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2023年美術鑑賞記録

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2023年に見た美術展色々
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2023年12月の記事一覧

【何者でもない】倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙 世田谷美術館

【何者でもない】倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙 世田谷美術館

倉俣史朗(1934〜1991)
インテリア・デザイナー、とカテゴライズされるらしいのだがどうも自分にはその印象が薄い。
どちらかというと現代美術の人のイメージがあった。なぜか。

それは60年代70年代の美術家たちのエピソードの中に時折名前が出てくるからで、そのカテゴリー側から眺めていると現代美術家という印象を勝手に持ってしまっていたようだ。

この現象は、建築家の磯崎新氏にもある。ネオ・ダダの人

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【いつ考え始めるのか】豊嶋康子 発生法ー天地左右の裏表 東京都現代美術館

【いつ考え始めるのか】豊嶋康子 発生法ー天地左右の裏表 東京都現代美術館

お、面白かった〜!
見ていくうちに知的興奮がドンドン上がっていく、そんな展覧会だった。

当たり前にそこにあるもの、制度、価値観ってなんだろう?

と改めて自分に問う。
問うた時、あれ?実はなんかとても不思議な事で悩んでいることが多いのかも知れないな、と思った。

モノの見方、味方、捉え方、受け取り方。
人それぞれ「当たり前」とし「考えなくてよし」と無意識に切り捨てている部分に突っ込んでくる。

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【本来の意味でのアナログ】MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ 東京都現代美術館

【本来の意味でのアナログ】MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ 東京都現代美術館

まず「MOTアニュアル」とは。

今回で19回目の開催。

第1回〜3回ぐらいまでに丸山直文、内藤礼、中村正人、
11回目に冨井大裕、池内晶子、関根直子…

などが取り上げられている。

私がMOTアニュアルで初めて作品と出会い、意識して名を覚え、現在も追っているきっかけになった作家さんたち。

こうしてみるとMOTアニュアル展後、今も一線で活躍している人も多い。
現在美術を追う視点で見に行くのも

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【勝手に部門を創設して考える】 2023年に見た美術展。

【勝手に部門を創設して考える】 2023年に見た美術展。

先日参加した マイベスト展覧会2023。
次々公開される皆さんのベストもまだまだ楽しみなのだが、マイベストを決める際、実は結構悩んだ。

2023年度の美術館訪問回数は97回。
見た企画展・コレクション展は126展示。
そのうちnoteにレポを書いたのは82展示。
足を運んだ館は55館。買った図録の冊数は21冊
(12月22日現在)

考えているうちに、頭の中で「写真ならアレだし、近代美術ならあの

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【絶賛、飼育中】テオ・ヤンセン展 千葉県立美術館

【絶賛、飼育中】テオ・ヤンセン展 千葉県立美術館

千葉県立美術館でテオ・ヤンセンの個展が開催されている。(2023年12月現在)

どこかしらで名前を知り、きっと映像作品で見たのかどんな感じの作品かは薄っすら知っていた。
なんだか子供達も好きそうだから、一緒に行く?と誘ったら
「え!テオ・ヤンセン?!知ってる!アレだ!見たい!」
と言われ、なぜ知ってんのかと思ったら、息子2人はガサガサと本棚から「くらべる図鑑(確か科学)」を出してきて「この図鑑に

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