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2024年8月15日 16:56
石よ時の流れ大地の変遷げに重々しいものが濃縮されてそこにあるのにどうしてかそんなにぽっかりとしているのだ山や岩のようにおどろしいすがたで畏敬を集めるがよいものをどうしてかそんなに小ぶりに丸くなっているのだ石よ私の旅に黙って伴われる石よ動力も持たぬのにどうしてそんなに自由なのか私を経由してどこへゆくのか嗚呼、私の血潮にも石と同じ元素が流れているではないか石のよう
2024年7月28日 00:34
あの素晴らしい山肌に私の魂は吸いついてしまったりんりんと夏が更けてゆく
2023年3月15日 00:15
若い君の涙が瞳に溜まった涙がこの夜をこらえて明日明日の朝陽に溢れればひとつのつややなレモンとなってまばゆく光るのだろう
2023年3月20日 09:04
一人でいると言葉が 寄ってくる闇が 寄ってくる私はいつも居心地のいい椅子にもたれながらしおからい夜の海でさみしさをいじくっている
2023年3月23日 07:45
トンネルをぬけると曇天の無残な田畑に菜の花が一束光っていた
2023年3月27日 14:51
私の楽しい日あなたは悲しんでいた
2023年4月26日 19:31
ご機嫌な川っぷち青む草草人は嬉しげねこはふくらむ
2023年10月2日 07:06
秋は現実が快適でわずらうことの少ないので何をするのも容易空想にふけろう
2023年10月4日 21:28
押し花する ように手招きする ように風の瓶詰め夜の抽出虫眼鏡の中の宇宙解剖する ように椅子を製する ように感情の琥珀性善説の証明日常の濾過私的な考古学そんなように つくるそんなように いきる
2023年10月11日 08:45
ゆくさきの不安めさきの利益そのために大それたセリフ大袈裟な音楽そういう人生をすっかり失くしたのだ私の映画は不条理ですらない十に九つのありふれたプロットだそれでいて二度と描けぬ波形のパターンだ
2023年10月18日 08:14
秋の朝ふだん衝立のように黒黒と扁平な山かげが霧をまとえばどっしりと迫ってくる一枚絵のトリックがとけてそれぞれの面様が顕になる何もかもがようやく始まったかのように思われてくる
2023年10月30日 19:28
鬱蒼とした山道をゆけばふと 場がひらけて光がみちてなにかを祝うように葉が降ったのだゆったりと降ったのだこうふくのありかここがそうなのかしらそれからというもの鬱々とした昼間などこのささやかな空間が私の懐に ぽっかりとひらけることがある
2023年10月31日 07:53
青空を消しゴムで拭った先に飛行機
2023年11月1日 21:16
さみしさふあんはっこうゆたかあなたあたたかひかりはらっぱころがるわらうねむるいきるいきるいきるいきるいきるいきるかなしみくるしみじゅくせいほんとうあなたなめらかみずあらわれるやわらかかぜなでられるわらうねむるいきるいきるいきるいきるいきるいきる