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焼酎1杯から学ぶ商売の本質
↑第1話はこちらから!
↑前回の話はこちらから! 僕は「東京生まれ東京育ち」「低学歴」「鬱病経験者」の三重苦を背負った男です!そんな僕が「長野県移住」「民泊開業」「法人設立」を果たした、不思議な物語をお届けします。
1. アルバイトも本気でやれば楽しい
皆さんは時給で働くアルバイトをしたことがありますか? 周りの環境が良かったこともあり、勉強より、部活より、アルバイトが楽しいタイプの人間でした。なのでアルバイト中も好きなことをしているだけの状態です。時給いくらもらえるかではなく、今日どんな仕事ができるのか、どれだけ楽しく仕事ができるかしか考えていません。そうすると、おのずと暇な時間が退屈で、「なにかやることはないか?」「仕込みを手伝えないか?」「掃除しようか?」そんなふうに考えて働くことが癖になります。だって、好きなことをしているだけなのだから。
今回お話ししたいのは、「元焼酎Bar」の居酒屋で働いていたときのこと。料理も酒も、ここほどおいしい店には出会ったことがない。そんな最高のお店でした。元焼酎Barということもあり、カウンターの目の前にはずらっと焼酎の一升瓶が並んでいます。僕はこのお店で焼酎を学び、大好きになりました。でも、初めて来たお客さんからしたら、初めて見る焼酎を頼むのって勇気がいる行動ですよね。特に焼酎になじみのない方なら当然です。そんな焼酎に興味のない人や、どこにでもある「黒霧島」や「三岳」を頼む焼酎ライト層のお客様に、季節限定や50円~100円ほど単価の高い焼酎を売り込んでみたときのお話です。のちに、この行動が営業なのだと気づきますが、このときは「楽しいから」「勧めたものを買ってくれたらうれしいから」という理由でやっていました。この行動が売上につながる。この行動が僕の価値につながる。「すごいやん俺。」そう思えたからやっていました。
ぜひ皆さんも自分に置き換えて考えてみてください。
2. 50円高い焼酎の売り方
まずは「焼酎ライト層」の人に50円高い焼酎を売る方法を書きます。
皆さんは日々、比較と消費を無限に繰り返しています。食事も、移動も、居住も、全部あなたが選んでお金を払っています。その日々の中で、いつもよりちょっと高いものを買いたいときってどんなときでしょうか?疲れているときや、記念日や、友人と集まるときは「いつもより高いものを買ってもいいか」と思うのではないでしょうか?総じて言えることは、「特別なタイミング」では特別な体験をしたくなる、ということです。
今回における「特別なタイミング」=「おいしい居酒屋に飲みに来ていること」と言えるでしょう。そんな中で、僕たちが提供できる特別な体験とは何なのか。そこを考えてみてください。僕が楽しむ中で見出したのが、「ここにしかない焼酎を提供すること」です。
つまり、「今日はおいしいご飯を食べに来ているのだから、ここにしかないお酒を飲もう!」と思っていただくことが僕のやるべきことなのです。
まずは何を売っているのか、何を売りたいのか勉強する必要があります。自分で飲んで、店長に聞いて、お客さんに聞いて、言われたことをそのまま話せばいいだけです。追加で質問されたらまた聞いて覚えて、また話す。これを繰り返すと、お客さんが何を求めているのか、何を判断材料にしているのかがわかってくるはずです。その質問を聞けば、本当にどこにでもある安い酒を飲みたいわけではないことに気がつきます。
本当は「焼酎の違い」がわからないから頼めないだけなんです。
初めてのことって、誰かに教えてもらえないと怖いですよね……
3. 他との違いを伝えることが営業になる
焼酎には「芋」「麦」「米」「黒糖」などの種類があります。さらにその「芋」の中にもたくさんの種類があるのです。それはもう、たくさん。だけど、メニューには名前しか載っていなかったり、説明が書いてあっても「んー、わからないな…」と二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。
そこで、商品の違いを学んだうえで、お客様にお伝えします。
僕の場合、焼酎自体が初めての方には
「芋」「麦」の二種類なら、「麦」のほうが癖がなく、すっきり飲みやすいのでおすすめです。
芋・麦両方飲んだことがある方には
「芋」は、芋臭い昔ながらのものと、香りが華やかで女性にも人気があるものがあります。「麦」は、癖がなくすっきり飲みやすいものと、パンを食べているのかと思うほど麦の香りが強いものがあります。
とお聞きしていました。これだけ選択肢を用意してあげると、初めての人でも挑戦しやすいですよね。
4. あなたの営業で作った売上はあなたの価値
時給で働いてる人は正直さぼったもん勝ちです。あなたの価値をお金で測った場合は。僕は自分の価値を時給なんかで縛られたくないです。でも時給制度は変える事が出来ません。そこで考えたのが、誰よりもお店に貢献する事です。そこに僕は自分の価値を見出しました。自分の営業で作った1杯、差額50円の売上。小さな積み重ねのように見えますが、その売上が時給で決められたお金以外のあなた価値です。
この自分の価値に気が付き、それを店長に褒めてもらったことや、常連さんに褒めてもらった時が僕の商売にハマる瞬間でした。自分が好き好んでやっていた事がお店にとっては利益になっていて、好き好んでお勧めしていたことがお客様から感謝されて、バイトリーダーになってみたりしてました。その役職や昇給が自分の価値を確固たるものにしてくれました。
「自分の力で物を売った。」そう思えた瞬間にアルバイトですらすっごく楽しくなると思います。だってあなたがいないと出なかった利益ですよ?そんなの面白すぎません?
5. 1杯の焼酎が教えてくれること
今回は僕が楽しくて始めていた話です。 でもこれは楽しくないと思っていることの方が効果があります。例えば今の僕は経費や売上の登録、それをもとに月次決算書を作っています。楽しいのはお客様対応なのに…そう思いながら数字とにらめっこしている事は楽しくはないです。ですが、決算書を提出すると喜ぶ人がいるんです。ありがとうございます!と言ってくる人がいるんです…そのためにやるんです…
そうするとそのためにやるかー、がんばろ!と思えるわけですねぇ、馬鹿なのかもしれませんね笑。それでも喜んでもらうためにする仕事はなんでも楽しくなってくれるんです。これはどんな仕事にも応用が利きます。自分に置き換えて考えれば毎日の仕事が楽しく変わるかも?
それが焼酎の売り方だとしても。
次が見たいよ!面白いぞ! と思っていただけましたら、ぜひ「スキ」をお願いします!
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