【超入門編】その4 伝わるプレゼン構成といえばこれ一択! 最強ドラえもんテンプレ
いざプレゼンを作ろうとしたとき
どういう構成にしようかな?
って悩んだことありませんか?
実は僕もそういう人でした。
でも実は…プレゼン業界では、これ一択とも言われる神構成が存在するんです。
今回はそんなお話です。
今回は有料級のお話なのですが、ここまでがプレゼンを作る基礎知識の一区切り。是非読んでもらいたいので、無料記事として書いてみます。ここまでの4つを読めばある程度、プレゼンレベルが上がっているはずです。
それでは行ってみましょう!
プレゼンの順番?
皆さんは、プレゼンを作るときはどの順番で話しますか?
よく言われるのが
これってどの参考書でも、どの人でも言っていることなんですが、いざ原稿に手を付けようとすると、
「で、結論って何を書けばいいんだ?」
「そもそもどこからかけばいいんだ?」
「この補足説明はしたほうがいい?」
「あ、これは前提条件だから前に入れておくか?」
などなど思ったりしませんか。
ここなんです!
僕が壁を突っ切れなかったのは!
一生懸命プレゼンを考えて、10分間にまとめて、話し切って、返ってくる言葉が…
結果、話が飛びすぎている だの
何言ってるんだかわからない だの
言われるわけです。そりゃ萎えてきます。
で、神プレゼンと言われるようなプレゼンやビジコンのファイナリストのプレゼンなどをいろいろ調べていくと、ある「テッパン」ともいえる神構成があるということがわかったのです。それが
といった構成です。
もちろん、この構成にハマっていないプレゼンはいっぱいあります。
でもそれは、
・いわゆる話し方の天才である
・文章校正力がとびぬけて優れている
・すでに偉人であるから何でも許される
というだけなんです。僕のような一般人には高すぎて手の届かないほどの壁です。
そもそもこのプレゼンを聞く側の人は、社長であったり、VC(投資家)であったり、ビジネスコンテストの審査員だったりするわけです。その人たちが読んできた本や聴いてきた超一流のプレゼンは、この構成を使っています。もしかしたらその本を書いた本人が聞く側の人かもしれません。しかもこの構成、ビジネスばかりじゃないんです。バラエティーだったり、ドキュメントだったり、引き込まれる話の多くがこの構成だったりします。
つまり、
なので、
・奇をてらう構成で攻めてみる
・あえて文章に伏線を張ってみる
ということは逆効果です!
聞く側からしたら、これからまだ知らない新しいナニカを聞こうと思っているのに、本来聞きなれない構成の方で頭を使ってしまって、肝心の新しいナニカを理解する余力がなくなっているかもしれないのです。
プレゼンの構成で変に頭を使わせないようにするためにも、基本は基本通り使ったほうが得策、というわけです
それでは1つづつ説明してみますね。
プレゼン構成の「テッパン」テンプレ
0、題名
実はこの「題名」自体、プレゼンでは発表しないケースが非常に多いです。そのため「0」にしています。
でも、僕は話したほうがいいと思うので書いておきます。
というのも「題名」の目的は
という聞き手に心の準備をさせるということです。
例えば、僕が
という商品をプレゼンするとします。
すると、今回の会議のプログラムを見ると…
と書いてありました。
このプログラムを見た人は
「なんじゃこりゃ?」
「え?鉄板を売りに来たの?」
「この「テッパン」だかいうやつ、今有名なの?」
と聞く側の人にとっては「?」が出てしまいますよね?
そうして自分のプレゼンが始まって説明もなく
「では、皆さん、いきなりなんですが、この数字分かりますか?・・・」
なんて切り出してしまったら、聞き手の感想としては
「いやいや、そこよりまず何なのか教えろよ」
「って、やっぱり「テッパン」って知らないのは俺だけか?」
となってしまいます。じゃ、題名だけでも話せばいいかというと、そうではありません。というのも「テッパン」だけじゃ何なのか、聞き手にとってはわからないし、何の解決にもなっていないからです。そこで必要になってくるのが、タグラインです。タグラインというのは商品の簡単な説明をワンフレーズで表したモノです。今回でいうと「用途」に書いてあるそのままを使ってみます。すると
「それでは、煮物も焼き物もできるフライパン、「テッパン」について説明いたします。・・・」
こんな感じになります。これで、相手にこれからこんな話をしますよという心の準備を促すことができます。
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1、課題設定
そして、いよいよ本題です。
プレゼンの目的は「共感させる」ことでしたよね。
(詳しくは【超入門編】その2 ぶきっちょサラリーマン ピッチで恥をかく へ)
そのとっかかりとなる最初の一手が、この「課題設定」です。
この「課題設定」の目的は
ということです。
ここが聞き手にとっても問題にとらえてくれなければ、承認も投資も受けてもらえません。
じゃ、相手に共感するときってどんな時でしょう?
次の3つの中で、皆さんはどの話の続きが一番気になりますか?
実は、この「一番気になる」というのが「共感」したということなんです。人が「共感」する時は
・それ!同じ経験をしたことある
・実は気になっていたんだよね
・あ、それなー!確かに問題だよなー
と思っている時に「共感」します。
では、先ほどの3つの出だしについて、プレゼン的にはどれが正解かというと「C」になります。
Cの良いところは
1、聞く側の全員がわかるようなことから入っている。
2、誰でも理解できる(問題にしている)。
3、自分の経験と比べられる。
といった、聞き手に自分ごとにしてもらえるよう「対話型」になっています。
ちなみに
Aは、「結論先行型」。結論が先にわかってしまうので、「フライパンの機能なんて興味ないからもういいや」ってなってしまいがちです。
Bは、「問題提起型」。キッチンに立ったことのない人にとっては、「そんなの知るか!」となってしまいがち。
そうして、まずは聞き手の関心をひきつけ、徐々に
・そこで起きている問題
・それで困っている人
へとつなげていきます。聞き手にとっても共通の課題となるように設定していきます。まとめると
ということです。
実はこの「課題設定」、プレゼンで最も重要なところです。この課題設定が間違っていれば、商品も企画もちぐはぐになってしまうし、何せプレゼンのストーリーも全く変わってきます。僕に相談にやってくるプレゼンの中でも、一番手直しすることが多いのがこの「課題設定」です。全文を変えなくちゃいけないので、ホント申し訳ないんですが…
この「課題設定」のセクションではできるだけ情に訴える、話し手らしい言葉で話さないと相手は聞く耳を持ってくれません。それには話し手の経験が必要です。あの時の感動、感触、くやしさ・・・それを相手にしっかり伝えていくことがキーになっていきます。
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2、課題解決策
「問題は何なのか」と課題を設定できたら、次はどうすれば解決できるかというところが必要になります。それが「課題解決策」です。
この「課題解決策」の目的は
ということです。
ではどうやって原因を絞り出していくかというと、
という方法です。
やり方は簡単。
「WHY(なぜ)」を5回繰り返すだけです。
この「WHY × 5回」というのは根本の原因を探るときにつかわれる、超有名な手法なのですが、これを使って問題の解決策を探っていきます。
例えば
「料理するのが面倒くさい」
という課題があったとします。それを解決するためにはどうすればよいでしょうか?
ということになります。そしてこれを逆から呼んで、簡単に説明するとすると
ということになります。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という話のような感じなんですが、実はそれでいいんです。聞き手が納得するように「論理的」っぽくに説明していきます。それでいいんです。
やるべきことは、聞き手になるほどと言わせればいいだけです。
そのWHY × 5回を逆にさかのぼっていけば「課題解決策」になるのです。
ということです。
ちなみに、実はWHY × 5回というのはガチでやると相当大変です。WHY × 3回が普通に限界です。5回までいくと事の真相まで見えてしまうとも言われているほどです。お時間があれば是非試してみてください。
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3、ソリューション
課題も共有できた、その課題を解決する方法もわかった。
これで終わったわけではありません。課題を解決する方法が分かっただけで、まだ解決していません。その解決(solution)するための提案が必要になります。それが「ソリューション」です。
この「ソリューション」の目的は
たったそれだけです。
このセクションがこのプレゼンでいうクライマックスです。とはいえ、一番簡単で、一番考えなくていい部分です。ただ単に商品が問題を解決してくれるという説明をするだけです。
実はここがいわゆる「結論」になるところです。
あれ?結果は先に言えじゃないの?
って思う人もいるかもしれませんが、実はプレゼンの正しいお作法としてはここが結論を話す位置になります。
最初から結論を話してしまうと「課題設定」の時に話したとおり、結論が先にわかってしまうので、興味ないからもういいやとなってしまいがちです。
とはいえ一応軽い結論は先に話しています。それが0章の「題名」で話したタグラインです。これからどんな話をしますよ程度の結論は先に話しておきます。その程度で終わらせて、本当の結論を持っていきます。これがうまい人が、スティーブ・ジョブズです。特に初めてのiphoneを発表するプレゼンは、伝説ともよばれ、誰もが選ぶ神プレゼン第1位です。
これなんです。プレゼンの基本って。
(その伝説のプレゼンのURLは記事の最後に貼り付けておきます。一度この記事を一通り読み終えてから、見てみると、あぁ~なるほど!こうなっていたのかって思いますよ)
これはプレゼンです。ある意味エンターテイメントなんです。
結果を伝えなくてはいけない、デイリーの仕事や会社への報告とはわけが違います。
ともあれ
ということです。
じゃじゃーん、という音が後でなっているかのように思い切ってお披露目してください。
そして、これがその問題を解決してくれる最高で最適なものと伝えてあげてください。
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4、実現可能性
さあ、みんなで共有した課題もこのソリューションで解決できたと喜びを分かち合えました。結果がわかると、急にプレゼンの熱い共感から冷めてあることに気がつきます。それは
「じゃ、本当にビジネスになるの?」
というリアルな現実です。ここがプレゼンとリアルをつないでくれる、伝えるの本当の目的「実際に行動してもらえる」かどうかがかかっている重要なところになります。それが「実現可能性」です。
(詳しくは、【超入門編】その3 ぶきっちょサラリーマン なかなか伝わらないへ)
この「実現可能性」の目的は
ということです。
大事なところではあるのですが、プレゼンの構成としてはあまり考える力を必要としないところです。
ただ一つ重要な点があります。それは
の設定です。
例えば、
煮物も焼き物もできるフライパンが、レアアースを使った記憶再生合金で、開発費用に5兆円がかかるというのでは誰もやろうとも思わないわけです。
でも、そのための研究者を紹介してほしいなら一気にハードルは低くなってそれなら手伝えるよと言ってくれるかもしれません。
あくまでプレゼンは、聞いた人が、次のアクションをどうすればよいのかというゴールを明確にするということでしたよね?
(詳しくは、【超入門編】その1 10年気づきませんでした プレゼン唯一の鉄則へ)
今回のプレゼンでは資金が必要なのか?新規事業部を立てたいのか?仲間を紹介してもらいたいのか?聞き手が行動を起こしやすいゴールを設定してあげて、それを伝えるのがプレゼン全体の目的です。
この最初の一歩をマイルストーンと言います。
マイルストーンは最終的ゴールに向けた小さな目標、目印のことです。
これが実現可能なレベルであることを伝えます。
あとは、それが現実可能であることを証明すればいいだけです。
その証明する方法として
などなどいろいろあるのですが、それぞれ説明するのは長くなるので、また別記事でゆっくり説明します。実はこれも型があってそれを使って説明すれば特に数字を入れるだけなので特段問題ないはずです。
ということです。これもおいおいお話ししますね。
まとめると
ということになって、これで初めて聞き手が動いてくれる、聞き手に伝わるプレゼンは作れたことになります。
最強プレゼンターはドラえもん
これが全世界共通のプレゼンの基本のテンプレです。
これを元にどのように味付けしていくか?どのくらい没入感を足していくか?ということになります。
でもこの構成どこかで見たことありませんか?特に日本人にとってはなじみ深いはずです。
それがドラえもんです。
例えば、
こんな回があったとします。
何の変哲もない、ドラえもんにありそうな回ですが、これ立派なプレゼンになっているのわかりましたか?
0、題名
しっかりこれから「もしもボックス」の商品というのを紹介しますよと言っているわけです。しかも「もしも〇〇なことが起きたらということが実現できる電話ボックス」とうまく説明しているタグラインのような商品名なんです。
1、課題設定
そして、ジャイアンに殴られてきた事実が目の前で繰り広げられているわけです。これ以上の課題設定はありませんね。
2、課題解決策
のび太とドラえもんの押し問答でどんどん問題が浮き彫りになっていきます。そして最終的に「ヒットが打てれば殴られない」という課題解決策を見出します。
3、ソリューション(結論)
そしてドラえもんはのび太がヒットを打つことができるようにして上げる秘密道具「もしもボックス」を提案したのです。
4、実現可能性
もう手元にあって、のび太に使ってごらんと言ってる時点で、実現しちゃっています。
5、その他
回によっては間違った使い方をしてのび太が痛い目に合う場合がありますよね。あれもデメリットをしっかり伝えているところ。まさに神です!
実はドラえもんはプレゼンの要素がすべて含まれているのです。
もちろん、この構成じゃなければならないわけじゃないのですが、基本的にこの構成が話し手でも聞き手でも一番プレゼンの順番として聞きやすい構成になっているんです。
この構成が小さいころから刷り込まれている民族である日本人は、プレゼンに実はめちゃめちゃ慣れているのかもしれません。
あとは実際聞き手が動いてくれるかどうかですが、それは相手の次第ということです。コミュニケーションは相手が決めるものですからね。
【次回予告】
今回も長くなってしまってすみません。でもこれで基本編は終了です。
ご卒業おめでとうございます。
ここまでの【超基本編】全4話相当長い文章にお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。そしてお疲れさまでした。
でも、プレゼンの構成についてが伝わったかと思います。あとは失敗を恐れずそのプレゼンをするだけです。
わからないところがあったり、質問があればどんどんコメント書いてください。
これ以降は、具体的なプレゼンの作り方を1つ1つピックアップして書こうと思います。
それとメンバーシップを開設しようと思います。
メンバーシップ特典としては
・有料記事の読み放題。
・プレゼン・ピッチのオンライン壁打ち会参加券
・プレゼンに関する質問への回答
・ゲストスピーカーによる模範プレゼンの視聴
など考えています。
開設したらご案内をしますので、是非フォローやいいねボタン、コメントなど残していただいたらこちらからもご連絡します。
今後とも引き続き宜しくお願いします。
最後にスティーブ・ジョブズの伝説のプレゼンの動画を貼っておきます。
【背景】
これはまだガラ系が主体の時代の話です。このプレゼンから今のスマートフォンという概念が生まれた伝説のプレゼンになります。一度見たことがある人も是非見てみてください。少しスティーブ・ジョブズのテイストが入っていますが、基本的には同じです。あぁ~だからこう話しているのかってわかりますよ。是非、そのコメントもお待ちしています。
分かりやすいのがこちら(翻訳機能対応)10:19
フルバージョンはこちら(翻訳機能不対応)1:19:10