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拝啓 あんこぼーろ
2021年5月25日 08:30
海のそばで育った。波が止まらないのが不思議だった。いつ止まるのか、その瞬間が見たくて、僕はいつも波打ち際にしゃがんでいた。海って、常に音がある。風、波、砂、魚が跳ね、海鳥が鳴き、繋いだ船の縄が軋む。けれど、すべての音が偶然消え、なんの音もしない瞬間もある。そんな時、周りを見渡す。今、時間止まらなかった?と、そんなふうに感じる。兄と妹というのは、いろいろを気を使うことが多く
宮田みや
2021年5月20日 14:13
バスタブに浸かる。バスボムを入れたぬるま湯は足に絡んでとろりと落ちてゆく。鼻だけが水面から上にいる。うるさいけれど、とてもしずか。私が身体を委ねるこの箱が、湯船か棺かなんてこの際どうでもいい。どうでもいいのだ。だから1つ、話をしよう。 滑稽で憐れで、惨めな女の話をしよう。 「自殺未遂」死にたかったのだ。死にたかったのだと、今ではそう思う。そう思っている、ことにしたい。