冬のカミーノ④ 最終話 (『スペイン サンティアゴ巡礼の道 新装版』より)
今回が最終話となります。
■前回までのあらすじ
2019年12月。初めての冬のカミーノも終わりに近づいていた。今回の旅の相棒、幼なじみで音楽家のMiwakoは、信じられないほど歩くのが遅く、私を悩ませ続けたが……彼女はいつの間にか「カタツムリ巡礼の達人」として、悟りの境地に達してしまったようだ。
私はというと、これまで何度も巡礼をくり返しているのに、代わり映えしないままだった。取り残されたような寂しさを、私は味わっていた。あと2日で、今回のゴールのレオンに着いてしまう。