天部の仏像事典 (東京美術選書 (35))
仏像の中でも、天部【てんぶ】と呼ばれる種類の仏像について、解説した本です。
毘沙門天【びしゃもんてん】や、弁才天のように、「○○天」と名が付く神々が、たくさん載っています。阿修羅【あしゅら】や、迦楼羅【かるら】のように、「天」が付かない名の神々も、載っています。
要するに、仏教の中に登場する神々の事典です。仏教を信奉している(とされている)神々ですね。
これらの神々は、もとは、多くが、バラモン教の神々でした。バラモン教とは、仏教以前に、インド周辺で栄えた宗教です。
生まれたての仏教からすれば、バラモン教は、敵対する宗教でした。敵の中から有力な神さまを引き抜いて、味方にしてしまったわけです。
だいぶ以前に出た本ですが、内容は、古びていません。
日本語で、普通に読める文献としては、最も詳しい天部の事典といえます。
仏教、仏像に興味がある方に、本書を強くお勧めします。
特に、「おおぜいの仏さまや神さまが出てくる密教って、格好いい!」と思う方、あなたにこそ、お勧めです(^^)
天部は、密教の中に、たくさん現われるからです。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
一部に、機種依存文字があります。御覧になるPCの環境によっては、字化けしているかも知れません。御容赦下さい。
天とは
天の構成
天の形像
現世利益の神
天部各尊
1 梵釈【ぼんしゃく】
梵天【ぼんてん】(大梵天【だいぼんてん】)
帝釈天【たいしゃくてん】
2 八部衆【はちぶしゅう】(天龍八部)
天
龍
夜叉【やしゃ】
乾闥婆【けんだつば】(栴檀【せんだん】乾闥婆)
阿修羅【あしゅら】
迦楼羅【かるら】
緊那羅【きんなら】 (付)鳩槃荼【くばんだ】
摩睺羅伽【まごらか】
3 神将形【しんしょうぎょう】
金剛力士【こんごうりきし】(仁王【におう】・執金剛神【しゅこんごうしん】・密迹金剛【みっせきこんごう】)
四天王
毘沙門天(多聞天【たもんてん】)
兜跋毘沙門天【とばつびしゃもんてん】
散脂大将【さんしたいしょう】
韋駄天【いだてん】
十二神将【じゅうにじんしょう】
十六善神
二十八部衆
4 女天【にょてん】
吉祥天【きちじょうてん】
吉祥悔過会【きちじょうけかえ】 (付)宝蔵天女【ほうぞうてんにょ】
弁才天
伎芸天【ぎげいてん】
訶梨帝母【かりていも】(鬼子母神【きしもじん】)
(付)氷掲羅天【ひょうぎゃらてん】
蘘虞梨童女【じょうぐりどうにょ】
摩利支天【まりしてん】
5 十二天
火天【かてん】
焰摩天【えんまてん】
(付)焰摩天眷属【えんまてんけんぞく】 焰摩后【えんまこう】
太山府君【たいざんふくん】 司命【しみょう】・司録【しろく】
五道大神【ごどうだいじん】 遮文荼【しゃもんだ】
成就持明仙【じょうじゅじみょうせん】 七母天【しちもてん】
荼吉尼天【だきにてん】
羅刹天【らせつてん】
水天【すいてん】
風天【ふうてん】
伊舎那天【いしゃなてん】
地天【じてん】(堅牢地神【けんろうじしん】)
日天【にってん】
月天【がってん】
6 その他
大黒天 (付)七福神
歓喜天【かんぎてん】(聖天【しょうでん】)
大自在天【だいじざいてん】(摩醯首羅天【まけいしゅらてん】)
深沙大将【じんじゃたいしょう】
鳩摩羅天【くまらてん】
那羅延天【ならえんてん】
迦陵頻伽【かりょうびんが】
7 天文神【てんもんしん】
北斗曼荼羅【ほくとまんだら】(星曼荼羅【ほしまんだら】)
北斗星
妙見菩薩【みょうけんぼさつ】
七曜【しちよう】・九曜【くよう】
十二宮【じゅうにきゅう】
二十八宿【にじゅうはっしゅく】
8 両界【りょうかい】曼荼羅【まんだら】外院【げいん】諸天【しょてん】
胎蔵界【たいぞうかい】最外院【さいげいん】諸天
金剛界【こんごうかい】外金剛部院【げこんごうぶいん】諸天
あとがき
参考文献
索引