【書評】『女系家族』で腹黒さを学ぶ
ロッシーです。
今読んでいる本がこれです。↓↓↓
山崎豊子さんといえば、「白い巨塔」「大地の子」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」など名作ぞろいです。
だから基本的に何を読んでも外れはありません。全て面白いです。
ただ、この「女系家族」は、他の著作よりもとりわけ人間のエゴや欲望を丹念に描いているように思います。
大阪・船場の老舗を舞台とした遺産相続に絡む話ですからね。もうコテコテのドロドロですよ。
そういう意味ではかなり「腹黒い」小説です。でもだからこそ面白いのです。
この小説を普通に読める人は、かなり腹黒いかもしれません。
逆に、「こんな腹黒い人達なんてやっぱり小説の世界だからだよね。」と思う人は、そこまで腹黒くないのかもしれません。
いずれにしても、この小説を読むことで、「自分自身の腹黒さ度合い」を改めて認識することができるのではないでしょうか。
さっきから「腹黒い」と書いていますが、別に腹黒いことを悪いことだとは思っていません。
ある程度人間というものが分かってくれば、多かれ少なかれ腹黒い部分を抱えているのが人間だということは分かると思います。
本当に純真爛漫な人というのもいるのかもしれませんが、世間で揉まれ続けるうちに、だんだんとその純度を失ってくるものです。
でも、それだって見方を変えれば「年の功」ともいえるわけです。
純度を失ったなら失ったなりに得るものもあるわけで、そういうものを清濁併せて楽しんでいくのが人生なのではないでしょうか。
ぜひご興味がありましたらご一読をおススメします。
Thank you for reading !