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タナカ ユウヤ
2024年11月17日 07:00
前提として、私は街で見知らぬ女性から話しかけられたことがない。いわゆるナンパ、逆ナンという文化に触れたことがない。そんなイベントが一度でもあれば本望であるが、紛れもなく経験がないのだ。これはそんな私が経験した、ある昼過ぎの出来事である。昨日までの晴天を押し退けるように薄くこぼされた鈍色の空は、その奥で煌々と輝く太陽の光を遮っていた。現場での仕事が終わり、そこから駅に向かう途中のコンビ
2021年1月2日 11:04
ある夜、仕事終わりに友人からこれから飲みに行かないかと誘われた。彼は普段から一人でも飲み歩くタイプだが、人と飲んだ方が楽しいからという理由で暇な私をよく誘ってくれる。翌日は休みの予定だったので快諾し、2人で夜の街へ溶けることとした。飲み屋街を歩き、適当なお店を探す。まずは一軒目。雑多な雰囲気の居酒屋へ入った。時間は21時。秋口だったが、その日は暑かったので火照った身体に流れ込む冷えた
2020年11月27日 18:52
土曜日の朝、仕事のためスーツに身を包み玄関を出る。今日はお客さんと会う日だ。客先までは片道1時間程度。電車に乗り、喧騒を消すように耳にイヤホンを挿す。ドラマ版『孤独のグルメ』が好きで、電車の中でもよく観るのだが、これがいけなかった。昼過ぎに客先を出て、まだ少し時間に余裕がある。その瞬間にふと、自分が空腹であることに気がつく。そうなってしまうと、私の中の孤独のグルメが、いや、
2020年11月20日 19:04
とんでもないタイトルにしてしまったが、初めに断っておきたい。この話は長いが、劇的な結末やその後が気になるような展開はない。なので、この話の最後の"オチ"の一文を、先に書いてしまう。「その気持ちを、さっきまで握られていた左手に乗せ、私は力強くタバコの空き箱を潰した。」個人的な過去の恋愛談を、それとなく「読み物」にしてここに綴る。大学生の頃、仲の良かった友人と「空きコマ」が被ったので談