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【詩】石讃歌

石よ
時の流れ
大地の変遷
げに重々しいものが
濃縮されてそこにあるのに
どうしてかそんなにぽっかりとしているのだ
山や岩のように
おどろしいすがたで畏敬を集めるがよいものを
どうしてかそんなに小ぶりに丸くなっているのだ

石よ
私の旅に黙って伴われる石よ
動力も持たぬのに
どうしてそんなに自由なのか
私を経由して
どこへゆくのか

嗚呼、私の血潮にも
石と同じ元素が流れているではないか
石のように生きることができれば
波うつ心に日々抗うこともない
石のように暮らすことができれば
贅沢の最中に自己を忘れ彷徨うこともない
石に憧れて 石に絆されて
だからヒトは
石をそばに置いたのだと思う

石の美は
人の美と似る
人の美は
石を究極として
けして極めることのできぬ美であろう

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