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2023年美術鑑賞記録

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2023年に見た美術展色々
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2023年9月の記事一覧

【豪胆と繊細】三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions 千葉市美術館

【豪胆と繊細】三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions 千葉市美術館

※9月10日[日]会期終了です
寄木の仕組みで組み立てられた動物の彫刻たち。
とにかく大きい。その大きさに爽快感のある展示でした。
そして木の香りがする展示室も、「塗りたて」の看板のつく新作の彫刻もとても新鮮だった。

難しいことを考えず彫刻の表面や削った痕跡、着彩の筆跡を追うのも楽しい。

動物たちの周りをぐるぐると回りながら見え方の変わる立体作品の面白さを味わう事ができる。

三沢氏のアトリエ

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【プログレッシブなプロヴォーク】挑発関係 中平卓馬×森山大道 神奈川県立近代美術館 葉山

【プログレッシブなプロヴォーク】挑発関係 中平卓馬×森山大道 神奈川県立近代美術館 葉山

森山大道と中平卓馬。
この2人を同時に取り上げた展示はおそらく過去無いそうだ。

森山大道氏、中平卓馬氏がそれぞれがゆかりのある葉山を写した写真を、ここ神奈川近代葉山で展示する意味は深いだろう。

今回、展覧会担当学芸員さんのギャラリートークに参加をした。
展示を企画し、作家と繋がる担当者から展覧会の話を聞くのは物凄く面白い。一通りの解説だけに留まらず、熱い思い入れも垣間見えて嬉しくなる。
展示作

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【総勢204人】 寒山百得 横尾忠則 東京国立博物館 表慶館

【総勢204人】 寒山百得 横尾忠則 東京国立博物館 表慶館

2年間で102枚の寒山拾得テーマの新作を描いた横尾忠則氏。
しかも100号クラスの油絵である。
寒山と拾得で102枚だから204人の寒山拾得を1日で見たわけだ。

思わず「わぁあ!すっげー!」というシンプルな言葉を発してしまった。
しみじみ「よかったなぁ…」というより、汗だくで「すごいものを観た…」という感じだろうか。スポーツ観戦に近いかもしれない。
鑑賞を終えた後の空腹がすごかった。朝ごはんがっ

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【パンク屏風】ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン アーティゾン美術館

【パンク屏風】ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン アーティゾン美術館

パンクだな、と。
すずしろ日記をずっと読んでいた方は、「何を今更」なのかも知れないけれど。
それとも今の状況だからこの内容が公開できるのか。
いや、今の状況でなくても山口さんの静かな勇気の声明をきっとアーティゾン美術館は公にしてくれたと思う。
そんなコーナーもあった。

山口晃氏のイメージ

「現代日本画家」「現代版狩野派」的なイメージを持っていた。
初めて作品を観たのは現美のMOTアニュアルの頃

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