レナード・ムロディナウ著『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
今日は科学の本を紹介します。
レナード・ムロディナウ著『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』という本です。
人類が誕生したその瞬間から、現代の最先端科学が切り拓く驚異の世界までを、壮大なスケールで描き出した、まさに圧巻の一言に尽きる科学史です。
しかし、この本の魅力は、単に科学的な発見や理論を年代順に並べただけの年表的なものではありません。
人類が、いかにしてこの世界を理解しようと試み、知識を積み重ね、そして、その過程でどのようなドラマや葛藤を経験してきたのか。
人間の飽くなき探求心こそが、科学という壮大な物語を紡いできた原動力であることを、読者に強く訴えかけてくるのです。
古代ギリシャの哲学者たちが、自然現象の背後に潜む法則を解き明かそうと知恵を絞っていた時代から、ニュートンやアインシュタインといった天才たちが、世界の見方を根底から覆す革命的な理論を打ち立てた時代、そして現代において、量子力学が私たちに突きつける、常識を超えた不可思議な世界まで。
科学史における重要な場面を丁寧に、そしてドラマティックに描き出していきます。
科学と人間を繋ぐ、魅惑の語り口
著者のレナード・ムロディナウは、理論物理学者としての深い専門知識を持ちながらも、優れたストーリーテラーとしての才能にも恵まれています。
複雑で難解な科学理論を、分かりやすく、そして面白く解説してくれるだけでなく、歴史的な背景や登場人物たちのエピソードを巧みに織り交ぜながら、読者を飽きさせないようにしています。
要は、難しい科学の歴史を小説みたいに分かりやすくして解説している、ということ。
知の冒険へと誘う、本書の構成
本書は、大きく3つの部に分かれています。
第1部「直立した思索者たち」
人類がどのようにして「考える葦」へと進化を遂げてきたのか、その道のりを探求します。
猿人からホモ・サピエンスへの進化、言語の獲得、そして古代ギリシャにおける哲学の誕生など、科学の土台となる思考が、どのように育まれてきたのかを、歴史を遡りながら解き明かしていきます。
アリストテレスやプラトンといった古代の哲学者たちの思想は、現代社会を生きる私たちにとっても、多くのヒントを与えてくれると思います。
第2部「科学」
中世ヨーロッパにおいて、錬金術や占星術が隆盛を極めた時代から、近代科学の幕開けとなる科学革命、そしてニュートン力学の誕生まで、科学がどのように発展してきたのかを、詳細に解説している章。
ガリレオ・ガリレイ、ヨハネス・ケプラー、アイザック・ニュートンといった、科学史に燦然と輝く偉大な科学者たちの功績を紹介し、彼らがどのようにして従来の常識を打ち破り、新しい世界を切り開いていったのかを、生き生きと描き出します。
第3部「人間の五感を超えて」
20世紀初頭に生まれた相対性理論と量子力学は、それまでの物理学の常識を覆し、私たちの世界観に大きな衝撃を与えました。
アインシュタインが提唱した相対性理論は、時間と空間という概念を根本から変え、量子力学は、物質の振る舞いに関する私たちの理解を根底から覆しました。
この章では、これらの革新的な理論がどのようにして生まれたのか、そして、それらが現代社会にどのような影響を与えているのかを、分かりやすく解説します。
知的好奇心を刺激する壮大な旅へ!
『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』は、単なる科学史の本を超えた、知的好奇心を刺激する壮大な旅へと読者を誘う、まさに知的エンターテイメントの傑作と言えると思います。
何よりこの著者、小説家的な才能があります。読めば分かると思います。
なので、ただ単に科学の進化を辿るだけでなく、人間存在の意味や世界の奥深さについて、深く考えるようになっていくはずです。
そして、これまでとは違った視点で世界を見つめ、新たな発見と感動を味わうことができると思います。
あと、500ページもあるのに千円ちょっとという値段設定にしているのは驚愕です。
この手のこの情報量の本は、通常4000円くらいはします。
これは、できるだけ低価格にして若い人たちにも手に取ってもらえるようにという著者の優しさによるもの。
おそらく著者はほとんどタダみたいな利益で書いています。コスパ最強の本とも言えます。
この世界を知りたかったら、ぜひ読んでみてください!
【編集後記】
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