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アマゾン源流「食」の冒険 (平凡社新書 425)
著者の高野潤さんは、三十年以上にわたって、アマゾン川流域を歩き回ってきた方です。普通の人では、なかなかできない体験を、いっぱいしている方ですね。
その貴重な体験のうち、「食」にまつわることばかりを集めて書かれたのが、本書です。
類書は、ほとんどありません。アマゾン川の流域で、人々は、何を食べて生きているのかが、わかります。
登場するのは、シンプルな料理が多いです。
でも、どれも、美味しそうです(^^)
鮮明な料理の写真が、たくさん載っています。著者の高野さんは、本業が写真家ですから。
読んでいるうちに、「食」とは、人間にとって、根源的な行為であることが、改めて、認識できます。
現代日本の都市部に住んでいると、忘れがちなことですね。
普通の日本人にとって、アマゾンの源流部を歩き回るなどという体験は、したくても、できないでしょう。
本書を読めば、ちょっぴり、「アマゾン探検」の気分を、味わうことができます(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
第一章 ユカとバナナはアマゾンの主食
森にあらわれた一軒家/カサベのパンと小魚の蒸し焼き/
カサベづくりの道具と絶品ソース/粒状食品ファリーニャ/
ファリーニャと小麦粉でパンをつくる/エンギリとチャポ
第二章 森や川から獲た食べ物
イメージできなかった生活/サルとカメを食べる/
弓矢で獲た魚ボカチコ/
クチジロペッカリーの燻製【くんせい】とシギダチョウ/
極小の子ガメ・チャラピータ/ プエルト・マルドナドから/
卵さがしのチャラペーロ/食料不足とピラニア/
撃たれたパカ
第三章 旅の食料を模索する
生きたニワトリを運ぶ/襲われた雄鶏/豚の視線と寝姿/
計画の見直しと買出し/ 欠かせない砂糖と塩
第四章 川と湖の魚を味わう
釣りをはじめたころ/大魚釣りの秘伝/豊富な川魚の種類/
どの魚がおいしいか/ 危険な淡水魚/川の中のハゲタカ魚/
巨大魚パイチェ/湖の漁師たち/
武器を備えた魚/ピラニアづくしの夕食
第五章 蒸し焼きと保存食づくり
魚のパチャマンカ/手づくり窯の応用/トウガラシの酢漬けと粉末/
魚の燻製づくり/天日でつくる干物/ユカやプラタノをいぶす/
昆虫と山菜、貝/ アマゾンの筍【たけのこ】とナッツ
第六章 旅の酒と飲み物
唾液による酒づくり/エネルギー源とタンク腹/
森や川に合うラム酒のコーヒー割り/ヤシ果実の天然酒/
すばらしい熱帯ジュース/蜜蜂がつくる天然チッチャ
第七章 熱風の「アンビエンテ」
女性ゲリラと村の食堂/夜中の砂州で飲む/一人の女とヨロイナマズ/
グラティス(無料)の糧と物資/雄牛と旅した川の難所/
牛と断末魔の叫び
第八章 レストランと市場の食
熱帯の定番料理/水上都市の移動食堂/豊かなイキトスの市場/
専門店の現地料理メニュー/さまざまな形の果実/すばらしい味の果実/
ジュース用としての果実/薬効があるのかないのか
おわりに