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目の前の怒りの原因は目の前にない
昨今、ストレス社会となっている日本ではイライラする事も多い。
小さな事から大きな事まで、外に出れば常に何かイラッとすることはあるだろう。
そんな時、多くの人がそのイライラや怒りの原因をその場に見出そうとする。
しかし、ほとんどの場合、人間の怒りの原因はそこにはない。
例えば、この前、通勤中に立ち寄ったコンビニの店員さんがレジに時間がかかっていた。
僕は急いでいた事もあり、「早よせぇや」とイライラし始めた。
この段階では、僕は店員さんの仕事が遅いから自分がイライラしていると思い込んでいる。
しかし、冷静に考えると、僕のイライラの原因は本当にその店員さんにあったのだろうか?
僕はその日、いつもより家を出るのが遅かった。そのせいで少し急いでいた。
また、家にマスクが無かったので、マスクを買うために立ち寄ったのだ。
もしその日、僕が時間に余裕を持って家を出ていたら、店員さんがレジに時間がかかっていた事なんて気にならなかった。
もしくは、もし前日より前にきちんとマスクを用意していればそもそもコンビニに寄る必要もなかった。
僕がきちんとマスクを用意しておく、もしくは時間に余裕を持って家を出るという事をしておけばこのイライラは発生しなかったのだ。
つまり、僕のイライラの原因は僕の目の前にいるコンビニの店員さんには無かったという事になる。
このように目の前の怒りの原因は目の前にない事がほとんどである。
他にも良い例がある。
精神分析を確立したジークムンド・フロイトの娘であるアンナ・フロイトが提唱した防衛機制の中に「ディスプレイスメント」という物がある。
これは簡単に言うと、自分より強い人立場が上の人に対して感じた怒りやフラストレーションを、自分より立場の弱い物にぶつける事である。
例えば、会社で怒られて不満やフラストレーションが溜まった人が家に帰って家族やペットにあたる事を「ディスプレイスメント」という。
これは会社で自分より立場が強い人にそのまま怒りをぶち撒けるとクビになるリスクがある。
なので、そこにはぶつけず、よりリスクの少ない所にあたるのだ。
この防衛機制が強い人は怒りっぽく見える。
何に対しても怒っているように見え、短気にも見える。
ただ、実はそうじゃない。どこかにストレスやイライラの根源がある。ただ、そこに怒りをぶつける事が出来ないのだ。
だから、その人たちが怒りをぶつける相手にはなんの原因もない。
悪い言い方をすれば、ただのサンドバッグである。
このように怒りの原因の多くは目の前にない。
目の前の相手がどうとか自分に起きた出来事が原因で怒っている事はほぼない。
なので、誰かにイライラしている時はその原因を過去唐探せばいい。
なぜなら過去に原因があって、あなたがイライラしている矛先には原因がないからである。
目の前の怒りの原因は目の前にない。
最後まで読んで頂きありがとうございました。