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家族や恋人にうつ病を理解してもらうために私がやった3つのこと


・はじめに


「うつ病」は目に見えない症状が重いからこそ理解を得ることが困難な病気です。


うつ病に限らず、適応障害や双極性障害など、「気分障害」と呼ばれるものは認知度は高まってきたとはいえ

まだまだ誤解の多い病気なのではないかと思います。


テレビやインターネットで目にする機会はあっても自分の身近には感じていない人が多数です。


私も、自分がうつ病にかかる前はうつ病に対してまったく違うイメージを持っていました。


※わたしがうつ病になってはじめて分かったことはこちらの記事にまとめています → (「うつ病になって初めてわかった3つのこと」https://note.com/romirom0077/n/n08538a26d984


しかし、自分自身がうつ病を経験し、身近な友人もうつ病と闘っていることが分かり、私のうつ病に対する考えは180度変わりました。


そこで今回は、うつ病を家族や友人に少しでも理解してもらうために私がやってきたことを3つ紹介します。



※あくまで個人の体験に基づいた一例です。



(1)「身体症状」の方から強くアピール


「アピール」というと語弊があるかも知れません。

しかしなぜ「アピール」という言葉を用いるのか、それには理由があります。


うつ病の症状の1つである「興味・喜びの喪失」や「憂鬱な気持ち」といったマイナスな精神状態は誰でも経験したことがあるでしょう。


しかし、健康なときに感じる「マイナスな精神状態」とうつ病の時に感じる「マイナスな精神状態」はその質がかなり異なります。


こればかりは実際に経験してみないとわからないと思います。

だからこのことを説明しても、健康なときに感じる「マイナスな精神状態」に即したアドバイスが帰ってくることが多く、余計にうつ状態が悪化することがあります。


うつ病には精神症状だけでなく「強い倦怠感」や「食欲の低下」など、辛い身体症状も存在します。


そして、うつ病の時の「身体症状」と

風邪やインフルエンザの時の「身体症状」は大きく異なるということは少なく、健康な方にもイメージしやすい事が多いです。(個人差あり)



よって、私の場合

「最近、やる気が起きなくて常に気持ちが沈んでいるんだ・・」

と言うのではなく、先に

「動悸がして身体が怠くて、休んでも休んでも常に具合が悪いんだ・・」

と言う方が理解を得られやすかったです。



時間はかかりましたが、このことを家族に繰り返し伝えました。



(2)「コントロールしたいけど出来ない」ことを伝えてみる


「いつまで寝てるの!?」

「シャキッとしなさい!」

うつ病は重症化するとベッドから起き上がれなくなることがあります。

そんな時に家族からのこの言葉、辛いですよね。


私は長いこと強い倦怠感に苦しめられてきましたが

家族や恋人によくこんな注意をされました。


「起き上がりたい。起き上がりたいのに、起き上がれない・・・」


彼らの前でなんとか平静を装っていた私ですが、あるとき年甲斐も無くそう言って泣いてしまったことがあります。

当時は「心配を掛けたくない」、とか「出来ない自分を自分で許せない」といった理由で出来ない自分を否定し続けていました。


しかしこの時のことを家族にあとから聞いてみたところ、

「ああいう風に言われたとき、あなたが、『コントロールできないことが辛い』と感じていることが初めてわかった。」

と言われました。



やろうとする意志はあるのに出来ない。

根気は必要ですが素直に伝えてみることも1つの手です。


(3)「うつ病」を取り上げた映画や漫画を見てもらう


これは割と有効だと思います。

私の場合は「ツレがうつになりまして」を映画・漫画ともに見てもらいました。

この作品のおすすめポイントは、うつ病の当人が主人公なのではなくうつ病の主人を支える妻が主人公であること。


うつ病にかかった側とそれを見守る側、2つの立場の考えがかなり詳細に、リアルに描かれた作品です。

うつ病に対する理解が深まるとともに、うつ病寛解に向けての希望を抱ける作品でもあるのでこれを家族やパートナーとともに見るのは個人的にかなりおすすめです。


・それでも理解されなくて辛いときは・・?


それでも、1ミリも理解されず責められてしまって苦しい・・


ここからは最終手段です。

ズバリ、「プロに頼る」ことです。


・かかりつけの医師にどのように伝えれば良いか相談してみる、

・実際に医師から家族に説明してもらう


これだけで、少し前進できるのではないかと思います。


うつ病は、本当に難しい病気だなと思います。

私も理解されないことの方が多く、限界状態の中でなんとか創意工夫と失敗を繰り返し、寛解目前にしてやっと理解を得られたかな、という具合です。

(ちなみに父は未だに「気の持ちよう」説を唱えております。笑)


実際に言わないだけで、私の友人や知人の中には

「怠けてるだけじゃないの~?」

「気の持ちようでしょ!」

と感じている人も多いのだろうな、と思います。


しかし、どんなに深い仲の人であっても完全な理解というのは難しい、これが前提にあることは致し方ないのでしょう。

うつ病に限らず、だれかの病気を完全に理解することはほぼ不可能なのです。



ただ、「私はこういうときは辛いんだよ」「動く意志はあるんだよ」と伝えることは周囲の人のの理解を得る上でとても重要だと私は思います。



今回お話ししたことは私の個人的な体験に基づいた話ですので、全ての人に当てはまるわけではないと思いますが、

私の経験が、失敗が、うつ病を抱えて必死に生きるだれかの参考になれば、と思い書かせていただきました。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



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