いわおとよき

海藻の研究を仕事にしてる。ホラー映画やホラーじゃない映画を観たり、イラスト描いたり、子…

いわおとよき

海藻の研究を仕事にしてる。ホラー映画やホラーじゃない映画を観たり、イラスト描いたり、子育てしたり。三重県の伊勢市に住んでる。

最近の記事

ジャッキー先生

 こんなこと、俺世代の男子には言わずとも分かることだが、ジャッキー・チェンの凄まじい体術、クレイジーモンキーシリーズの映像体験、それらにただただ虜になった時期があるだろう。今の子にはわからないかも知れないし、政治的な信条が我々一般的な日本人とは違う、と言う部分を気にしたりする向きもあるかも知れない。だから、あえて記したい。我らがジャッキー先生において、信条だなんだは関係ない、と。虜になるべき対象なんである、と。  よく、ブルース・リーと比較される。それは仕方ない。ブルース・

    • チャーハンの向こう側

       最初のチャーハン(炒飯)は間違いなく母さんが作ったものだったろう。ハムと玉ねぎ、にんじん、ピーマン、玉子が入ったもので、推察するに、食が細かった妹に、ちょっとでも色々、ひとさじで食べられるようにということだったかもしれない。その後、永谷園の炒飯の素や中華料理店のそれを食べて気づいたが、うちのはまず、味が薄い、そもそも、中華の味ではない。油っこくない。炒飯としては美味しくはない部類だろうが、やはりそこは母の味。好きだった。ひと鍋分食べていた。妹の食べ残しまでいっていた。ウスタ

      • 方向音痴じゃないのよ

         方向音痴の人などいくらでもいるだろう。珍しくもない。俺は自分がそうかはわからないが、行きたいとこにはちゃんと着く。が、そこはどこなのか、駅からどう来たのかはちゃんとはわからない。事前に、後で道順を説明せよ、とオーダーされていれば、できる。  よく、方向感覚がまともな人がそうでないかもしれない俺に教えてくるのが、「太陽なんかを見て、方角を把握しとけば。」というのがあるが、方角くらい把握している。太陽の方角や風向き(仕事柄、場所の3時間おきの風の強さと向きはだいたい把握してい

        • 旅、ときどき観光。 

           あまり旅行に出かける家庭ではなかった。隣県和歌山の鄙びた(父がそう呼び、その状態を尊んでいた)海岸「新和歌浦」や南紀白浜に何度か行く程度。あとは両親の実家くらいか。一度、友ヶ島に渡ったり、淡路島に泊まったこともありすごく楽しかった。特に何もしてはいないが。海外旅行など大学生になってから初めて行ったし、東京ディズニーランドは高校の修学旅行が初めてだ。はしゃいだ。  そんな俺だが、中学生の時も、高校生の時も1人で旅はしていた。自転車で朝から東に向かい、知らない街のスーパーマー

        ジャッキー先生

          なんという3分間

           30歳をすぎた頃だったか、若さに任せてというほど無理もしてないが、大学院生で図書館にこもったり、ずっと立ちっぱなしで実験したり、サンプル採りで潜るのに、アザラシの気持ちで、とかアホみたいな潜り方したり、だいたい、布団の上でまともに寝てなかったりとしたせいか、首を少し痛めた。腰にはヘルニアがあり、そのことも影響してるはずだが、少し左下に首を傾けたり、自転車で左右確認しようとしたりすると、ピシッとしたような軋むような痛みが出てきた。喉あたりも痛いような気もして、病院にいったが、

          なんという3分間

          好きなんだもの、洋服

           もうあまり買わなくなってしまった。まあ、ダサい話かつ現実的なところとしては洋服や靴にガンガン、スッカラカンまでお金を使うわけにはいかなくなったのと(ふつうの子育て世帯主だとそんなもんかしら)、欲しい服を真剣に探しに行かなくなったという、、、いや、ちがう。楽しく買いに行く友達がいなくなったからか。楽しくは行くけど、嫁さんとはまた違うしな。それは大きな理由かも知れない。  しかも、面白みのないことに、普段着も仕事着もほぼ同じで年中Tシャツとスウェット。シャツは着ない。ジャケッ

          好きなんだもの、洋服

          透視術(イントロスコピー)

           長尾郁子、御舟千鶴子、高橋貞子。金属製の茶筒の中に封じた手紙の文字を読み取ったり、念写したりという能力があったとされる。彼女ら能力者は被験者になることで、追い詰められ、能力を発揮できなくなっていったが、そこに障壁があれば、その向こうを観てしまう性だったのかもしれない。その能力の強さ故に、時代の中で目立ち、晒し者にされ、非業な運命を着せられてしまったのだろうか。  男子の一部には、女性の着衣の上からの胸の膨らみを確認せずには、そして、その衣類の向こう側にあるものを透視せずに

          透視術(イントロスコピー)

          鯨骨生物群集あるいはエロ本生物群集

           深海にも多くの生き物が暮らしていることがわかっているが、沿岸域と違い、いつも多くの餌にありつけるわけではない。硫黄分が多く噴出し、高温が確保できる熱水噴出孔などは、硫黄を栄養にして暮らすバクテリアやチューブワーム、それを食べるエビやカニなどでごった返しているが、そんな場所は珍しい。ひとたび餌が口の近くに来たら絶対に逃さないというような大きな口や、体より大きくても丸飲みできるように肋骨がなく胃袋が柔軟に広がるなど、特殊に適応して生きているくらいだ。  鯨は世界最大の哺乳動物

          鯨骨生物群集あるいはエロ本生物群集

          憧れの仕事

           将来なりたい職業は、小さい頃は医師だった。父親が泌尿器科の勤務医だったし、祖母も曽祖母も助産師だったし、手塚治虫のブラックジャックも大好きだったから。だが、その後してみたい仕事は変わっていき、トラックやバスの運転手になりたくなった。いや、じつは、幼稚園の頃、通園バスの通り道にあった金属解体工場がずっと頭に焼きついていた。タイトル写真は国道23号線、四日市付近にある「有名な」金属解体工場で、俺が見ていたのは大阪の堺市にあったもっと小さな工場だった。それでもスレート波板材やブロ

          読書のすすめ

           会ったことのない子だが、俺が勤める研究所に何度か海や生き物、科学についての質問を電話でしてくれていた子がいた。もう高校生になってるだろうか。大学生かもしれない。そんな子が中学生になる前に久しぶりに電話をくれた。  お母さんは本を読みなさいといって、いくつか本を薦めてくれるけど、その本と違う本や漫画を読みたい。それを見て、お母さんはそんな本ばかり読んでたらちゃんとした大人になれないよ、と。そうなんですか?  我が家に伝わる、いや、まあ、俺の父親がかつて俺が小学生の頃に、「

          読書のすすめ

          音を楽しむ

           幼稚園のころ、ヤマハ音楽教室に入った。「ヤッマッハッ、ヤッマッハッ。おんがくきょぉーしつっ!」って歌って、みんなでピアノやエレクトーンを習い、合奏会やコンクール課題曲の練習をする。後ろ向いて、「ファ&ラ♭ド!」と鳴った音を当てる試験とか。水泳教室はなんか並ばされるのが向いてなくて、オエッてなり、2回くらいでやめたらしいけど、ヤマハは楽しかったんかして幼稚園を卒園するまで行った。  1年生からはヤマハの先生に「トヨキ君に合いそうな個人レッスンの先生がいるのよ。」と、バスで1

          合わせ鏡というか俺の美意識

           丑三つ時に合わせ鏡を覗くと死んだ自分が映り、お迎えに来る。そんな感じだったと思うが、人面犬とか学校の七不思議(これは痛い目にあった)とか流行った頃、合わせ鏡の怪もウワサになった。人面犬や高速婆さんやテケテケの類は、まず出会わないといけない、という難点があるが、合わせ鏡は簡単だ。あとは2時ごろという夜中に起きているという点があるだけ。  さっそく個々に試そうぜ、と言うことになった。もしうまくいったら、お迎えが来て、もう次の日に学校でその成果について伝えることもできないという

          合わせ鏡というか俺の美意識

          寄る店

           近所じゃないと寄れない。職場の近くとか、家の近くとか。いや、一軒寄っちゃう和菓子屋があるが、すごい遠い。幼馴染の店だから、まあ、もはや、買い物に行ってるというか、ただ寄るだけだ。寄る理由が「会いたいから」だと恥ずかしいから、買いに寄るという理由をつけてるだけだ。  うちの近所にお弁当とドーナツと色々を扱ってるお店「おんりぃ福」と、ドーナツとCDや書籍なんかを扱ってるお店「水色レコード」がある。どちらもドーナツだが、まったくテイストが違うので、俺にとっては幸運だ。フワフワも

          趣味

           趣味はなんですか?絵を描いたり、ギターを弾いたり、映画を観たり、本を読んだり、料理もか?あれは家事か。あとは、数学も好きだし、、、。山は興味がある、すごく。旅行も、幼い息子のおかげで鉄道が好きになったから、鉄道を使いながらしたい。が、なんか趣味って思っては行動していない。みんなもそんなものではないだろうか。「私の趣味はランニングだから、さて、今から趣味のランニングをしよう。」って思って動いてないのではないか。まあ、そりゃそうだ。家事や仕事、あとは生理的三大欲求なんか以外に、

          映画の時間03

           いつも個人的な感覚を吐露するこのnoteだが(一般論を議論していない、という意味だ)、今回はマニアックではある。  ホンモノを見極める目。そんな審美眼を発揮するような暮らしをしていない俺だが、「13日の金曜日シリーズ」を追いかけていたあの頃、見極める目を持っていることに気がついた。「新・13日の金曜日」を観た時のことだ。パート2、パート3と来て完結編で完全に息の根を、、、、ひょっとして、この作品群を知らない人がいる?  1980年に始まった本作は、ホッケーマスクをかぶっ

          海藻とワタシ03

           科学者として生物学的な好奇心、科学的面白さとスピリチュアルなサムシングに突き動かされて海藻という生き物と付き合っていることはわかってもらったと思うが、じゃあ、漁師や海女さんら水産関係の人らや、最近では観光関係のセクションとも仕事をしてるのは、どう折り合いをつけてるのか?仕事だから、というハードボイルドな納得をしているわけではない、うちの俺にかぎって。  仕事的には、水産資源のひとつである海藻を、直接的には海苔養殖やワカメ養殖のわずかながらのサポート、相談にのったり、種苗を

          海藻とワタシ03