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リスキリングその2:なぜ大学(等)を卒業したままでは「いけない」のか?

リスキリング的なこと、つまり学び直し、学びつづけること、生涯教育的なことを、言われなくてもやる人はどこにでも一定層います。それは、学ぶことが好きとか、好奇心が旺盛だといった層だと思います。今回、お上がリスキリングをプロモートしているのは、言われないとやらない層が大多数で、それだと労働市場や国として伸びていくことが難しい、と思っているからではないかと思います。
大学等を出て、そのスキルや学位で一生仕事をしていくことも不可能ではないでしょう。それはシンプルですし、それができるならそれでもいいとも言えます。リスキリングが必要となる理由の一つに、今日の世界は変化が激しく、以前だったら「一生モノ」だったようなスキルや知識、あるいは学位でも、あっという間に陳腐化してしまう、という事実があるからだと思います。
分野にもよるとは思いますが、私の分野(心理学)はそもそも生涯学習・継続学習を前提とした分野なので、みなさん学びつづけますし、そう言う意味での競争も激しいな~と近頃(開業10年目にして・・・)自覚するようになりました。具体的には、継続学習ポイントというのがあって、アメリカだと資格維持のためにこれを年間何ポイントと取っていかないといけないですし、日本では公認心理師にはないのですが、臨床心理士にはやはり年間のポイントが要求されています。
心理学・メンタルヘルスの世界も、コロナ禍中くらいからとてつもない勢いで変わってきています。(これについては別記事を書いています。)

ちょっと話が逸れましたが、世界や市場など外側の環境の変化のほかに、自分の側の変化というのもあります。生涯雇用が一般的だった昔に比べ、今は転職やキャリアチェンジも容易であり、現実的な世の中です。となると、学び直しも必然的に必要となってきます。仕事・職業面だけでなく、家庭生活においても、結婚したとか子どもができたとか、あるいは子どもの手が離れたなどの理由で(特に女性にとっては)、働き方ややりたいことが変わるというのは、自然にあることかと思います。
こうやって考えると、リスキリングというのはなにもやらなければならないことというよりは、必然的に起こってくるもの、変化に対応するための柔軟さ、のように考えられるのではないでしょうか。

ただし、前に大学院進学のことを書きましたが、やはり欧米に比べると日本ではまだまだ高スキル人材の中途採用が難しいのではないかということ、大学院卒(修士・博士)であっても、それに見合う収入が得られる(大学院での年数と労力をかけただけの「見返り」があるかどうか、と考えればですが)という保証がないことが多いこと、などを考えると躊躇してしまうのは分かる気がします。そうであっても、やりたいのならやっていいのでは? とは思いますが。日本も変わっていくことを期待します。

(写真は私が連休中の読書用に買ったものです。我ながら「おやじ」な趣味かもしれないと思いますが・・・仕事や職業、収入に直結することばかりでなく、広い意味での「リスキリング」であれば、自分の興味や好奇心の赴くままに学んだり、あるいは趣味や余暇などを充実させるのも良いかと思います。)

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