旬の魚でフィッシュビリヤニを炊く④〜カジキマグロとエリンギのビリヤニ〜(牡蠣のヴァルヴァルも)
こんにちは!
最近、めちゃくちゃ魚ビリヤニを炊いています。魚に脂がついてきて美味しい季節ですからね。
さて、今回はカジキマグロです。カジキといえばやっぱりヘミングウェイ『老人と海』ですかね。デカくて、口がとんがってる個性的な魚です。(当然、スーパーで買ったので、とんがりの部分は入ってません笑)
カジキの身です。ほんのりピンクで、遠目からだと鶏肉みたいに見えますね。あまり知られていませんが、カジキの旬は冬(10月〜3月頃)。たっぷりと脂を蓄えてジューシーな身になるのです。
今回はアラはグレイビーに、身はフィッシュティッカにしようと思います。タンドリーチキンの魚版みたいなやつです。インド料理屋さんでよく見かけますが、カジキを使っているものが多いです。(身崩れしにくいからかな)
また、今回はエリンギも使います。カジキのあっさりした旨みを引き出すような香り、そしてプリッとした歯応えに期待します。
材料(4〜5人前)
バスマティライス (ラルキラ・マジェスティック)300g
メカジキ(アラ)600g
メカジキ(身)4〜5切れ
エリンギ1つ
玉葱 中1個
A(カジキのティッカソース)
ヨーグルト 200g
レモン汁 小さじ2分の1
ターメリックパウダー 小さじ2
コリアンダーパウダー 小さじ1.5
パプリカパウダー 小さじ1
ガラムマサラ 小さじ2
フェンネルシード(すり潰す)小さじ2分の1
塩 大さじ2
B(カジキのアラ)
マスタードオイル 大さじ1.5(無ければサラダオイルを増やす)
ターメリックパウダー 小さじ2
コリアンダーパウダー 小さじ1.5
パプリカパウダー 小さじ1
ガラムマサラ 小さじ2
塩 大さじ3
B(グレイビーで使うもの)
サラダ油 大さじ4
マスタードシード小さじ1
フェンネルシード 小さじ2分の1
アジョワンシード 小さじ3分の1
コリアンダーシード 小さじ2分の1
ニンニク(チューブ)小さじ2分の1
生姜(チューブ) 小さじ3分の2
玉葱大 3分の1
カットトマト(缶) 200g
カシミールチリ 2つ(無ければ普通のホールチリ)
クミンパウダー 小さじ1
ターメリックパウダー小さじ2分の1
コリアンダーパウダー小さじ2分の1
ガラムマサラパウダー小さじ2分の1
塩適量
C(湯取りに使うホールスパイス)
クローブ 4粒
カルダモン 3粒
マイクロローズ 5つ
シナモン 1本
コリアンダーシード 小さじ3分の1
D(仕上げ)
サフラン水(サフランを5本入れ30分程度水につけた
もの) 大さじ2
無塩もしくは減塩バター 大さじ4(ギーの代わりです)
※実際は10人前炊きましたが、皆様が参考にしやすいように4〜5人前の材料をのせています。
カジキと米の下準備
①バスマティライスの浸水
バスマティライスは茹でた後に鍋で蒸すのですが、その前段階として、お米を水に浸します。今回は50分浸水しました。これをしないと、お米に火が入った時、表面がボロボロになってしまいます。(時間がない時は30分程度で大丈夫
②カジキの臭み抜きとマリネ
まずカジキのアラと肉に塩をたっぷりまぶして(レシピに書いてある塩の分量とは別に)、10分程度置きます。水分(これが生臭さの元)がじわじわと表面に浮いてきたら綺麗に拭き取りましょう。
アラは丁寧に血液や汚れも拭き取ってください。
身にはA、アラにはBをジップロックに入れてよく揉み込み1時間置きます(短くても30分、冷蔵庫に一晩置いてもいいですね)
カジキティッカ作り
先程マリネしたカジキの身は魚焼きグリルに入れて、250度に設定して15分焼きます。
フィッシュティッカ(タンドール・フィッシュ風)の出来上がり!
これだけで十分おかずになりますが、今日はこれをあくまでビリヤニの具材にします。贅沢!
ビリヤニのグレイビー作り
①スパイスのテンパリング
油をフライパンに敷いて、マスタードシードを入れて180℃。周りに気泡ができてきたら、コリアンダーシードを入れて、マスタードシードが弾けてきたら、アジョワン とフェンネルを入れます。弾ける音が止まってきたら、玉葱、ニンニク、生姜を入れて、160℃。玉葱がしっかり脱水するまで揚げ炒めにします。
②具材を炒める
玉葱に火が入ったらトマトを加えて、180℃にします。ホールチリ、塩(浸透圧でトマトの脱水を促す)も加えます。
トマトが赤茶色になってきたら、カジキのアラを加え、火が通ってきたら140℃の中火にしてエリンギを入れます。
最後にパクチーを入れたら、カジキとエリンギのグレイビーの完成!フィッシュカレーとして食べたい人はここまででOK。
参加者に試食させたところ、「何のお肉ですか?」って言ってた。カジキは火を通すとプリプリした弾力になって、肉のようなジューシーさになります。
米の湯取り
①鍋の中にホールスパイスを入れる
水の中にCと塩(水の体積の1〜1.5%)を入れます。そして先程作ったグレイビーを小さじ2入れます。
②米を入れる
お湯を強火でグラグラ炊いて、完全に沸騰してきたら、浸水していたバスマティライスを入れます。米が鍋の中でグラグラ対流したらOK。(うまく対流するまでは、菜箸などでかき混ぜましょう)
③米をあげる
4分くらい経ったら固さや塩加減を見ましょう。ちょっと芯が残る程度(パスタでいうアルデンテくらい)になれば大丈夫です。私は大体、4分半〜5分くらい。
丁度良い固さになったらすばやくザルなどにあげて水気を取ります。
炊く
いよいよ最後の工程です。ハイデラバード・ビリヤニはグレイビーとライスを層にして炊き上げます。
①層にする
まず1番下にカジキのアラで作ったグレイビーを入れます。油で鍋の底がいっぱいになるくらい入れましょう。(焦げないようにするためでもある)
次に米を、下の具材が隠れるようにのせていきます。そしたら残りのグレイビーを入れ、米で覆います。
1番上の米の層の上にティッカを置き、バターを入れて、サフラン水を回しかけます。
②炊く〜蒸らす
しっかり蓋をして、まず中〜強火で3分ほど炊いていきます。グレイビーの香りを蒸気で米に移します。そして弱火で27分ゆっくり炊きます。
時間が経ったら火を止め、20分蒸らします。
完成
時間が経ちました…
オープン!!!!!!
開けるとサフランやローズ、フェンネルなどの甘い香りと一緒に、魚の美味しそうな匂いが…
中を覗くと米がパキッと立っています。これはおそらく成功では…?
実食
見た目通りお米はベストコンディションで炊けました。初めてラルキラを使いましたがかなり気に入りました。
カジキが淡白なので、油をしっかり使ってコッテリめのグレイビーにしたのですが、パンチがあるストリート系のビリヤニって感じで好みです。
徹底的に臭みを抜いたアラや血合ををたっぷり入れてるので魚の旨みがしっかり出ていました。
サフランやローズの甘い香りの奥にあるアジョワンやマスタードオイルの香りがアクセントになっていました。
エリンギは食感が良く、海の旨みと混ざるとなんだか貝を食べているような気分にもなりました。
個人的に満足いく仕上がりでした。そして何より、今回のビリヤニ会に参加していていただいた方々がガツガツたべて、「ビリヤニは初めて食べたけど感動した」「今まで食べたビリヤニの中で1番美味しかった」と言っていただいて嬉しかった。食べる人がいないところで料理はできませんから、こういう機会があることに改めて感謝しなきゃなぁ。
番外編 牡蠣ヴァルヴァル
ここからはおまけです。今回ビリヤニを炊いている間に作った牡蠣のスパイス炒め、通称牡蠣ヴァルヴァルの簡単なレシピを紹介します。
材料(5人前)
牡蠣10粒
玉葱 中2分の1(粗微塵)
ホールトマト 150g
サラダ油 大さじ2
ニンニク 小さじ1
生姜 小さじ3分の2
マスタードシード 小さじ2分の1
アジョワンシード 小さじ4分の1
コリアンダーシード 小さじ3分の1
クミンシード 小さじ3分の1
ホールチリ 2本(今回はカシミールチリ)
ターメリックパウダー 小さじ3分の1
コリアンダーパウダー 小さじ3分の1
クミンパウダー 小さじ3分の1
チリパウダー 小さじ3分の1
バター 大さじ1
塩 適量
①スパイスをテンパリング
鍋に油を張り180℃に熱します。マスタードシードを入れ、粒の周りに気泡が出てきたら、コリアンダーシードを入れ、パチパチ弾けてきたらアジョワン とクミンを入れます。焦げる前に玉葱を入れて、160℃にします。ホールチリとニンニク、生姜も入れます。
②炒める
ヴァルヴァルとは炒めるという意味なので、この工程がメインになります。玉葱が薄茶色になってきたら、トマトを入れて180℃にして、ガンガン水気を飛ばしていきます。焦げないようにしていれば放置でも大丈夫。今回は残っていたエリンギも入れました。塩を入れて味を整えます。
③牡蠣を入れる〜仕上げ
トマトが赤黒くなり、油がオレンジ色になってきたら、牡蠣を投入。150℃で5分炒めて、蓋をして130〜120℃で5分蒸します。火を入れすぎるとプリッとした弾力がなくなってしまうので要注意。蓋を開けて、バターをかけたら完成。
完成
旨み爆弾!!って感じの料理。凝縮したトマトのグルタミン酸たっぷりなグレイビー、それを纏った牡蠣を噛めば溢れ出るミルキーな旨み。コッテリしてるかと思いきや、コリアンダーシードの爽やかな香りがサラッと流してくれます。
好評で、あっという間になくなってしまいました!
ヴァルヴァルという料理は大体25〜30分くらいでできます。フライパン一つで、工程もシンプルなので誰でもできます!
チキンや海老、ホタテでやっても美味しいですよ!
終わりに
いよいよ冬本番ですね。一気に寒くなってきてます…そんな時はスパイス料理で身体を温めてましょう。(勢いで言いましたが、これはほとんど迷信と思ってください。発汗作用を促して身体を冷やすものもあるので摂り過ぎには気をつけましょう)
過去の魚ビリヤニの記事↓
今回使ったバスマティライス↓