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【書評】オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』は、スターウォーズのジェダイ育成と同じ話だった!

ロッシーです。

オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』を読みました。


本書『弓と禅』は、一言で言うと、著者のオイゲン・ヘリゲル氏が日本で「弓を通じて禅的なものを学んだ」経験を記した本です。ウエストミーツイーストですね。

ただの弓術の話じゃなくて、「無心」とか「今ここ」に集中することの大切さを教えてくれる内容にもなっています。

スター・ウォーズやん!

私は本書を読んで、どうしてもスター・ウォーズを連想せずにはいられませんでした。

「あれ?これまんまスター・ウォーズやん!ジョージルーカス多分この本読んだよね?」

それくらい両者には類似性があったのです。

禅と無心

『弓と禅』では、ヘリゲルが日本の弓術を学びながら、禅的な考え方に触れていきます。彼の師匠である阿波研造先生が教えるのは、「弓を引いて矢を放つ」という技術的なことではありません。そんなスキルを高めても、それは芸者でしかありません。それよりも心のあり方、特に「無心」になることが大事なのだという話が何度も出てきます。

「無心」というのは、余計なことを考えずに自然に任せることです。まさに、スター・ウォーズのヨーダがルークに「フォースを感じろ」と教えるのとそっくりです。

「私が射るのでなければ、誰が射るのですか?」と聞くヘリゲルに、阿波先生は言います。

「それが射るのです」

なんてクールなセリフ!

この感覚は、まさにフォースと一体化するジェダイそのものです。

自分を超える

ヘリゲルが弓術を通じて「自己を超越する」ことを目指して修行します。

的に弓を当てるのが目的ではなく、弓を引く行為そのものが修行であり、それにより自己を超越することを目指すわけですね。この考え方もジェダイの修行に通じます。

スター・ウォーズでルークがライトセーバーを振る練習をしてるシーンを思い出してください。あれも剣術そのものを学んでるわけじゃなくて、感情を制御してフォースと調和するのが本当の目的です。

ヘリゲルが弓術を通じて得た「大いなるものとの一体化」の感覚、それはまさにジェダイがフォースと一体になる瞬間と同じなのです。

師匠と弟子

『弓と禅』では、ヘリゲルと阿波先生の師弟関係も描かれています。阿波先生の教え方は厳しいです。ヘリゲルも破門されかかったりします。しかし、色々な苦難を乗り越えていき、師匠を信じてついていくことで、少しずつ弓術の深さが分かってくるのです。

これもヨーダとルークの関係に似てますよね。ヨーダの教えは、最初は意味が分からないですし、すぐに結果が出るものではありません。でも、ルークがヨーダを信じて修行を続けた結果、ジェダイとして成長していきます。

この「信じてついていく」という要素は、どんな修行でも共通して大事なのでしょうね。

今ここに集中する

禅の教えでよく言われるのが、「今この瞬間」に集中することです。過去や未来を考えるのではなく、今ここに全力を注ぐこと。この考え方は、『弓と禅』でもスター・ウォーズでも重要です。

ヨーダがルークに「集中しろ。フォースの流れを感じるのじゃ。」と教えるシーンがあります。

あれは、まさに禅の教えそのものです。『弓と禅』でヘリゲルが無心を体得するプロセスとそっくりです。 

呼吸の重要性についても述べられていますが これなどは『鬼滅の刃』 と同じような気がします。

外部の視点

実は、この本がさらに面白いのは、ヘリゲルが外国人として日本の禅に触れ、それを言葉にしている点だと思います。

日本人だと、禅や弓術を「当たり前のもの」として深く考えないことも多いです。でも、ヘリゲルのように外部の新鮮な視点で語られることで、私たちも改めて禅的なものの本質に気づかされるわけです。

昨今、日本人が自国の文化を理解する上で、こういった外部の視点がむしろ役立つことが増えている気がします。この本を読むと、「無心ってこういうことなのか!」と腑に落ちる瞬間が何度もあります。

最後に

禅の「無心」や「今ここに集中する」という教えは、現代を生きる私たちこそ必要な気がします。本書を読めば、弓術や禅的なものの深さを知れるだけではなくて、スター・ウォーズを新しい視点で楽しめるようになるかもしれません。

禅とフォース、阿波先生とヨーダ、弓術とライトセーバー。この二つの世界が重なり合うことで、私たちは技術を超えた「無心」の魅力に気づくことができるのではないでしょうか。

本書を読んだら、なんだか無性に弓道をやってみたくなりました(笑)。

ぜひ、興味がある方は一度読んでみてください!

最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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