コミティア134レポート―コロナ禍の同人誌即売会(2020/11/23)
エアコミティア135にあわせて、2020年11月23日(祝)に東京ビッグサイトで開催された「コミティア134」のレポートを公開します。
「コミティア」とは創作ジャンルに特化した日本最大規模の同人誌即売会です。これは「コミックマーケット」の80%が二次創作であるのに比べると実に対照的ですが、コミックマーケット準備会初代代表の原田央男氏によれば、もともと創作サークルの生み出すオリジナル作品が読みたくてコミックマーケット創立に乗り出したと語っており、本来のコミケも、コミティア同様に、創作の可能性を拡大させるメディアとして出発したのです。
ところが、70年代末に「おたく」「やおい」が登場、80年代になるとエロパロがコミケを席巻するようになります。これはオリジナル志向の主宰者にとっては大きな誤算でした。しかし、主宰者の選り好みで参加者を排斥することはコミケは元より、その創設母体となった漫画批評サークル「迷宮」の理念にも反することで、結局、原田氏は79年に代表を辞任。その後は漫画だったら何でも好きだった故・米沢嘉博が2代目となります。つまり、現在の「何でもあり」なコミケは米沢代表以降から確立したものであって、コミケが創作中心だった時代は、最初期の数年程度しかありません。そういう意味において「コミティア」は、初期コミケットの理念と熱気を受け継いだ、貴重な「場」といえるでしょう。
ここから個人的な話になりますが、コミティア134は、ぼくがはじめて東京ビッグサイトを訪れたイベントです。しかも、今回のコミティアはCOVID-19の影響もあり、強烈な印象を残す事となりました。この記事では「いつもとは違ったコミティアの雰囲気」を、なんとなく書き残しておこうかなあ、と思った次第です。
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参加:1884 サークル/個人
日程:2020年11月23日(月/祝)12:00~16:00
場所:東京ビッグサイト西1・2ホール
5月開催予定の「コミティア132」、9月開催予定の「コミティア133」、これらは中止になったので、今回のコミティアは実に9ヶ月ぶりの開催です。
参加サークルは「コミティア131」の4215サークルと比べると半分以下。よって西3・4ホールは使用されませんでした。また参加を自粛した人も多くいたようで、並行してSNSを活用した「エアコミティア134」も開かれました。
ここから本題
ぼくは上京したばかりの新社会人ですが、コロナ禍で軒並みイベントが中止に追い込まれ、5月に開催予定のC98もコミケ史上初の中止となってしまいました。
(C98は上記まとめを作成してエア参加を果たした)
一方、5月25日の緊急事態宣言の解除以降、多少の制限はありつつもイベント規制の方はだいぶ緩和され、昨秋ついに「コミティア134」が開催したわけです(※)。もっとも当日は二日酔いと睡眠不足のトリプルパンチで、東京ビッグサイト駅の前に降り立つことだけで、精一杯だったのですが…
(※)ただし都内感染者数はイベント終了後の12月10日時点で602人、大晦日では1337人と、緊急事態宣言時よりも多くなってしまいました。さすがに2000人を超えたら再び緊急事態宣言が出るかもなので、21年2月21日開催予定の「コミティア135」が今から心配…とか書いてたら、ちょうどこの文章を書いてる1月2日、東京都が緊急事態宣言を要請する方針を固めたそうで、その後「コミティア135」の中止は正式に決定しました。
コミティア134を知るまで
ぼくの情報源は、もっぱらツイッターです。
「コミティア134」を知ったのも『ななこSOS』FC「すーぱーがーるカンパニー」(@sgc_nanako)が次のツイートをしていたからです。
結局、直前になって「すーぱーがーるカンパニー」が頒布予定だった吾妻ひでお先生の「追悼本」は製本ミスで発売延期となるのですが、ともかく、これがきっかけで、ぼくは「コミティア134」に行く決心を固めたのでした。
(すーぱーがーるカンパニーが「コミティア134」で頒布した既刊本『輪舞-ロンド』は、谷山浩子の夢日記を原作に、吾妻ひでおが漫画化したもの)
コミティア134に行くまで
私的な事情で「コミティア134」に行くのは大変なハードルがありました。ぼくの会社は祝日が平日扱いなので、原則祝日に休めません。なので有休を取る必要があるのですが、コロナ禍の影響で6月1日に入社したため、12月1日まで有休が取れなかったのです(有休取得には入社後6カ月間の継続勤務が必要だとか)。いざとなったら仮病でズル休みしようかと思ってましたが、休日出勤することを条件に、特例で「午後休」を認めてもらえました。
ティアズマガジン(カタログ)完売!?
奇跡的にコミティアに行けることになったのですが、ぼくは予定を立てない人間なので、入場券代わりのカタログ(ティアズマガジン)を知ったのも前日の午後。「当日その場で買えばいいや」と思っていたところ、公式サイトの告知を見て衝撃を受けた。
この告知を見て一瞬パニックになった。すでに『ティアズマガジン』は在庫切れ。事前販売されていた都内各店舗では完売続出の全滅状態。
どうあがいても手に入れることができない。目の前が真っ暗になった。せっかく当日に午後休をとったのに入場すら危うくなるのは最悪すぎる事態。もちろん「救済」はあり、当日に現地でカタログを3000部頒布するとのことで、もうこれにかけるしかなくなった。
果たして、3000部「しか」ないのか
3000部「も」あるのか。
ビッグサイトに行ったことがない自分にとって、3000部という数字が多いのか少ないのかよくわからなかった。SNSでも結構見解が割れていたので、いよいよ冷静な判断が出来なくなった。
そういうわけで始発でカタログを買い行くことにした
しかし、計画性のないぼくは、前日はやく寝ればいいものを深夜3時まで知人と北千住のサイゼ&公園でワインをガブガブ飲みまくり・雑談しまくり、結局2時間ちょっとの仮眠しか取れず、ヘロヘロな足取りで始発前の北千住駅に向かった。もうこの時点で、かつてなくひどい二日酔い。頭も割れるように痛く、驚異的寝不足も相まって、史上最悪のコンディション。今思えば、こんな状態で出勤直前に、東京ビッグサイトまで行って冬場の開場前行列に1~2時間は並ぼうとしていたのだから、本当どうかしている。足立区。
さて、ぼくの家がある「北千住」から「東京ビッグサイト」までは大体1時間30分ほどです。まず東京メトロ日比谷線を経由して、職場がある「東銀座」で降車、そこから「ゆりかもめ新橋」まで徒歩10分、新橋から「東京ビッグサイト」までは22分で着きます。北千住の始発は5時ジャストなんですが、朝6時15分には東京ビッグサイトに着きました。
(11月23日朝5時48分の東京・新橋駅。気温は10度前後)
(生まれてはじめての東京ビッグサイト。朝6時18分)
しかし、ぼくは「午前休」を取ってないので、始業の9時までに会社に戻らなくてはいけません。カタログ販売は8時からなので、もし混雑してたら間に合わないかも…。すでに開場前の入場待機列が1列できあがっていました。
(東京ビッグサイトのメインエントランス前・朝6時48分)
しかし、長蛇の待機列は屋外とはいえ「密」なので、カタログ販売時間を少し繰り下げ、7:20から販売開始となりました。移動時「カタログを事前購入してる人」と「していない人」でグループ分けされた際、事前購入層の方が多かったので、昼12時から開催なのに、どれだけ待つのかと震撼しました。
この時点で『ティアズマガジン』は、おそらく2〜300部は売れたと思います。ほかの参加者も「思ったより(在庫に)余裕があったね」と言っていたのが聞こえましたし、ぼくらの心配は完全に杞憂に終わりました。
なお、在庫が完売したのは閉場する約1時間ほど前で、完売のアナウンスが流れた瞬間、大きな拍手が巻き起こったのが、とても印象に残っています。
(会場での販売価格は1,000円でした)
その後はすぐ会社に戻り、休憩室で『ティアズマガジン』を始業まで読んでました。眠い目をこすっては、目星のサークルに付箋を貼っていましたが、この時ぼくの顔を見た同僚によれば、ぼくはひどく青白い顔をしていたそうです。まあ、そりゃそうだ。
結局ひどい二日酔いは昼過ぎまで続き、仕事中はひたすら水を飲んで5~10回ほどトイレに行き、体内からアセドアルデヒドを排出して体調はやや回復。13時まで勤務した後、再びビッグサイトまで猛ダッシュで向かいます。
この日は昼過ぎまで晴れていたので、たいへん過ごしやすい気候でした。道中ではカップルがもみくちゃの喧嘩をしてたり、幸せそうな子連れの親子が目立ったり、祝日の東京はイナカもんの自分からしたら新鮮でしたね。
いよいよコミティア134に突撃
いよいよ東京ビッグサイトです。
西1ホールの入場口付近で、カタログ付属の連絡先カードとリストバンドを交換し、検温とアルコール消毒を済ませ、無事入場。
ここからは、GETした同人誌を順不同で紹介していきます。
GETした同人誌を紹介する
ティアズマガジン Vol.134
まず驚いたのがサークル一覧。Twitterやpixivでよく見かけるオリジナル系の同人作家がほぼ集結してました。
(ここから先は本題と関係ない話が続くので無視してください)
話は飛びますが、ぼくが漫画を読む時に基準としている指標は、オルタナティブな「かわいさ」「ナンセンス」「リアリズム」を兼ね備えた作品です。個人の主観になりますが、それらの要素を持つ作品は「60年代の貸本まんが」「80年代の美少女まんが」「WEB漫画」に集中してるように思います。
もちろん「かわいさ・ナンセンス・リアリズム」と表裏一体である「かわいくて、ヘンテコで、シュールな漫画」なら、中堅レベルの商業誌にもありふれてるものでしょうが、表現上の制約やビジネスの論理から作家の個性がスポイルされ、読者だましの中途半端なシロモノばかりなので、あまり琴線に触れません。そもそも、リアリズムを排除したカワイイだけの漫画なんて毒にも薬にもならないし、展開にも抑揚がないので、私はあまり好みません。
一方で「二次創作」というシステムは個人的に優れてると思うこともあります。そもそも、他人のふんどしで相撲を取る以上、なんでもありですから。
たとえば、某国民的アニメのキャラを使ったパロディ(「サザエSS」とか「ちびまる子SS」とかでググってください)は狂気・マジキチ系ばかりですし、一方で関西オレンジの「よつばと本」や蛸壺屋の「けいおん本」なども人間の暗黒面を原作風の絵柄で描き出した、暗く重い鬱展開が目立ちます。
いずれも本家本元の「日常系」と呼ばれる「誰も傷つかない平和な世界観」とは全くもって対照的で、ぼくはこうした「天と地ほどギャップがある作品」によく惹かれてしまいます。もちろん、肉体ある人間であれば〈光〉と〈闇〉の部分は誰にでもあるので、どちらもパラレルワールドとして成立しますし、結果として〈光〉と〈闇〉を描き出すことに成功していますから。
要するに「大人気作品の絵柄やキャラクターをパクった上で、作家独自の世界観(ポルノでも何でも良いんだけど)を展開する」というのは、みんな大好きなゴッコ遊びなんですよね(笑)。昔、学校で休み時間に絵心ある男子がそういうイラストなどをノートに描いていたのを見たことがある人なら尚更わかるかと思います。もっとも、こうした「ギャップ」を楽しむ行為は、他人の作った世界を蹂躙するようで、あまり褒められたものではないのかもしれません(そもそも、この手の同人誌はコミティアにありません)。
しかし、こうした「漫画で遊ぶ」という行為こそ、パロディの源泉であり、おたく文化とコミケ隆盛の本質でもあるわけで、さらに言い換えれば、これは好き者同士の「コミュニケーションツール」でもあったのだと思います。
(今から40年前、吾妻ひでおは『やけくそ天使』の最終回において、少年誌連載作『ちびママちゃん』『チョッキン』をセルフパロディでポルノ化してしまいました。そしてこれは「児童向作品をパロディ感覚でポルノにできる」ことを明言した非常にエポックなシーンであると個人的に思ってます)
閑話休題。ではどんどん紹介して参りましょう。
ほんわかぱーてぃー(ふあ)
上の2冊は同一著者のもので、前者が2020年、後者が2016年の作品です。現在の絵柄は少ない線でかわいさが濃縮されており、非常に洗練されてます。
で、ぼくは、かわいくてポップなものに目がないので、一目見たときに心惹かれて購入しました。著者はまだ20代の女性で、noteの仕事遍歴によると、社会人をたった3ヶ月でやめてからフリーターなどを経て、自分の好きなこと(画業)を仕事にして、旦那様とゆるゆると生きているとのこと。ぼくも基本的に社会不適合者なので、著者のような生活に憧れている節がある。
陰ながら今後の活動を応援しております。
徒労社
無頼の同人まんが家・光物野晃太氏のオリジナル創作作品を販売している個人サークルです。頒布価格は500円でした。
徒労社は前々から気になっていたサークルなのですが、カタログを見落としていたようで、ブース前を通過して「あの徒労社がァ!」と2度見しました。
作風としては70年代の正当なひばり系ホラー(他いろいろ)を意識しているとのことですが、作品によっては精神世界をループするような描写も目立ちます。たとえば「ジャンキーのドラッグ中毒」とか「風邪を引いた時に見る悪夢」といった比喩表現がしっくりきますね。不明瞭で虚無的な世界を得体の知れない狂気がスパッと切り裂く、それでいて理性的な作風は、山野一の鬼畜漫画『混沌大陸パンゲア』『夢の島で逢いましょう』(青林堂)の再来かと見まごうものでした。
もはや「流行に逆らった」というような次元ではなく、このようなテイストの作品を令和にやる人がいることが、個人的にショックでしたね。絵柄はクセが無く没個性的(非商業的)ですが、ゆえに生気を感じさせません。静かで乾いた狂気が常に漂ってます。ガロ系好きな人は必見でしょう。それでいて読者全員を満足させる良質なエンターテインメントに仕上がっています。
上記の「売上ワースト記録更新はなんとか免れた」というツイートは、ぼくがその場で4冊買ったからです。お礼にとアラレ煎餅を頂きましたが、一瞬避妊具か何かと勘違いしたのは、きっと僕の心が汚れきっているからです。
青木俊直『DISTANCE BETWEEN』
お次は青木俊直先生の『DISTANCE BETWEEN』。百合カップルがコロナ禍の影響でめったに会えなくなった為、オンライン飲み会をする話ですが、お互いオンラインはもの足りない様子……。
とにかく、他愛のない会話の描写が事細かく丁寧に描かれており、「何気ない日常を、想い人と一緒に送れることが、どんなに素晴らしく、満ち足りているのか」ということがひしひしと伝わってきます。もし、コロナ禍をテーマにしたアンソロジーコミックが出れば、ぜひ入れて頂きたい一編ですね。
さて、ぼくが青木先生を知ったのはNHK連続テレビ小説の『あまちゃん』の「あま絵」(ファンアート)でした。
青木先生の絵柄は、清潔感と透明感、そして可憐さにあふれ、所謂「萌えフォビア」を寄せ付けない「無敵の絵柄」です。ぼくは青木先生の絵柄が大好きで、アニメ映画『きみの声をとどけたい』やテレビアニメ『ひそねとまそたん』のキャラクター原案など、面目躍如の大活躍を陰ながら見届けておりました。なお、今回の同人誌には、官能的な描写もありますが、いやらしさのかけらもなく、大変素晴らしい健全な大人向け作品に仕上がっています。
ちなみに同人誌に収録された内の一編は、以下から読むことが出来ます。
まのすた『女子小学生日記』
お次は「まのすた」というサークルが出している『女子小学生日記シリーズ』(2013年~継続中)。40歳無職のおっさんが前世の記憶を保ったまま女子小学生に転生するという設定の作品。
こうした「幼女転生もの」に関しては、冴えない人生を送っている「妖精」の男性が、イキナリ的に事故死して転生、新しい人生を謳歌する「なろう系(チート転生もの)」の影響もあってか、2010年代から続々と漫画界に現れるようになりました。たとえば、牛乳のみお氏の『女子小学生はじめましたP!』(2012年)、村田椰融氏の『妻、小学生になる。』(※転生ものだが性別は変わらず/2018年)、アメノ氏の『ヤクザの大親分が幼女に生まれ変わった話』(2019年)などが有名だと思います。しかし、創作系同人誌にも、この手の作品があったとは知らなんだ…。
で、まあ、この作品の転生ちゃんは、吾妻ひでおの『やけくそ天使』(秋田文庫)に出てくる「阿素湖素子ねえさん」のように貞操観念が皆無で、好き勝手、能天気にやってます。見ての通り、絵柄はヘタウマで、内容もおバカなエロギャグ、ゆえにこれといったメッセージ性もなく、言ってみれば「アブノーマル(へんたい)な日常系」みたいな感じ。一見、牧歌的な作風だけど、かなり見る人をえらぶ作品なので、一部の好事家におすすめします。
暗黒拠点月『ロリコンブームの跡を追って』
暗黒拠点月は降間氏主宰の評論同人サークル。最新刊に、日本初の男性向けエロ同人誌『シベール』(1979年~81年)を考察した研究本『ロリコンブームの跡を追って』がある(コミティア134では「追補①」も頒布された)。
何を隠そう、Wikipediaの『シベール_(同人誌)』の項を作成・執筆したのは、このぼくだ。この本には僕の名前も出てくるが、2020年当時『シベール』を表立って研究してたのは僕と降間さんしかいなかったのだから仕方がない。
ちなみに「ロリコンブーム」とは1980~84年頃に盛り上がったムーブメントで、字面こそ危なく見えるが、実際のところは「アニメ的な美少女キャラクターに萌えること」を肯定的に捉えた表現運動だったといえる(この風潮は89年の宮崎勤事件以降、一転してネガティブに取り扱われることになる)。
それまで(70年代)のエロマンガは「三流劇画」と呼ばれ、これをかいつまんで説明すると「リアリズムな人物描写にエログロ満載」という代物であった。当然、これは手塚を系譜とする丸っこい絵柄で育ってきた若い世代には到底受け入れられないもので、語弊を恐れず言えば、それまでのエロマンガは誰の目から見ても「きたないエロ」だったのだ。しかし、このブームのおかげで「かわいいエロ」が巷に氾濫することになる(現在の「萌え文化」もルーツを辿れば同ブームが端緒となっている)。今では完全に忘れられているが、萌え系カルチャーは「男性向け少女漫画」として始まったのですヨ。
(開場直後の降間さんは蛭児神建風…つまるところ不審者風の格好をしていたそうだが、コロナ禍の同人誌即売会だと、あの蛭児神建の異装がよもやフツーに見えてくる。…ようやく時代が蛭児神建に追いついたのだろうか?)
夏たろ『メンヘラてゃんの一人暮らし』
メンヘラもの。ほぼストーリーなし。1分あれば読めます。
漫画の手帖事務局『漫画の手帖』
35年以上続く老舗ミニコミ誌『漫画の手帖』は評論、コミック、アニメーション、エッセイ等を中心とする文芸誌です。流行に左右されず、創刊以来の雰囲気を保った雑誌で、7~80年代のコミケで活躍された執筆者も多い。
目当ては、蛭児神建(元)の吾妻ひでお追悼文。しかし、当該号は置いてありませんでした。バックナンバーは神保町のくだん書房様で取り扱っているので、近いうちにそちらに向かう予定。
企業ブース『マンガ論争』
企業ブース『マンガ論争』では、美少女コミック研究家の稀見理都さんのご厚意で、漫画評論家の永山薫さんを紹介していただき、貴重なお話(メディアマンの高杉弾さんとは自販機本時代からの知り合いで『Jam』末期に原稿を寄稿したとか)を伺うことが出来ました。個人的に「白夜書房(当時)の話は言えないことが多すぎる」と、仰られていたのが印象に残っています。
一方で、ぼくは当時の永山さんが大活躍されていた伝説のスーパーへんたいマガジン『Billy』(白夜書房/85年廃刊)についての話をしました。なんでかっていうと、同誌の実質編集長だった小林小太郎氏が今どこで何をしているのか、個人的に知ってることもあり、それにまつわる情報を共有しておきたかったからです。永山さん曰く、小林さんにとって『Billy』は色々と悔いが残る仕事だったようで、小林さんが90年代になってから『TOO NEGTIVE』というモンド雑誌を立ち上げたのも、必然的な流れだったといえそうです。
見きれなかったサークル
あらごん(かわいい眼鏡さん)
ネコ通信社(五藤加純+中森愛)
保田塾(メンヘラの限界と伸長に関する考察)
あとがき
(15:30から西1アトリウム側トイレ付近で撤収作業のレクチャーが行われ、16:00に無事閉会の運びとなった)
2020年は個人的にも世界的にも、激動の1年でしたが、人との出会いに恵まれ、充実した1年となりました。もっとも、コロナ禍で入社が2ヶ月延期になったり、身近な同期が適応障害で3人も異動・退職したり、働けば働くほど貧乏(全財産が50円とか)になったりしましたが、ようやく仕事が面白いと思えるようになり、なんだかんだ東京生活を満喫しております。生まれて初めてコミティアにも行けたしね。
しかし、本日2度目となる緊急事態宣言がついに発令されました(この「あとがき」は日比谷線の満員電車に揺られながら2021年1月8日に書いています)。1月7日の都内感染者数は過去最多の2447人。ほぼ毎日のように最多記録を更新しています。どうなる日本、どうなる世界、どうなる大統領選、どうなるコミティア136。日々めまぐるしく移ろいゆく世界に、ぼくは完全にトリコじかけの明け暮れです。(了)
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