ともきんぐ

元々文章を書くことなんてしてこなかったのですが、あることをきっかけに妄想爆発。時々オリジナルもありますが、朝ドラスカーレットを中心に妄想二次小説を書いています。妄想なので、本編とは全く関係ありません。 とても短い話なので、よかったら読んでください。

ともきんぐ

元々文章を書くことなんてしてこなかったのですが、あることをきっかけに妄想爆発。時々オリジナルもありますが、朝ドラスカーレットを中心に妄想二次小説を書いています。妄想なので、本編とは全く関係ありません。 とても短い話なので、よかったら読んでください。

マガジン

  • おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS

    演技経験0のおばちゃんが、ミーハー心90%で栗山民也さんのWSに参加してきた4日間のレポートです

  • つよがり

    松下洸平君のデビュー曲つよがりから派生したお話を集めてみました。 「つよがり」の歌詞から広がるみなさんの世界が素晴らしいこと、素晴らしいこと。

  • じゃがいも〜9ボーダーより〜

    ドラマ9ボーダーより、家族を探しに北海道に行ったコウタロウの話を書きました

  • 恋と愛〜最愛サイドストーリー〜

    ドラマ最愛の優の初恋の話です

  • 松下洸平ツアーP2Pより

    松下洸平ツアーP2Pより、セットリストからお話を書きました。

最近の記事

短編小説:大きすぎるシャツ~シングル『愛してるって言ってみてもいいかな・憎いな』より~

「お母さんなにやってるの!?」 寝室でゴミ袋を抱えて次々と荷物を捨てている私の背後から、驚いたような娘の声が飛んできた。 「何って、研二さんの荷物処分してるのよ」 私は冷静に答えた。 「なんで?」 「なんでって、もう必要ないでしょ?」 「だから、何で!お父さんまだ死んでないよ?!」 理解できない、と言った雰囲気で,、娘が私の声をかき消すように大きな声をあげた。 「悪いけど邪魔しないで」 娘の大声を遮断するように、私は部屋の扉を勢いよく閉めた。 わたしは、1

    • 短編小説:風に舞うシーツ〜ドラマ放課後カルテより〜

      保健室の外に干された真っ白いシーツがバタバタとよく晴れた夏の風に煽られて激しく泳いでいる。 「……うるさいな」 東多摩第八小学校に学校医として赴任してきたばかりの俺は、自由なリズムでバタバタと泳ぐシーツが憎たらしくなって、そう呟いていた。 どんよりとした呟き声とは裏腹に、夏の太陽がさんさんとシーツを照らしつけていた。 俺は小児科医だ。 学校に勤めるために、医者になった訳じゃない。 なんでこんな事になってしまったんだろう。 どう考えても医療がほとんど必要のないこの場所で、

      • 演技経験0の私が、おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS(3)

        栗山民也さんワークショップ4日目 この日は最後に、本番のように全ての通しをしました。 「嘘のないように」 栗山さんが4日間繰り返し伝えてくださった言葉です。 この言葉を胸に、広島の原爆が投下されてからの約1ヶ月半の風景の朗読劇を10人で約1時間かけて表現しました。 もちろん、納得のいく内容でもないし、栗山さんの見せてくださった広島の風景を、私が言葉で発せられたかというと、全くもって不出来だったと思います。 でも、私以外の9人の役者さんたちの躍動する言葉、声に私は本気で

        • 演技経験0の私が、おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS(2)

          9月初旬、芸術館から台本が送られてきました。 井上ひさしさんの作で、広島の原爆を題材にした台本でした。 私は8/31に長崎の原爆が題材のこまつ座『母と暮せば』を観劇しており、9月に入っても私の心の中には、その作品の主人公である浩二と伸子さんが住み着いていたので、井上ひさしさんに呼ばれてる!と勝手に運命のようなものを感じて読み進めました。 果たしてこの台本がどのように扱われるのか。 この時点ではまだ、この台本を演じる事になるのか、ただ読み解くだけなのか、わかりませんでした。

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        • おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS
          3本
        • つよがり
          20本
        • じゃがいも〜9ボーダーより〜
          4本
        • 恋と愛〜最愛サイドストーリー〜
          4本
        • 松下洸平ツアーP2Pより
          11本
        • 体温より
          9本

        記事

          演技経験0の私が、おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS(1)

          「おばちゃんと言う言葉は、魔法の言葉なんです!」 おばちゃんと言う言葉は、とても素敵で使い勝手の良いものなんだと言うことを、そこにいる初対面の方々に、私は声高らかに体全体を使って、そう宣言しました。 それはまつもと芸術館主催の、栗山民也さんのワークショップ初日の出来事でした。 なぜこんなことになったのか? なぜ演技経験も何もない私が、日本を代表する演出家の栗山民也さんのワークショップにいるのか? それはまつもと芸術館からの1通のメールでした。 栗山民也ワークショップ

          演技経験0の私が、おばちゃんパワーで参加した栗山民也さんWS(1)

          短編小説:光の泡玉〜大河ドラマ『光る君へ』より〜

          何も聞こえない 何も見えない 俺は絶望という波間に飲み込まれていた。 12歳を迎えた俺は、口減しで父親に海に投げ込まれた。 いつかこんな日が来ることは予想できてはいた。 分かってはいた。 なので、俺は細心の注意を払って生きてきた。 捨てられぬように、腹が減っていると悟られぬように、息を殺すようにして、ただただ、親と一緒に朝から暗くなるまで漁師をした。 「うみは手が早い」 そう言われ、重宝されてきたのに、結局俺は親に海に捨てられた。 何も聞こえない、何も見えない。

          短編小説:光の泡玉〜大河ドラマ『光る君へ』より〜

          短編小説:じゃがいも(4)~ドラマ9ボーダーより~

          次の日の明け方、私は農作業の準備のため日が昇る前から起き始めていた。 外を見ると、コウタロウさんが、テラスにいるのが見えた。 「おはよう」 後ろから声をかけるとコウタロウさんは振り返り、溢れんばかりの笑顔でおはようと返してくれた。 「何してるの?」 「綺麗だなあって思って。この、夜と朝の境目ってホッとするんだ…僕みたいだなって」 「僕みたい?」 「うん。夜なのか、朝なのかすごく曖昧。どっちでもないこの境目。僕みたいにはっきりしない」 コウタロウさんは立ち上がり、

          短編小説:じゃがいも(4)~ドラマ9ボーダーより~

          短編小説:じゃがいも(3)~ドラマ9ボーダーより~

          「こーちゃろーー」 「なになになにーw」 翔太がコウタロウさんに襲いかかる。 すっかり仲良しになった2人は、いつでも2人でいた。 親子というより、兄弟のようだった。 あれからコウタロウさんは、初七日まで私達家族に付き添ってくれた。 こうたろうさんが居てくれたお陰で、私は、広大に「おかえり」を言うことが出来た。 まだまだ気持ちが落ち着くことは無いけれど、日常が戻ってきていた。 「こーちゃろー、パパ?」 夕飯を食べているとき、翔太が突然そう言い出した。 「え?」 そ

          短編小説:じゃがいも(3)~ドラマ9ボーダーより~

          短編小説:じゃがいも(2)~ドラマ9ボーダーより~

          北海道に留まると宣言したコウタロウさんを、私は状況が掴めず、ボーっと見つめた。 「びっくりしますよね。自分でもびっくりしてます。あの、踏み込んだ事を言いますが、聞いてください」 私はしっかりとコウタロウさんを見つめた。 「これから、広大さんを引き取って、葬儀告別式など行うそうです。きっと、その場に集まる人達がお母さん……?奥さん?えーと、なんて呼べば良いかな。こういう時の選択肢が苦手で」 「みどり」 私は少し笑いながら、自分の名前を小さく告げた。 コウタロウさんは、

          短編小説:じゃがいも(2)~ドラマ9ボーダーより~

          短編小説:じゃがいも(1)~ドラマ9ボーダーより~

          一通りの家事を終えて、孫の翔太を寝かしつけた後PCの電源を入れる。 そのまま慣れた手つきで警察のデータベースに進む。 行方不明の息子の消息を探す為だ。 息子が突然消息を絶ったのは、2ヶ月ほど前。 幼い息子の翔太を家に残したままだった。 それからというもの、私たち夫婦は藁をもつかむ思いで、毎日毎日色々な所に聞き込みに出かけ、そして同時に警察の行方不明者データベースで息子が発見されていないかと調べる毎日だった。 何が原因なのか、どうしていなくなったのか。 可能性はいくつも考え

          短編小説:じゃがいも(1)~ドラマ9ボーダーより~

          短編小説:やわらかもん(5)

          「社長、これを見てほしいんです」 新しい市松屋店舗の看板商品の為、チーズケーキの開発をする中で、まさかのチーズが苦手な事を告白した和樹に「チーズが苦手な人間でも食べられるチーズケーキを作れば良い」と陸太郎は事も無げにそう伝えた。 言葉はとても簡単だったが、それは想像をはるかに超える難儀な作業だったが、それを乗り越えて出来立てのチーズケーキの販売に目途がたった頃、和樹は陸太郎に1枚の絵を見せてきた。 「なんやこれ」 にこやかに笑うおじさんの笑顔のイラストだった。 「社長

          短編小説:やわらかもん(5)

          短編小説:やわらかもん(4)

          自分はこの『市松屋』で何をしたいのか?何が足りないのか? 自問自答の日々が続いた。 あまりに考えすぎて、身体はどんどん硬くなり、頭はガンガン痛くなる。胃もキリキリと痛くなり所謂満身創痍、と言う状態になっていた。 そんな中、野田が会社の帰りにご馳走してくれると誘ってくれた。 正直、そんな体だった為、何か食べ物を食べたい。そう言う状態ではなかったが、野田に誘われるとなんだか断れない和樹がいて、素直についていった。 連れて行かれたのは、メニューが肉うどんのみしか無い古びたお店

          短編小説:やわらかもん(4)

          短編小説:やわらかもん(3)

          「あかん。無理に決まっとる、お父ちゃん気でも触れたか?!」 息子の和樹が、青ざめた顔で隆太郎にそう訴えた。 それは、パン事業の危機を数年かけて乗り越え、市松屋の新たな支店を難波にどうですか?と言う銀行からの打診に応え、隆太郎が出店を決めた、その翌日の話で、隆太郎はその店を、息子の和樹に任せる。そう言い出したのだ。 「お父ちゃん、第一俺、まだ大学生や。働いたこともない。そんな人間になんで任せられる?」 あわてる和樹に、隆太郎はにっこりと笑う。 「お父ちゃんかて、アホやな

          短編小説:やわらかもん(3)

          短編小説:やわらかもん(2)

          あったかいの食べたら、うまいんちゃうかなーと言う、少年の何気ない言葉に、隆太郎は雷に打たれたような感覚になった。 そうや、そうや!そうや!!そうや!!! 何で自分はお菓子を作っているのか? 幼い頃屋台で食べた玄米パンが出来上がる過程を見つめながらワクワクしながら食べた、あの時の自分のような顔を見たかったから。 そして、奉公先で初めてカステラを食べた時のあの柔らかい食感が忘れられなかったから。 お菓子は、出来立ての温かい時と、少し時間がたって冷めた時では別物のように味が変

          短編小説:やわらかもん(2)

          短編小説:やわらかもん(1)

          カランカランカラン!! 焼きたてのチーズケーキの出来上がりに鳴らす鈴の音だ。 お客様は、その音を聞くだけで、あのチーズケーキの柔らかい感触が、口の中いっぱいに広がるとおっしゃってくださる方が多い。 ありがたい ────────ありがたさと共に、僕はその音を聞くたびに、自分がリヤカーを引いて、洋菓子を手売りしていたあの頃を、思い出す───── 昭和31年 世の中は好景気に湧く中、隆太郎は1人打ちひしがれていた。 リヤカーの中にある売れ残った菓子たちを眺め、ため息をつく。

          短編小説:やわらかもん(1)

          短編小説:花が好きな君とそうでもない僕〜YOU&MEより〜

          花屋に勤める君が、すごい花束を抱えて僕のところに来た日を今でも鮮明に覚えてる。 なんなら、花束の花の色までしっかり覚えてる。 それくらいの出会いだった。 部屋の扉を開けると、視界いっぱいに広がる花束が僕を出迎えていた。 「おめでとうございまーす!」 え? おめでとうございます?  なにか祝われるような事があったかな? 僕は眠い目を擦りながら、それでもと朧気な記憶を掘り起こすが、そんな出来事はひとつも思い出せなかった。 「あ、えーと」 「すごいですねー!こんな大きな

          短編小説:花が好きな君とそうでもない僕〜YOU&MEより〜