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かがり火チャレンジ

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かがり火は消えるか?【続編…E】

かがり火は消えるか?【続編…E】

「ウミヒコ、カヤ!」
 俺達は驚き振り向いた。松明を持ったヤヒコが駆けてくる。カヤの力が弱まった隙に俺はそれを振り払い、薪に駆け寄るとかがり火にくべた。火は勢いを取り戻した。カヤは俺をギッと睨みつけ
「ウミヒコ!わたしを選ばなかったこと、許さぬ!」
と叫び、身を翻して駆け出した。砂浜の上を遠ざかる後ろ姿は、夜の闇にみるみるうちに溶けてゆく。
「カヤ!」
 ヤヒコは呼びかけ、後を追おうとしたが、俺は

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荒ぶる荒野の猛者どもよ【かがり火チャレンジ完結編】

荒ぶる荒野の猛者どもよ【かがり火チャレンジ完結編】

約3週間前に始めた「かがり火は消えるか?……の続編は届くか?」チャレンジですが、5人の猛者をお迎えすることができました!
それぞれ力作揃いです。こちらの記事に拙いですが私の感想と共にリンクを貼ってご紹介いたします。(投稿順です) 
素敵な作品をありがとう、そして、ありがとう!!

【かがり火は消えるか?】又吉マタキチさん

マタキチさんは主人公の名前が「ウミヒコ」であることから「海幸彦山幸彦神話」

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かがり火は消えるか 企画参加

かがり火は消えるか 企画参加

  カヤが、本当に俺を? 

 これはウミヒコが幾度となく願い、夢にも見た未来であったはずだ。今やウミヒコの腕の中にいるカヤの体温をはっきり知覚できるのに、まるで現実味がない。それは、荒れ狂う海に囲まれているからだろうか。

 ウミヒコはこのままカヤの言う通りにしようと思おうとした。しかし、黒いもやもやとしたものが消えない。ウミヒコは避けてあった木の枝を火の弱まった薪にくべた。

「海のやつらを欺

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かがり火チャレンジ投票結果!

かがり火チャレンジ投票結果!

皆さんにお願いしていた「かがり火は消えるか?」投票。金曜日の24時で締切りました。総勢13名の方に投票いただきました。皆さん本当にありがとうございました!
(※10/16追記)

そして結果は……

【E】しめじさん

【C】たららんどさん

【A】イシノアサミさん、はそやmさん、おりちゃさん、kesun4さん

【B】ぼんやりRADIOさん、よもぎみどりさん、秋谷りんこさん、理柚さん
※10/1

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かがり火の結末

かがり火の結末

↑この記事の続きです!

先に上記の記事をお読みくだされ!

洞窟の入り口の焚き火が、強い風に吹かれ、ばちぼちぱち、と炎を上げている。

その炎は、ウミヒコと、カヤの横顔を薄赤く照らす。

ウミヒコは、カヤの手を握り締め、洞窟を飛び出した。

浜辺とは打って変わって、静かな森。

その森をふたりはひた走る。

遠くで狼の鳴き声や、獣に襲われる鹿の叫び声が聞こえる。

ウミヒコは黒曜石の矛を握りしめ

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『かがり火の結末A』

『かがり火の結末A』

 炎に触れるとどうなるか知らないものはいないだろう。
 手を引かねば肉は焼ける。
 ――その熱に、本能が危険だと告げる。
 己に燃え移る前に炎を諦めてしまえば、その身を焼かれることもなかったのに。

 カヤに手を引かれながら、足場の悪い森を駆け抜ける。太陽が追ってきている。早く、速くとお互いに会話もなく足を前に動かし続けていた。

 タツノヒコが村に帰るために頼りにするかがり火は消えただろうか。あ

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【募集中企画 小説】❘闇夜のカラスさんの結末はどれだ?

【募集中企画 小説】❘闇夜のカラスさんの結末はどれだ?

フォローしている闇夜のカラスさんの小説の結末を選ぶ企画が面白いと感動をしてしまい、ご了承をいただいた上で宣伝記事を書かせてもらいます。

結末の選択肢はA~Dですが、A~Cは皆さんの投票により一番支持されたもので闇夜のカラスさんが結末を完成するスタイルがとられています。

選択肢Dのみ闇夜のカラスさんが結末を書くのではなく、

我こそはという猛者達がオリジナルの結末を書き妙技を競い合います。

A

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かがり火は消えるか?

かがり火は消えるか?

 ※闇夜のカラスさんの企画小説です。前半は↑こちらの闇夜のカラスさんの記事でご覧ください。

 篝火を頼りに浜を目指していたのは、タツノヒコ達だけではなかった。身を固くして、声の主の一挙手一投足を窺う俺とは違い、カヤは既に薪を手に取り、立ち上がっていた。
「ウミヒコ兄さん。村を出でていくのかい? それなら、今しかないね」
 よく知っている声だった。しかしながら、あり得ない声。弟のヤマサチヒコは、三

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かがり火は消えるか?【企画小説】

かがり火は消えるか?【企画小説】

 果てのない深い夜の中。遥か上空の暗い彼方からあたりいちめん吹きつける風のゴウウゴウウという響きと、目の前の海、墨汁でできたような黒い海からの波音。
どこからが波音でどこからが風音か、ふたつが地響きとなっておれとカヤを揺さぶる。おれ達は吹きつける風に髪と服をもみくちゃにされながら海を見つめる。

 少し離れた場所に洞窟があり、入り口に大きなかがり火が焚かれ、風が鳴るたびに火の粉を撒き散らしながら燃

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