
海水から塩づくりやってみた!【不登校サークル活動】
2025年今年初の不登校サークル活動です。
去年からあたためてきた企画「海水から塩づくり」やってみた!
3日間の活動記録なので長文になってしまいました・・・汗
子供たち自身でバケツで海水をくんで、薪ストーブで煮詰めて塩づくり。防災対策やサバイバルスキルアップも狙った活動です。普段はニンテンドーSwitchでマイクラやスプラばかりしている子供たちですが、塩づくり体験は冬の野外で、けっこうハードな体験でした・・・!
岩手は1、2月が一番寒いんです・・・なのに2月に、こんな寒い時にやらんでもええのに・・・w!!!という声が聞こえてきそうですが・・・。今回は知人のご好意で民家の納屋のストーブを使わせてもらえることになり、決行。薪仕事、鍛冶屋仕事もしながら、初めての塩づくりをすることに。
LET'S GO〜〜!
DAY1:海で塩づくりのための海水をくむ!
塩づくり1日目。
海水を汲みに岩手県の沿岸の海へ。


バケツにロープをつけて・・・水汲みバケツは釣具屋さんや、ホームセンター、100均ダイソーでも売っています。

わかったこと。
岩手の内陸は大雪なのに、沿岸は雪は全くないことがわかりました。
しかし、
冬の海、寒い!
風が強い!
そして天候が変わりやすい!
海に落ちたら危ない!
危険と隣り合わせ。
いやあ、、、潮風がつめたかった・・・!!
漁師さんの寒さがちょっとわかりました・・・。
それでも子供達は「海の男!!」と海に向かって叫びながら元気いっぱいでした。
帰りは産直で美味しそうな海のものを買って帰りましたよ〜。

DAY2:海水を薪ストーブで煮詰めて塩づくり
塩づくり2日目。
薪ストーブのある納屋で活動です。半分野外みたいなところでしたが、薪ストーブとスウェーデントーチで暖を取りながら鍋で海水を煮詰めました。
塩づくりのレシピはこちらを参考にしました。
https://www.shiojigyo.com/siohyakka/experiment/exp12.html
https://kdc.csj.jp/learning/item_2130.html
・薪ストーブの燃料の薪木をわる子
・薪ストーブの火をつける子、火を大きくする子
・濾過装置をつくって海水を濾過する子
・スウェーデントーチに火をつける子
・火の番をする子
などなど、手分けしてやりたい仕事をやりました。
中でも、薪割りをしていた親子が薪割りにハマっていましたw





濾過装置はこちらの100均で。
https://jpbulk.daisonet.com/products/4967574597656
焚き火やキャンプ、薪仕事にも、防災グッズとしても。こちらの子供用グローブが安くてオススメです。
「なぜ?」体験活動から生まれるたくさんの疑問
なぜ薪木はパチパチ言うのか、など質問がでていました。乾燥させた紅葉樹=ぱちぱち言うけどゆっくり安定して燃えるし煙も少ない。反対に未乾燥の新しい薪木=火花がちりやすく安定しないし、煙がかなり出る。ということがわかりました。
また濾過に使った活性炭(炭素)の元素記号は?? など。化学式 C (英名 activated carbon)ですね!
活性炭ろ過は、不純物を活性炭が吸着して取り除くことによって、液体を浄化する手法です。活性炭や石、砂を使って時間をかけて濾過したかったのですが、簡易的に活性炭と晒し布のみで海水を濾過しました。


海水の中の白いやつら「その①」と「その②」
海水の中にはいろんな成分や栄養素が入っているんですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%B0%B4
この辺から、当日の写真ではなく、後日自宅で作った塩の写真です。
まずは鍋で海水を煮詰めていきます。
海水が10分の1程度になったら、白い沈殿物があらわれ、濁ってきます。
これはなんでしょうか!?塩!? いや違う・・・塩じゃなくて「石こう成分」でした。濡れた状態ではザラザラ、乾くとサラサラしています。


硫酸カルシウム(石こう)は、晒し布で漉して取り除きます。濾過にはコーヒードリッパーなどを使うと、設置が安定していて便利でした。
石こう成分を取り除いた液体をさらに煮詰めます。
そうするとまた白いものが浮き上がってきました。
海水の中の白いやつら「その②」
まさに、これが塩です!!!!
↓↓↓↓↓↓↓↓

これが塩なのか〜〜 さっきの石こうとはちょっと違う?
↓↓↓↓↓↓


さて、海水の中の白いやつら「その②」をさらに煮詰めます。
その前に!
悩ましい事が・・・
にがり成分をどうするか!?
大抵のレシピにはここで「にがりを取り除け」と書いてありました。
ドロドロした白い塩と、
透明の水分=にがり成分を分けるのです。
市販の塩によっては、にがりを全て取り除かず、程よく残した塩もあるようです。なぜ残すかというと、様々な栄養分や効能があるからのようです。
<にがりとは>
にがりとは、海水から塩分(NaCl)を取り除いた後に残る液で、塩化マグネシウムを主成分としています。別名「粗製海水塩化マグネシウム」とも呼ばれます。にがりの特徴は次のとおりです。
にがりの特徴
・味が苦い
・マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが含まれている
・豆腐を固める添加物として使用される
・お料理の下味やご飯を炊く際にも使用される
・お漬物を漬ける
・あく抜きをする
あら、にがりにも栄養素はあって、捨てないで活用できそうですね。
にがりはこの時点で取り除くか、塩に残すか・・・悩ましい。
A:多少苦い塩になるが栄養を重視し、塩に「にがり」を残す。
B:苦い塩は嫌だから、栄養は低下するが「にがり」を全て取り除く。
考えた末、にがり成分は9割ほど取り除き、塩を仕上げることにしました。
取り除いた「にがり」の液体は瓶詰めにして冷蔵庫へ。

にがりに含まれるマグネシウムは吸収されやすいので、マグネシウム不足を補う効果があるそうです。豆腐づくりはもちろん、炊飯時に少量入れたりするのは良さそうですね。
ただ、過剰にとりすぎると血中のマグネシウムが増えすぎる「高マグネシウム血症」を起こし、血圧低下をまねきます。また、にがりのとりすぎは下剤と一緒で下痢を起こします。にがりを一気に飲み干したりするのはNGですね。
その頃、一通り仕事を終えた子供たちは、塩づくりそっちのけで雪ゾリ遊びに夢中・・・!
とうとう塩が完成!
塩づくりも大詰め、最終段階です。
にがりの液体を取り除いたので、だいぶ水分がなくなってきました。

塩、やっと完成しました!!!!!!!!!

じゃ===ん!!
今回、だいたい9リットルの海水から、250g 程度の塩ができました。(秤の数字はちょっとおすそ分けやらしたので、少ない重量になっています・・・)
ちなみに海水の塩分濃度は3%なので、1リットルにつき概ね30gの塩ができますよ。海水の塩分濃度は約3.4%です。 単純に計算すると、海水1リットルの中には、34gの塩が含まれていることになります。

美しい・・・!
手作りの塩、お味は、、、!?
しょっぱいw
でも嬉しい、美味しい!
この塩は、味噌やぬか床に入れたりしてみたいと思います。また夏場の汗をよくかく日は水筒に少し入れたり。
うちの親戚の高齢者の話によると、子どもの頃、夏場は口に塩を塗って、きゅうりをくわえて水分と塩分を取りながら川遊びに出かけていたとのこと!
塩にぎりもやってみた〜い!春には子供たちと田植えもやる予定ですので、そのお米と塩でおにぎりつくったら美味しいだろうなあ!
海水成分について学んでみた
ちなみに海域によって塩分濃度には多少の差があるものの、海水のミネラル組成は地球上どこでも一定だそうです。
海水中の成分は、

海水中の微量元素はさらに細かく調べると・・・・約80種類もの成分が。

ちなみに今から45億年ほど前の海水は、現在のような塩辛い水ではなく、成分の違いで「酸っぱい海水」であったと考えられているそうです。
美味しい塩の恩恵、今の時代だからこそ受けられるのでしょか。
「人間の血液」と「海水の成分」
塩分濃度は海水の方がだいぶ濃いのですが、ミネラルの“構成比率”は非常に似ています。

ちなみに、
体重60kgの成人の体には約200gの塩が含まれているそう!
そして塩は細胞と体液間の浸透圧を調整したり、筋肉の収縮を助けたり、人間が生きていくためには必要不可欠な重要な働きをしています。
塩は骨にも含まれていて、血液中の塩分がなくなったりすると、血液中に溶け出すこともあります。命もささえているミネラル成分。
また、熱中症の対策にも塩が良いとされます。塩をなめるだけだとNGで、 そうすると体の塩分濃度が高くなり体外に水分を出しにくくなり、熱の放出が妨げられます。 また、体のミネラル バランスが崩れ、けいれんを起こすことも。 塩をなめるのではなく、水分に溶けた塩分水を摂るのが正解だそうです。
体の中のミネラルバランスを保ってくれている塩分。栄養の高い塩を、日々の暮らしの中でしっかりとることが大切だとあらためて感じました。
粗塩?結晶化?味も効能も違う!奥深〜い塩づくり
さて、塩っていろんな種類があります。
粗塩、サラサラの塩、岩塩、海塩・・・
その中でも私、(母ちゃん)は粗塩を求めていました。
「漬物は粗塩で。」と教わってきたのですが、なぜ漬物は粗塩がいいのか。
粗塩とサラサラの塩は浸透圧が異なるそうで、粗塩は浸透圧の力で味や香りを浸透させやすくし、栄養分もその分、しっかりと野菜に入り込むのだろうと理解しています。そこで、ぬか漬けに入れる粗塩が欲しかったのです。
出来上がった塩を見て、もっと大きな粗塩にしたかったな〜〜と感じたので、知人に聞いてみました。
まぜまぜしないで、自然に任せていたら、勝手に結晶化して粒が大きくなった。また、最後は火を入れすぎず、まだしっとりしている段階でにがりを取り除いたらあとは天日干しする。などといった方法で、大きめの粗塩ができるそうです。
実際に後日作ってみた塩。同じ日にくんだ同じ海水なのに、薪ストーブの友人と、ガスコンロの私ではこんなにも仕上がりが違う!


見た目が違うのとともに、味も異なりました。右のガスコンロの方が少し塩っぱさが強い印象。塩っぱさを感じる「塩化ナトリウム」が主に残って、他がなくなってしまったのか!?(まだわかりません。)
左のストーブでゆっくり作った方は、味がまろやかで美味しく、後味も良く、口の中で塩が解けた後も長く余韻を感じることができました。(これがミネラルの力なのでは?と思いました。実際はどうなのかは不明です。
シンプルに見えてなんとも奥のふか〜い、塩づくりでした・・・!
どうやったら粒の大きい、美味しい塩が作れる?
どうやったら粒の大きい、美味しい塩が作れるのでしょうか?まだまだ研究が必要ですね。
塩の結晶化とは、水に溶けた塩が一定の条件下で再び固体に戻り、規則正しい形(結晶)を作る現象です。
なるほど、今回は時間の都合もあり、ガンガン火力を強くして火を入れて、しっかりと木べらで海水を混ぜ混ぜしまくりましたが、低めの温度で時間をかけてゆっくり塩を作ると結晶化するかもしれないですね。
次回は天日干しにもチャレンジしてみたいと思います。その方が燃料も使いませんし。薪ストーブでやるか、ガスコンロでやるか、はたまた天日干しか?熱源やかける時間によっても塩の出来は異なるし、塩を混ぜる人のさじ加減や感覚、心の持ち方によっても全く異なる塩が完成するとか!?
なんせ時間を気にせずにじっくりゆっくり取り組める環境、時間が必要だってことですね。
なぜ学ぶのか、それは生きるため
普段のサークル活動は、図書館、博物館、公園遊びなど、ゆるい活動です。
今回の塩づくり2DAYS はハードだった〜!海という自然も、火の扱いも、ともに素晴らしい多大な恩恵がある反面、大変危険な面もあります。
緊張もしました。海では子ども1人につき大人1人がつき、火の体験にもしっかり大人がついて、子どもたちを見守りながら様々な仕事を全うすることができました。寒かったのですがそれでも薪ストーブの火を囲み、その時を楽しむ・・・。東北の冬ならではの良い時間が過ごせました。
達成感がすごい・・・あるものをいかして道具や食材からつくることは、子どもたちの生きる力のを育みます。暮らし自体をつくることや暮らしの道具を作ることは喜びです。それが好奇心を育む学びの根っこにもつながっています。
なぜ学ぶのか。
それは生きるため。
命をつなぐため。
DNAに刻まれているから、「学びなさい」「やりなさい」と強制しなくても、自然と取り組めてしまうんですね。
人口減少、生成AIの台頭、地球環境、どんな変化や未来がやってきても子どもたちが生き抜けるスキルとマインドを。
今年も、活動はめちゃくちゃゆるーく、志は高く😆⁉️
「不登校でも遊ぶように学べる!」をテーマに様々なおもしろ活動をやっていきます。
お読みいただきありがとうございました。