縄文、弥生時代に話されていた日本語は? 出雲弁と津軽弁、アイヌ語、琉球語、弥生語を聞く! ゲノム解析結果による縄文人と渡来人の分布、方言の分布(東北弁/出雲弁)、ヤマト政権にまつろわぬ人達(蝦夷、熊襲、隼人)の居住地は出雲口伝の出雲族の移動先と合致する。
◼️縄文時代には、アイヌ語、そして出雲弁と東北弁に近い言語、琉球語が話されていたのではないか?
◼️「縄文語の発見」
1998年5月に青土社から発刊された小泉保の著書。
概要
「弥生時代に日本列島で話されていた言語のうちの一つが今の日本語につながる」という推測に反対し、東北方言や琉球語などの比較により、現代の日本語から縄文時代に話されていた「縄文語」に由来する要素をとりだすことを試みる。
◼️縄文語の定義
縄文語という語は、本文中においてそれほど詳細に定義がなされておらず、「縄文時代に日本列島で用いられていた言語」と述べられている。
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(前略)すなわち、狩猟文化の縄文時代ではなく、稲作文化の弥生時代が日本民族の原点であると述べている。第3章で批判した日本語系統論の大部分がこの弥生時代起源説に立脚しているのである。はたして、縄文時代の言語は弥生時代の言語によって駆逐され、消滅させられてしまったのだろうか。六百年足らずの弥生期に弥生語は縄文語に完全に入れ替わったのであろうか。こうした弥生期における言語交代の証拠はどこにもない。本書では、弥生時代の言語を「弥生語」、縄文時代の言語を「縄文語」と呼ぶことにする。
— 第4章、同書130p
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本書は6章からなる。
1章では考古学的、2章では人類学的な用語の概要を説き、3章で日本語の系統論についてふれる。
そして4,5,6章で本書の主題である縄文語について述べる。
第1章:縄文文化―考古学の立場から
第2章:縄文人―人類学の立場から
第3章:日本語系統論
第4章:縄文語の復元
第5章:弥生語の成立
第6章:縄文語の形成
第4章
縄文語を復元する方法として、比較言語学的な方法と、方言周圏論の二つを挙げる。
そして二者を組み合わせて、辺境に分布する語を比較して得られる再構形を、縄文語の語形であるとし、その一例として東北、九州、琉球に分布する「あきづ(トンボ)」系の語を比較する。
ついで東北方言の音韻の特徴について述べたあと、出雲方言に東北方言と音韻の類似する面があることに言及し、この裏日本的な音韻は、縄文語(裏日本縄文語)を受け継ぐものであるとする。
第5章
日本語方言のアクセント論を引いたのち、方言周圏論からして辺境に分布する一型アクセントこそが縄文語に由来する古いアクセントであるとする。そして京阪式アクセントが弥生語に、東京式アクセントが縄文語をつぐ一型アクセントと弥生語のアクセントの接触によるとする。
第6章
琉球諸方言の比較から琉球基語の母音を導き、これを縄文語の九州方言(九州縄文語)の母音と同じものであるとする。そして4章で見た裏日本縄文語と比較して、九州縄文語の母音体系から裏日本縄文語の母音体系が生じたのであろうと述べる。さらに十津川方言(奈良南部方言)のアクセントが東京式であることを引き、十津川方言が東京式アクセントをもつ理由を、中国~近畿~東海まで存在していた「表日本縄文語」が、弥生語の畿内への進出によって分断されたと推測する。
◼️縄文時代の日本語
◼️松本清張の推理小説「砂の器」では、島根県出雲地方は東北地方と似た方言を使用する地域であること(雲伯方言、出雲方言)が事件の手がかりとなる。
🔹日本語の方言区分
◼️縄文時代の人口分布:
縄文時代を通じて、人口密度は東日本で高く西日本で圧倒的に低かった。
◼️東京大学において、現代の日本人をゲノム解析すると四国と関西に渡来人系が多い結果となった。東北と南九州に縄文人系が多い。
ヤマト政権にまつろわぬ者たちは土蜘蛛、蝦夷(エミシ)、熊襲(クマソ)・隼人(ハヤト)などと呼ばれたが、彼らは縄文人であり、東北や九州に住んでいた。 東北地方には出雲族が多くすんでいた。
◼️1975年に録音された出雲弁
◼️津軽弁
◼️アイヌ語
◼️中世琉球語
◼️日本先住民の言語史
◼️弥生時代の日本語を聞く!
◼️弥生時代の日本語
◼️江戸時代の日本語
◼️1965年録音 鹿児島弁
◼️ヤマト王権に従わなかった古代豪族 土蜘蛛の正体とは? 鬼、蝦夷、毛人、熊襲、隼人、温羅、名草戸畔、出雲族! 葛城一言主神社の蜘蛛塚と高天彦神社近くにある蜘蛛窟とは?
🔹出雲旧家の口伝
第一次物部東征時、大和を攻めて来た物部族と熾烈な戦いを繰り広げ、破れた大和・磯城の大彦(登美彦、孝元大王の第一子。登美家の血を引く。記紀では長髄彦)は北陸へ向かった。