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「不登校は問題行動ではありません」親はどう捉えていくとうまくいくの?問題

ほっかいどう不登校サポート研究所「中の人」平野なおみです。

不登校サポート研究所 私たちの想い




今回はこちらのテーマ「不登校は問題行動ではありません」
について、

私の「開業カウンセラーとして12年間(うちスクールカウンセラーとしても数年間)、困り感をもつ親子のサポートをさせていただいてきた立場からの経験」

それから
「元・不登校児の母であった立場からの経験」としての想いを
以下(注)に配慮しながら 綴っていきたいと思います。

注1)カウンセラーには「秘密を守る守秘義務」が倫理で定められています。関りを持たせていただいた個別のケースには一切、触れません。

注2)「我が子(LD/書字障がいグレー・現在は目立たない程度にまで改善)が元・不登校児であった事を私が発信する事の許可」を我が子から得ていますが、境界線を大切にし「我が子の事を書くのではなく」あくまでも「母親としての私の反応や変化」を綴っていきます。


◆不登校を問題行動と判断してはならない

 文部科学省が「不登校児童生徒への支援の在り方について」全国に通達したこちらの文言について(リンクから全文が読めます)

日付が「平成28年9月14日」となっていますので、2016年・・・
通達されてから8年も経つのですね。

以下、一部を引用 ↓

(3)不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し,学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことが,児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要 であり,周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸長につながり,結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される。

出典 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1375981.htm


改めて目を通してみて、きめ細やかな視点と配慮のある「本人の心に寄り添った」とても良い内容だと私は思います。

ただ8年たっても「不登校児童生徒が悪いという根強い偏見」
・・・これって、ぶっちゃけ普通にあるように私は感じていますが
いかがでしょうか。

学校に来ていないのに、夜、みんなと一緒にゲームをやっちゃ駄目だよね とか
学校を休んでいるのに放課後、みんなと遊びに行くのってどうなの?
とか
ずっと登校していないなら放課後児童クラブでは引き受けられません 
とか(これは偏見ではなくて制度上でしょうが こういった事も親からすると頭を抱える問題ですよね)
・・・・・・・・・・・・・・・

まだまだあると思います。

そして根強い偏見は、「周囲から」もあるとは思いますが、もしかしたら「本人が自分自身に対して偏見をもってしまう」事も多いのかもしれません。

学校に行っていない自分はおかしい などと 
自分で自分のお尻を何度も叩いて
自分で自分にダメ出しし続ける

これって辛いですよね。
なにも悪い事をしていないどころか 困っているのにも関わらずですもん。


・これじゃ~、家族としか過ごさ(せ)ない日々 が増え
・いつしか物理的にも情緒的にも孤立してしまい
・友人も全く悪気なくどう接したらいいのか
  分からずに離れていってしまい・・・

・遅れた勉強はどうしよう
・学校に行かないと自分は高校に行けないんじゃないか?
・自分は人生のレールから外れてしまったのでは?と思い悩み
  子どもながらに将来を悲観したり

自分のせいでお母さんから笑顔が消えている(と感じる)罪悪感から
  会わせる顔がない
・辛いからとりあえず部屋に籠っていようか
  実際に今までずっと無理して登校してきたから疲れてしまっているし
  やる事ないから寝るしかないかな
・昼寝たから夜寝れないや・・・
・休日以外、家から一歩も出ていないので運動不足からも不眠傾向・・・昼夜逆転

・ストレスフルな日々が続くと
  自律神経系も乱れ体調も崩し本当にずっと寝込んだり

・日々、アドレナリンが過剰に分泌している状態にある事から
  不安や緊張、落ち込みなど気分にも変化が起こり

・長期化すればするほど殻に籠ってしまったり
  部屋から出てきにくくなっても不思議じゃありません。

学校や教育のトップ・親分が「問題行動と判断してはならない」と通達しているにも関わらずなので、これは抱かなくてもよい「無実の罪に対する罪悪感」ですね。

☘子はどう感じる?

さて、この通達(というか考え方)を学校に行っていない子ども達本人がどう感じるか?ですが

おそらく「知っている子はほぼほぼ居ない」のではないかと
私はカウンセラーとしても、ひとりの親としての経験からもそう思います。

登校している子ども達も保護者もおそらく知っている人は少ないと思います。
知らないので(もちろん悪気はなく)「腫れ物に触るかのように」的な事も、起こってしまっても不思議じゃありませんね。

分からないけどなにか傷付いているみたいだから・・・
今はそっとしておくのがいいのかもしれない・・・
 というような心理が人には働きますから。


「不登校児童生徒が悪いという根強い偏見」は間違っているよと

学校に行っていないお子さんに親御さんが、伝えてあげてほしいな、と私はそう思います。

なぜなら(そうは見えなくても)
「子どもは罪悪感で一杯・不安で一杯」だからです。

この状態だと前に進めません。
進めないどころか 立ち止まる・思考を停止させる しかないのではないでしょうか。

生き延びるために人には様々な心理がはたらくものです。

☘親はどう捉えたらいい?

さて、次に「不登校のお子さんをもつ親御さんは知っているか?」ですが
私が住み・お仕事をさせていただいている北海道での感触ですと
こちらもご存知ではない方が殆どかもしれません。

または、知っていても渦中にいると
「冷静に読み・理解し・心の中に落とし込み・子どもをその眼差しで客観的に見つめ・理解し・接する・・・

そんな事をしている場合じゃない
方が殆どではないでしょうか。

渦中にいればこれも当然な事だと私は思います。

(オンラインカウンセリングで全国の方と向かい合わせていただいていますが、都会であればあるほど選択肢が沢山ありますね。なので親御さんも情報をたくさん持っています。羨ましい!)

◆学校に行ってくれているだけで親は安心

学校って、
勉強を教えてもらえるし、体育の授業で身体は動かせるし、家では味わえない集団行動も学べるし、給食まで出ます。

挨拶の仕方に始まり・掃除の仕方・調理実習・道徳の授業 将来役立つこんな事まで教えてもらえます。

そしてなにより友達と過ごせる事が本当に大きいですよね。

それらを教員と言う信頼できる大人たちが見守ってくれている場所でできるんです。

こんなに万能な場所 
(しかも実費などを除けば・公立だとお金もかからない)
(もし週5で塾に通わせるとすると目ん玉飛び出る位の金額が必要でしょう・・・泣)

もう学校に行ってくれているだけで親はぶっちゃけ安心ですよね。

改めて考えてみて、私もそうですもん。

見えない所で無理を重ねながらも、こういった万能な場所を提供して下さっている教員の方々に私は尊敬と共にいつも頭が下がります。
(でも本当にあまり無理はなさらずにお願いしたいです)
私には、このようなマルチタスクは逆立ちしたってできません。



次に、少し視点を増やしていきますね。

例えば、私たち親自身に不登校の経験があれば、我が子の不登校について
共感的な理解はもしかしたらしやすいかもしれませんね。

「わたしも学校行かなかったけどなんとかなってるから この子も大丈夫」と考えやすいと思います。

逆に、私たち親自身に不登校の経験がなければ
尚更、学校に行かない我が子に対しての不安は募ってしまうものだと私は思います。

または、少し話がふくらみ
きょうだいがかつて不登校であった人の中には
過剰にざわざわしてしまう人も多いかもしれませんね。

かつて、
そのきょうだいが怒られて泣いていたり、怠けものや腫れもの扱いされていたり、その事で両親が喧嘩をしていたり、家の中で聴いてはいけない・話してはいけない暗黙の了解があったり
・・・・

そういった光景を散々、目にして心を痛めてきたかもしれませんので
かつてのその出来事と・我が子にいま起こっている出来事をくっつけて感じてしまう
トラウマ反応が起こるのも
ごくごく自然な事と言えますよね。


人はみな、その方のそれぞれの背景を持っていますので
我が子が不登校になった時に起こる反応も、様々ですよね。
元々、不安が強めなおかあさんにとっては「不安が炸裂・暴走」してしまう出来事だと思いますがいかがでしょうか?



話を元に戻します。
お子さんが、学校に行っていないことに無実の罪の罪悪感を感じてしまう親御さんは

「不登校児童生徒が悪いという根強い偏見」は間違っているよ
こんな言葉は口が裂けても言いたくないかもしれません。

だって学校に行って欲しいですよね。

大切なお子さんを思ってこそ出てくる自然な・当然な想いだと思います。

かつての私もそうでした。学校になんとか戻す事ばかり考え・我が子をなんとかコントロールできないかと右往左往し身も心も本当に疲れ切っていました。

でも結論
 コントロールできるのは自分だけ なんです。

我が子であってもコントロールなんてできませんし、
出来ない事を無理にしようとする事自体が、お子さんの将来のメンタル不調に繋がる可能性が大きいと私は思います。

◆親が変われば子どもは変わる

では、親ができることとして
こういった(特に)母親が身も心も右往左往してしまう状態=これを「渦中にいる状態」と表現しますね。

「渦中にいる状態から脱してみる」
ことから初めてみるのはどうでしょう。

目標としては「おかあさんの安心を増やす」事が効果的だとわたしは思います。

なぜなら子どもだけではなく
「おかあさん自身が不安で一杯」になってしまってしまうのは
ごくごく自然な事で当然な事だからです。

大切な大切な我が子です・・・
何かあったら親は不安で一杯になったり・豹変しますよね。

特に母親は そういう生き物 かもしれません。
(私もそうでしたよ 笑)
だって かつて「ここ」お腹に居たんですもん。

「そこに犯人はいない」ので自分をダメ母だって責めなくて大丈夫

人は多かれ少なかれ間違う時だって・疲れている時だって
感情的になってしまう時だってあります。

我が子が不登校になったのは
あの時の私のあの態度が・・・とか 声掛けが・・・とか

自分は子どもから毒親と思われているのか? とか

我が子が不登校になってしまった事に対する犯人捜しがグルグル始まっちゃうお母さんは多いと思います。

こうなると居ても立っても居られない状態=渦中にいる状態 になりますよね。

大切なのは「そこに犯人はいない」という事です。
(いじめ被害による不登校などはまた少し話が違ってきますので、そこはまた別の機会に)

ここ(カウンセリングの場)では誰も、おかあさんのせいでこうなっている
なんて言いません。

(もし説教されるようなカウンセラーさんだったとしたら、それはそのカウンセラーさんの単なるトラウマ反応でその方の問題だと思いますので、他を探されるといいと思います)

母親がどれほど心を痛めて混乱してしまっているか、想像しながら共感的理解ができなければカウンセラーはつとまりません。

それから、一切の間違いのない子育てができる母親なんて存在しません
(もちろんカウンセラーも含めてです・そんなもんは母親神話の幻想です)ので

おかあさんはもっと堂々と、ご自分のためのケアとサポートを受けていい!!
と私はいつも声を大にしてお伝えしています。

私自身が渦中にいた時、本当に自分の心のケアとサポートの必要を感じましたのでね。子どもをカウンセリングに連れて行くのと共に、私自身ががんがんカウンセリングを受けました。
(カウンセラーは身内や友人などのカウンセリングを行っていはいけないと倫理で決まっています。私情が入ってできません 笑)
そして、子ども時代に、家族間に第三者であるカウンセラーが介入することは子どもの将来にとってとても大きな意味をもちます。

そして、おかあさんの安心が増えていくことが
実はお子さんの安定に一番、一役買うものです。

◆#みんな違っていてそれがよい

#まりもっこり  くん

これに尽きます。

特にコロナ禍以降、これだけ不登校が増えていますので、選択肢も増えています。

この際、学校に行っていても、行っていなくても
うちの子はどっちでも きっと大丈夫
  と一旦、思ってみるようにしてみませんか?
  (このスキル コツさえつかめばできていくものです)

結論:おかあさん自身がおかあさんの持つ不安を薄めていき
おかあさんの安心(心からの笑顔)が増える事が、一見遠回りと感じるかもしれませんが
一番、お子さんにいい影響(変化)を与えます。

ここは長年の経験から言い切りますね。

ではでは、今回はこの辺で。

次回は「安心を増やす方法=不安は不安を呼んでしまう」
近辺について書いていきたいと思います。

noteの目標:夜更かしし過ぎないようにしながら当面、週一投稿

#ほっかいどう不登校サポート研究所
#リフレームカウンセリングルーム

代表 心理セラピスト 平野なおみ






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