チャーハンの向こう側
最初のチャーハン(炒飯)は間違いなく母さんが作ったものだったろう。ハムと玉ねぎ、にんじん、ピーマン、玉子が入ったもので、推察するに、食が細かった妹に、ちょっとでも色々、ひとさじで食べられるようにということだったかもしれない。その後、永谷園の炒飯の素や中華料理店のそれを食べて気づいたが、うちのはまず、味が薄い、そもそも、中華の味ではない。油っこくない。炒飯としては美味しくはない部類だろうが、やはりそこは母の味。好きだった。ひと鍋分食べていた。妹の食べ残しまでいっていた。ウスタ