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読書録

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2021年11月の記事一覧

【読書録】吉村萬壱『哲学の蝿』

 何か彼の哲学にまつわる話が読めるのかと思ったら、少なくとも、前半の三分の一までは、彼の半生記のようなものだった。全くそうなので、今の所は拍子抜けしている。
 しかし、あいまいにしか吉村萬壱のことを知らない人が、これを読んだ時には、少なくないショックと興味深さを覚えるかもしれない。
 幼少期は母からの虐待の経験。
 それから、空想がちになる少年期。
 こうまとめると普通の、というと失礼だけど親の虐

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【読書録】井筒俊彦全集(2)

 2とナンバリングしながら、実際に読んでいるのはいまだに井筒俊彦全集の一巻の最初の方である。書き方が難しい。
 しかも、今回は一発ネタではないけど、ほんとにふと思ったことで、大したことがない。でも今日は、それしか思わなかったから、それを書くことにする。
 全集中の、「ザマフシャリーの倫理観(一)」の最後の方で、こんな部分がある。

 今、久しぶりにこの引用機能を使って、今まで手作業で入力していた、

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【読書録】保坂和志『猫が来なくなった』2

 保坂和志の『猫が来なくなった』の続きを読んでいる。
 あれっと思ったのだが、この短篇集に入っている、「事の次第を読んでる」は、かなり前に読んだ記憶があったのだが、さもありなん、この一篇だけ、2013年あたりに文芸誌、確か年始の、ズラッと作家名が並んでいる特大号のような時に載っていた気がする、そこで読んでいた。
 他のも文芸誌に載っていたのがほとんどだったが、他のは読んでいなかった。これはやはり、

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【読書録】保坂和志『猫が来なくなった』

 保坂和志という人は、随分前から追っている。他にここまで読みつくした作家はいないというくらいに、読んだといえる。逆に、そこまで読んだといえる作家がそれほど少ないことを、反省しなければいけない。
 それで、保坂和志については、どんな流れでこの本にまで至ったかということが、おおよそわかる。今までの二つの小説としての転機は、一つは「カンバセイション・ピース」で、もう一つは「未明の闘争」だったと思う。
 

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