甘辛く生姜の効いたカレイの煮付け シャンパンのフレッシュな酸味と極上の調和
近所の小さな魚屋さんで北海道根室産宗八カレイの煮付けを購入(350円)。
大ぶりな身にしてはお買い得。宗八カレイの生息域は北海道全沿岸、青森県〜対馬海峡までの日本海沿岸、青森県〜福島県の太平洋沿岸、静岡県沼津。かなり広域だ。島根県、山口県などでは「キツネガレイ」と呼ばれる。
前菜にはシラスと豆腐の水菜サラダ、そしてサブメイン的に手作りの生春巻きを。材料をテーブルに準備し、各自好きなものを巻くスタイルで。
シラスと豆腐の水菜サラダには、イタリア サルディーニャ島の白ワインを。お気に入りのヴェルメンティーノ品種。
シルヴィオ・カルタ, セレナータ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スーペリオーレDOCG, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,695円
Silvio Carta, Serenata, Vermentino di Gallura, DOCG. Superiore, Sardinia, Italy, 2021, 13.5%
このワインの感想はこちらのNoteに。香りには青みを含むライムの柑橘香にほのかにレモングラス、味わいにはキュッとほろ苦さ、余韻に潮香。
シラスと豆腐の水菜サラダは塩レモンドレッシングで。塩とレモンが効いていて爽やかなお気に入りのドレッシング。これからの季節にぴったり。
シラスは賞味期限を少し過ぎてしまって、柔らかく少しまったりとしたニュアンスを伴う。磯の香りと穏やかなコクが良い塩梅。塩レモンドレッシングの味わいもワインとの吸着面を拡大し、ヴェルメンティーノの甲高い果実味がはまる。相性: ★★★★☆
続いて生春巻きはエビ入りとサーモン入りの2種。イタリア ソアーヴェ2種を合わせる。まずはサーモンの春巻きに。
イナマ, ヴィン・ソアーヴェ, ソアーヴェ クラシコ, 2021, 12%, 2,134 円
Inama, Vin Soave Soave Classico, 2021
このワインの感想はこちらに。香りにはパイナップルなどのトロピカルも。しなやかでハリのあるミネラル感。
サーモン生春巻きに。ソースにはカリブの調味料ジャークを。
ジャークは黒みがかった茶色をしていて、魚醤、トマトペースト、玉葱、醤油、胡椒、ガーリック、ナツメグ、タイム、ローレル、バジル、ジンジャー、シナモンを使用。鶏肉や豚肉を漬け込み炭火で焼く際などに使われるそう。ジャークでアクセントの効いた、生春巻きのエスニックなリズムに、どこかトロピカルでゆったりとしたワインのリズムがみごとに調和。サーモンの脂にもどこかカレーに共通するスパイス香がよく重なり、そこにワインのトロピカルなニュアンスがさらにハーモニーを重ねる。相性: ★★★★☆
続いてエビの春巻きにもう一つのソアーヴェを。
ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,
このワインの感想はこちらに。香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香、白い花。瑞々しい果実味にメリハリのある酸味、硬質なミネラル。ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと凝縮した一本。
エビ生春巻きに。ジャークのスパイスが強すぎて、ワインのきれいなバランスをなぎ倒してしまうか。バランスのきれいなこのワインにはジャークではスパイスが強すぎた。相性: ★★★☆☆
メインのカレイの煮付けにはシャンパンを。先日開けたローラン・ペリエが残っていて、この時点で開栓から2週間ほど経過していた。だいぶ泡は抜けていくが、ストッパーで封をしているので、しっかりと刺激を感じる程度に泡は残っている。2、3週間はゆったりと風味の変化を楽しめる。
ローラン・ペリエ, ラ・キュヴェ, フランス, シャンパーニュ, 12%, 8,195円
Laurent Perrier, La Cuvée, Champagne, France, 12%
このワインの感想はこちらに。香りにはフレッシュな柑橘、コンポートしたリンゴ。上品でシャープな酸味を伴うフレッシュな果実味。
カレイの煮付けに。魚屋ではしっかりとたまご入りのものを選んだ。魚卵はコクが強く、ワインの繊細さには勝ってしまう。一方でカレイの身の上品な脂に出汁、みりん、醤油、微かに生姜絡む家庭の味に、シャンパンの上品な果実味の行き過ぎないバランス、シャープでエレガントな酸味が極上のペアリングを見せてくれた。相性: ★★★★☆