【書評】『投資で一番大切な20の教え』(ハワード・マークス)を今こそ読むべき
ロッシーです。
株式市場が荒れ模様のいまだからこそ、おすすめの投資本を紹介します。
ベンジャミン・グレアム
ウォーレン・バフェット
ピーター・リンチ
ジェレミー・シーゲル
私はそういった巨匠の本をこれまで読んできましたが、このハワード・マークスの本が一番しっくりきます。
これを読むと、いかに投資が難しいのかが分かると思います。
正確に言えば、
「市場平均を上回る投資をすることがいかに難しいのかが分かる」
ということです。
市場平均で良いのであれば、大多数の人がおすすめするようにインデックスを買えばそれでOKだと思います。
しかし、市場平均を上回ことがいかに大変なことか。
プロの世界の厳しさを垣間見ることができます。
こういうのを読むと、謙虚になれるのでいいですね。
特に重要なのは「サイクル」という概念です。
相場を予想することはできませんが、今自分が相場のどの位置にいるのかをおおよそでも把握しておくことで、ポートフォリオの調整をすることができます。
ディフェンシブな布陣にするのか、オフェンシブな布陣にするのか。
それは非常に重要です。
何も考えずに、インデックスに積立投資するのもそれはそれで否定しません。
しかし、浜辺に出て沖を眺めたら、暴風雨になる黒い雲が見えていたとしたらどうでしょう?
普通は被害を防ぐために予防策を講じますよね。
株式投資もそれと同じで、キャッシュポジションを高めたり、アセットアロケーションを変更するなどして被害を極力少なくするほうが良いはずです。
「どうせ株価は右肩あがりなんだから、損失が出ようが積立すればいいんだよ。」
というのもアリだと思いますが、それは視点を変えるとある種の思考停止ともいえます。
あえて思考停止をすることで、きっちりと市場平均にキャッチアップしていくのもひとつのやり方かもしれません。
しかし、一方では、そうやって思考停止をしてくれる市場参加者が多ければ多いほどいい。自分の頭で考えず、他の人がすすめるままに投資してくれるほうが良い。そういう見方もあるわけです。
投資というものはアートですから、これが正解だというやり方はないのです。
いっときは正解とされたやり方でも、それを皆がやりだしたら正解ではなくなるのです。
S&Pインデックスに積立という方式だって、もしかしたらそうなるかもしれません。
靴磨きの少年の理論のように、
「IDECO&積立NISAで、S&Pインデックスに積立&ホールド!」
と誰もが同じようなことを言いだした時が一番危険です。
最近では「レバナス」というのも流行っているようですが、要するにそれってレバレッジを利かせているわけですよね。
今のこの相場が、サイクルにおけるどの位置にいるのかを考えたら、そういうものに投資できるのは本当に勇敢だと思います。
勇敢な人ほどパフォーマンスは良くなります。なぜならリスクに目を向けないからです。
しかし、サイクルが変わったときに、最も大きな損失を被るのもそういう勇敢な人達かもしれません。
この本を読んで、投資は難しいものだということを、きちんと認識すること。
そうすれば、もっと謙虚な気持ちで相場と向きあえるのではないでしょうか。
興味のある方はぜひおすすめです。
※ちなみに、ハワード・マークスの下記書籍もおすすめです。市場サイクルによりフォーカスしている内容となっています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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