【小説】スポットライト
大学4年の夏のことだ。演劇が好きで、大学でも仲間と演劇をやっていた。いつか大きな劇場で、有名な演出家の演出する舞台に立ってみたい。そうぼんやり思い浮かべはすれど、現実は厳しい。そんなところに立てる人はほんの一握りだ。色々悩んだ結果僕は、就活をして地元の企業に内定をもらった。演劇仲間の多くも、同じ決断をしていた。たまに集まって台詞を読み合ったりすることはあったが、その機会も自然と少なくなっていった。
もう演劇からは離れよう。
そう考えながらも、なんとなく目に入ったポスターに引き