすぎて行動できない」人は②のタイプになります。
考えすぎちゃう人が情報処理をするときは、過去の経験や知識から似たようなことを探して当てはめる、ということを無意識にやっているようです。
そのため、知っていることについては理解が速い一方、予測できないことや新しいことに対しては、理解したり行動を起こしたりするのに少し時間がかかってしまうのです。
すぐ行動するコツ① 対応できるパターンを増やす
「予測できないことに対して行動が遅くなる」ということは、言いかえれば、
「すでに知っていることを増やせば、ストレスなく行動に移すことができる」ということになります。
普段からいろいろな行動パターンをインプットするには、
・ルーティーンワークの順番や内容を毎日少しずつ変化させる。
・今からやること、それによって得られる結果や効果を「口に出す。」
定例の会議で、毎回同じフォーマットを使って内容の議事録を取っているのであれば、補足資料や他部署へのヒアリング事項も追加する。
そうすることで、ちょっとだけルーティーンが崩れ、自然と新しいパターンにも対応できるようになります。
また、やらなきゃいけないのにイマイチ手をつけられないもの(ちょっと面倒な経費申請など…)は、やることとその結果を口に出してみましょう。
行動を口に出すと、実際には体は動いていなくても、その動作をするのと同じ脳の部位が働くようです。
実際に行動するときにはすでに脳が予習済みの動作になるので、スムーズに行動に移すことができるようになります。
すぐ行動するコツ② ゴールビジョンを確認する
考えすぎちゃう人は、タスクを次々にクリアしてゴールに向かっていく「ボトムアップ思考」で仕事をするので、
タスクをどうクリアするか分からないと次のタスクに進むことができず、作業が滞ってしまいます。
そうならないために、
・仕事のゴールを確認してから作業に取り掛かる。
・悩んだときは、ゴールに近いルートを考える。
考えすぎる人は「段取り」や「順序」でものごとを理解するので、つい目の前の仕事をこなすことに集中しすぎるようです。
上司から「これ、明後日までに仕上げておいて!」と作りかけの資料を渡されたとき、上司がやりかけたページを埋めるのに必死になるけれど、
途中で良いデータが見つからず、そこで頭を抱えてしまう…。
「資料をいつ・誰に・なぜ使うのか」といったゴールを確認していれば、「あ、このページ要らないな」「まとめはこういう感じに持っていけば良いのか」と、ある程度行動のイメージが付くようになります。
迷ったときはゴールを意識して考えることで、必要以上に悩まないようにすることができるかもしれません。
おわりに
考えすぎちゃう人が行動を早くするには、行動の前段階にある「情報処理」をうまくできるようになることがポイント。
上司に怒られたのも、自分が理解できていないのに行動だけ早くしていたのが原因でした。
「自分はしっかり理解したいタイプなんだなあ」と、肩の力を抜いて仕事に取り組むようにしていけば良いのかもしれませんね。