好きなんだもの、洋服
もうあまり買わなくなってしまった。まあ、ダサい話かつ現実的なところとしては洋服や靴にガンガン、スッカラカンまでお金を使うわけにはいかなくなったのと(ふつうの子育て世帯主だとそんなもんかしら)、欲しい服を真剣に探しに行かなくなったという、、、いや、ちがう。楽しく買いに行く友達がいなくなったからか。楽しくは行くけど、嫁さんとはまた違うしな。それは大きな理由かも知れない。
しかも、面白みのないことに、普段着も仕事着もほぼ同じで年中Tシャツとスウェット。シャツは着ない。ジャケットも着ない。ネクタイもしめない。シャツは好きなんだが、生地の柔らかさだとか袖の太さに襟の開き具合なんかを色々こだわって買うのは好きなくせに、着ない、ということに気がついてしまった。ニットもかなり好きだったが、なんと、多分、ウール(カシミアでも)アレルギー?アレルギーなんか知らんけど、鼻が痒くなったり目がシパシパするような気がすることに気づき、40歳になる前に全部処分した。コートも何故か着ない。お尻が隠れる丈の上着は、ガウンみたいなコットンジャケットというか、コットンガウンは着てるが、防寒着としては着ない。座ると腰からお尻、太ももも冷えるのに、ショート丈ばかり着ちゃう。寒い。
好きなんだもの、と言ってるわりに、買わない、着ない話ばっかりしたが、それでも年中探してる。表情のある生地や色味のTシャツやスウェット、良いシワの入るパンツ(ディッキーズは仕事柄よく履くが、化繊の性質か糸の太さか、シワはダメだ)や、柔らかいソックス、やたら短い丈のレザーグローブもずっと探してる。腰丈くらいの上着しか着ないといってるのに、なぜかM51とかM65みたいないわゆるモッズコートも探している。
ない、というか、一所懸命探しに行くのが面倒で、じゃあ、プリントくらい自分でしちゃえ、と。学生時代からやってたシルクスクリーンプリントはしている。でも本当は誰かが作って刷ったやつが着たい。だって、プロの作ったやつの方がカッコいいし、やっぱり。パンツは、昔、ppcmっていう10年ちょっとで解散しちゃったM-A-W-S Design Productionsっていうデザインチームがやってたドメスティックブランドがあり、今でも個々には活躍しているが、そこの1997年s/sかなんかの「工務店」みたいのがテーマのラインパンツ(ラインて言っても、横に腰から裾まで入ってるのではなく、ポケット口と、裾あたりに入ってる)が忘れられなくて、そういうの売ってなくて、最近、そういうの作ってくれそうな人と知り合ったから頼もうかな、って思って。あと、コムデギャルソン オムのコットンパンツもギャルソン シャツとはシルエットも違って好きで履いてた。あんなんも作って欲しい。
で、最近、ふとしたきっかけ、服を探しに、とかでなく、友達が自身のお店(お弁当/食品店)で使うコーヒー豆を焙煎しに行くけど、そこのお店ユーズドウェアにオリジナルメッセージプリントしたりもしてて面白いから行く?と軽めに誘われて、閉店間際に入ったら、やられた。Tシャツも俺が好んで着るサイズのは少ないけど、生地や色が楽しい。あと、今の俺にはちょうどいい品数。もう、がっつり1日かけて何回も棚をぐるぐる、片端から試着し、作りや工場や糸から染色やの話を交わして回る体力がなくなってる、かも知れないのでね。その限られたTシャツやパンツに限られたデザインプリントがされてて、そのユーズドを選び、メッセージを作って、刷った人が店をやってるのが良いな、と。そんな風な店は当然あちこちにあるし、自分でも探せるんだが、そんなんではなく、友達に「観てく?」と言われ入ったら、あら、良い感じじゃなーい、という20年ぶりくらいのトキメキにしびれたの。といってもちょっと自宅から150キロほど離れてるので、しばしばもいけないけど、時々行きたい。プリントして欲しい。M51みたいのもあったな。
という、久しぶりにトキメキ店を発見したお話でした。