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大海明日香
2021年5月31日 20:57
踏切のあぶないですよの音までがしんでしまえに聞こえる朝は 狂わないことと狂ってしまえないこと最寄り駅ホームの清潔 スイミングスクール通えばよかったな息もつけない人の波、波 夕焼けがやけに赤くてきれいだしぼくたちもっと軽率でいい あの川へスマホを投げてやわらかに行方知れずになってしまえば 歯を磨き白いベッドに横たわり電気を落としてころした羽虫 おだやか
2021年5月27日 20:28
化粧水飲んじゃいたいな子宮まで乾燥してる(ような気がする) 花ひとつない家だけどブラジャーの薔薇が咲くから今日はしとやか即席の愛をふりまく彼のよに名のないクマのほこりを払う お皿にはうつしてやらないバターケーキ落としたかけらがいつかなる星くたびれたこころにだけはやさしくて身体に悪いネオ・丁寧な暮らし ねじのゆるんだ眼鏡を拭うところからはじまる生活、の、堕落を軽蔑す
2021年5月19日 22:38
ベーコンのうえに割ったたまごがふたごだった、 わぁ、ふたご!って思わず声に出しちゃったけど、いままでのわたしだったらたぶん、写真を撮ったりはしなかった、すぐにスマートフォンをとりにリビングへ走って、食べ物を撮るのにぴったりのアプリをひらく、こいびとに写真をおくるためだった、わたしがすきなのは結局いとしいひとたちであって、美しい景色ではないのだとおもう、美しいわたしではないのだとおもう、だれ
2021年5月15日 20:37
ねぇグレイ 君が怖がってたお化けはもうここにはいないのにどうしてそんな悲しそうで 苦しそうであぁグレイ その名で僕を呼ばないでお化けがまた君に残していく消えない呪い 僕だけが君の中で 色のない化け物ねぇグレイ 僕を連れてってよお化けはもうどこにもいないことどうしてこんな憎らしくて 恐ろしくてあぁグレイ その名が君を縛るのかお化けがまた遠くあざ笑う見えない呪い 僕だけがこ
2021年5月13日 23:17
折り紙でつくった赤色のわっかに指をゆっくりとおす、こころとあたまが別にあるって、どうやったら証明できるかわからない、こころとあたま、約束は、ケイヤクは、どっちで交わすんだろうね。わからないまま薬指のいちばんおくまでとおしたわっか、かんたんに破れてしまうものにしか守る価値を見出だせない、だからわたしも破れやすくいるのだ、と、言い訳をする。もう一枚、引っ張り出した折り紙、丁寧に丁寧にたたんでも、
2021年5月7日 22:51
友達とセックスしたらしい好きだったバンドのだれか、ベースが今日もちょうどよく、ちょうど、ちょうどうつくしいくらいにひずんでいる。孔雀の羽、わたしたちのために綺麗ではないくせにって時折妬ましくなって、数枚、引き千切ってアクセサリーにしてやりたくなる。謝罪まで連なったネックレスとか。 君だってわたしのために美しいわけなんかないのに、わたしは君だけのために無い羽根をいっしょうけんめいひろげよ
2021年5月1日 23:00
五月病ってわたしかかったことありますか、って、聞きたいけど主治医とかいない、通うならキリンの先生のところがいい、たぶんゆっくりやさしく話してくれるだろう。ながい首をぐうっとまるめて、できるだけ目線を合わせてくれて、小さなめがねをかけている、キリンの先生。看護婦のミーアキャットは無愛想だけどめんどうみが良くって、わたしは小さな待合室のみどりのソファに座って、おなじ病のペンギンとひそひそ天気のはな