オープンマインド

東京都渋谷区で心理療法や企業研修を中心とした事業「オープンマインド」を運営。バイリンガルや外国人のクライアントが多いです。合わせて11年住んだニューヨークでは大学院で心理学(修士・博士号保有)を学び、現在も国際的なネットワークとつながって学会発表などをしています。公認心理師。

オープンマインド

東京都渋谷区で心理療法や企業研修を中心とした事業「オープンマインド」を運営。バイリンガルや外国人のクライアントが多いです。合わせて11年住んだニューヨークでは大学院で心理学(修士・博士号保有)を学び、現在も国際的なネットワークとつながって学会発表などをしています。公認心理師。

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性格や能力と仕事(や立場)の不一致~アンダーアチーバーとカウンセリング

アメリカで心理学のPhDを取得し、東京都内で心理カウンセリング・心理療法を中心とした事業を主宰しております、オープンマインドです。今日は「アンダーアチーバー underachiever」についてですが、この言葉を聞いたことがあるでしょうか? アンダーアチーバーとは、知力や能力が十分にあるのに、それが仕事や学力などで発揮されていない状態を指します。心理学の研究、特に教育心理学では知能(IIQ)と到達度(成績など)を測ったとき、その間に差がある状態を指しますが、現実的には特に大

    • 埼玉大学での「愛で家族に」上映会に行ってきました

      少し前(11月初旬)になりますが、埼玉大学で行われた「愛で家族に」上映会&トークに行ってきました。 この映画は、台湾で同性婚が合法化されるまでの過程を、4組のカップルの日常生活なども織り交ぜつつ追ったドキュメンタリーです。同性カップルというと、なんらかのイメージがあるかもしれませんが、年齢やジェンダー、生活の状況なども異なるカップルたちの、リアルな日常が描かれていました。 日本では、まだまだ理解が十分に進んでいない面もあるかと思うのですが、いわゆる男女二分・異性愛でないジェ

      • 介護は大変だな、と思った件

        どうやら学校で流行っているらしく、今週は子どもがマイコプラズマ感染でダウンしています。 そのため、割と家で(できる限りは)仕事をしたりとフレキシブルにしていますが、そもそも割とエネルギーがあって外で仕事したい、というような時期にこれはストレスを感じます。が、ふつうのものが食べられない状態(だった)なので、仕方ない面もあります。 世の中の、もっと小さい子どもをしかも複数名抱えている親御さんは大変だな~などと思いますが、さらに大変そうなのは介護です。 というのも、よく言われてい

        • 博士課程を出て、なにをしているの? いろいろなキャリアパスの話

          「スキ」がつくことが多いので、ついついキャリアや大学院の話をここでしてしまっています。 アメリカで博士号(PhD)を得た私ですが、博士号をもらってなにができるの? と思う人は多いでしょう。年月や学費をかけるのですから、無理もない話です(究極は人生、損得などよりは情熱や直感、気持ちに従った方がいいと思っていますが、生活していく必要があるというのも現実ではあります)。典型的にみなさん、研究者になって大学教員になるという道を考えるのではないかと思います。 私もそれを考えていなくはな

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        性格や能力と仕事(や立場)の不一致~アンダーアチーバーとカウンセリング

          アイデンティティの変化と職業選択について

          アイデンティティというのは、ぱっと見よりも複雑な現象です。特に国や文化を超えて暮らしたり、仕事をしたりということが増えてきている昨今ではなおさらそうで、「ずっと同じである」というようには考えにくくなってします。 以前であれば、性役割というのがもっとハッキリしていて、男性は外で働き稼ぐ、女性は家で家事や子育てをするというように二分されていました。いまだそうした傾向をひきずってさえいる日本ではありますが、そのような単純な二分化は不適切でさえあります。ジェンダーであれ職業であれ、そ

          アイデンティティの変化と職業選択について

          研修をやっていて気づいた、大学院の授業で得た応用力

          大学院での学習はどのようにプラスとなるのでしょうか? 理系の場合、修士くらいまで行くのは専門性を確立するため、また就職のためにある程度必要と見なされているかもしれませんが、文系の場合にはどのようなメリットがあるのかと、迷うこともあるでしょう。 先に進む前に、この「文系・理系」というのに問題を感じている一人として書いておきます(別記事が必要かもしれませんが)。今の時代、文理を明確に分けるのはナンセンスであり、実際、分野によっては両方をまたいでいる場合もあります。心理学など、文系

          研修をやっていて気づいた、大学院の授業で得た応用力

          バレエマンガを比較してみた! then(あの頃) & now(今)

          noteで、できるだけトピックの範囲を絞りたいとは思っているのですが、本質的に引き出しが多いため、いろいろ違ったトピックを挙げてしまうのをお許しください。 さて、子どものとき習わせてもらえなかったバレエを大学生で始めたという執念深い(?)私ですが、そんなこんなで、バレエマンガなるものも読んできました(全部ではないですが)。古いところでは山岸涼子さん『アラベスク』、最近では読んでいないのですがCuvieさん『絢爛たるグランドセーヌ』などがあります。古今東西、バレエは(主に)少女

          バレエマンガを比較してみた! then(あの頃) & now(今)

          コロナ禍を経て、文化祭がよみがえった

          この週末、子どもの学校(中高一貫校)で文化祭がありました。中学に入った当初はどうかな~と思ったのですが、振り返るとあらためてコロナ禍というのが学校生活に暗い影を落としていたことが分かってきた気がします。 2020年はオンライン開催、2021年は制限付きでの対面開催、2022年は通常の対面開催と来て今年(2024年)でした。そのせいか、とても文化祭らしくはっちゃけていて良かったように思います。お客さんも、両日見た訳ではないですが、大勢来ていたようです。 オンラインではこうしたイ

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          海外の学会で発表するにはどうしたらいい?

          前の記事にちょっと書きましたが、数日前にタイはバンコクで行われたジェンダー&セクシュアリティの学会(TIIKMという組織の運営による学会)に出ていました。海外の学会発表というとハードルが高い、と思う場合もあるかと思うので、ここではどうやったら海外の学会に出られるのか(発表できるのか)? について書いてみたいと思います。 結論から言えばとても簡単です。①インターネットなどで自分が出たい海外の学会を見つける。②プレゼンしたいのであれば、期日までにプロポーザルを提出する。③受諾され

          海外の学会で発表するにはどうしたらいい?

          微笑みの国・タイで感謝の練習の機会をもらった?

          ジェンダー&セクシュアリティの学会に出席・発表するためにタイはバンコクに行ってきました。アメリカに長いこと住んでいたということもあり、実は行ったことがあるのは欧米が多く、アジア方面に旅行したことはほとんどなく(30年ほど前のスリランカが例外)、東南アジアはまったくはじめてでした。そのため、学会の内容や体験もですが、なんだかカルチャーショックの方が大きく、今回はそれについて書きたいかと思います。noteで、すでにタイについて書いておられる方も多くいるのではないかと思いますが、は

          微笑みの国・タイで感謝の練習の機会をもらった?

          自分らしさの追求-オーセンティックな自分とは

          「自分」とはなんでしょうか。「自分」は、分かろうとして分かるものでしょうか。いわゆる「自分探し」について、懐疑的な人もいます。そんなことをしてなんになるのか、そんなことよりはやるべきことをやった方がいい、と主張する人もいます。 他方、世の中で、特に日本のような「自分らしさ」がチャレンジされにくい社会で、アイデンティティというものをしっかりと確立している人も稀と感じます。そのため、流されやすかったり、影響されやすかったり、環境の変化に弱かったりということにもなります。「確立され

          自分らしさの追求-オーセンティックな自分とは

          婚活、妊活はお金の問題ばかりではない―心理的側面の重要性

          少子化時代に、行政がやっていることはお金をばらまくことでなんとか結婚してもらおう、子どもを産んでもらおうということのように見えます。もちろん、その他のサポート体制も整えようとしているのでしょうが、あまり伝わってきません。 ずっと心理学に携わってきたものとして、常々思うのは、特に女性にとっての結婚や出産、子育てがもたらすものについて理解されていない、ということです。やはり女性にとって、これらは大きな変化をもたらすものですから、大なり小なり不安だとか、怖いとか思うのは自然なことで

          婚活、妊活はお金の問題ばかりではない―心理的側面の重要性

          「中断されない眠り」が良いという幻想

          不眠症や眠りに悩む人たちは多いと言われます。また、メンタルヘルス的にはたしかに眠りの問題(不眠症、入眠障害、中途覚醒等々)は、不安やうつと結びついていることが多いと言われます。実際、オープンマインドに相談に来られる中でも、不眠や十分に寝られない、という問題を訴える人は決して少なくはありません。 どうも世間は(日本だけでなく、世界的に)「中断されない、長い眠り」を良しとする風潮があるようで、これがエスカレートしているように見えます。健康自体に強いこだわりを示してしまう傾向もあり

          「中断されない眠り」が良いという幻想

          映画『クレオの夏休み』について

          前のブログ(アメブロ、完全に止めた訳ではないですが)では、ときどき観た映画について書いていました。あまりいっぱい映画を観る方ではないのですが、noteでも機会があれば書いていきたいと思います。 さて、今週(8月第1週)はヒューマントラストシネマ有楽町で上映中の、『クレオの夏休み』を観てきました。以前予告編を見て、なんとなくこれは観たいな~と思っていたものです。心理学的な観点から見て、いくつか気になったこともあったので、良かったら最後までお読みください。 (以下、ネタバレあり

          映画『クレオの夏休み』について

          リスキリングその2:なぜ大学(等)を卒業したままでは「いけない」のか?

          リスキリング的なこと、つまり学び直し、学びつづけること、生涯教育的なことを、言われなくてもやる人はどこにでも一定層います。それは、学ぶことが好きとか、好奇心が旺盛だといった層だと思います。今回、お上がリスキリングをプロモートしているのは、言われないとやらない層が大多数で、それだと労働市場や国として伸びていくことが難しい、と思っているからではないかと思います。 大学等を出て、そのスキルや学位で一生仕事をしていくことも不可能ではないでしょう。それはシンプルですし、それができるなら

          リスキリングその2:なぜ大学(等)を卒業したままでは「いけない」のか?

          博士号とは? 日本で冷遇されている博士たち

          いつも人のものを読んで刺激されている感じですが・・・(笑)今度は「博士号」についての記事を読んだので、書いています。 その記事によれば、友だちが博士号(PhD)を取って研究職で働いているけれど、300万円台くらいしか稼いでいないとのこと。実際、博士の平均年収は458万円だということです。(国税庁のデータということですが、私は国税に博士保有者と知られていないと思うので、私のように民間で起業している人などは抜けているのでは?と思われますが・・・) そもそも博士って?・・・という

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