ダンジョンバァバ:第1話(前編)
青白い光を放つ楕円形のポータルからまろび出たメイジは、毛髪と肉の焦げた臭いを撒き散らしながら仰向けに倒れた。
遺棄された小さな修道院。半ば崩れ落ちた屋根から覗く空。一昨日…… ここから地下へと ”潜る” 時に見上げた綿菓子のような白雲は、冷ややかな雨を滴らせる暗雲に変わっていた。メイジは呻き声をあげ、握り拳を床に叩きつける、叩きつける。
(クソ…… クソクソ! クソッ! チクショウ! せっかく手に入れたのに……!
だから欲張るのはやめようって言ったんだ。もう帰ろうって。なの