微笑みの国・タイで感謝の練習の機会をもらった?
ジェンダー&セクシュアリティの学会に出席・発表するためにタイはバンコクに行ってきました。アメリカに長いこと住んでいたということもあり、実は行ったことがあるのは欧米が多く、アジア方面に旅行したことはほとんどなく(30年ほど前のスリランカが例外)、東南アジアはまったくはじめてでした。そのため、学会の内容や体験もですが、なんだかカルチャーショックの方が大きく、今回はそれについて書きたいかと思います。noteで、すでにタイについて書いておられる方も多くいるのではないかと思いますが、はじめてでしたので初心者バージョンです。
タイ(バンコク)の学会に行ってもいいかなと思ったのは、東南アジア諸国の都市が最近かなり近代化され繁栄している、と聞いていたからです。クララルンプールなどもすごいと聞いています。この先も発展していくのでしょうが、今くらいのタイミングで(もうある意味遅いのかもしれませんが・・・)見ておいてもいいのかな、と思ったというのもありました。
もともと、文化(文化心理学)も専門の一部でもあるので、知らない文化であれば見てみたい、というのも根本的にあります。
また、タイは仏教国でもあり、なんだか親近感があります。タイの仏教は中国→韓国→日本と伝わったいわゆる大乗(北伝)仏教ではなく、南伝(上座部)仏教ということでしたが、これは行ったことのあるスリランカと同じです。事実、調べはじめて、また行ってみてお寺の数の多さにとてもびっくりしましたが、これはお寺の建立がいわゆる「寄進」「ご利益」的に働くから、ということのようでした。
タイでは男子はかならず一度は出家し、托鉢をして生活する厳しい修行を体験するとのことなので、社会全体にそういう価値観は浸透しているのかもしれません。一方女子は出家・修行ができません。それこそ男子を出家させたり、托鉢僧に施しを与えたリが貢献になるようです。ジェンダー面でも注目される要素が多いタイですが、こと仏教となると男女の境界ははっきり引かれているということになります。
この「緩い」と「厳しい」が同居している感じも、短い旅の間に感じたことの一つです。(主には、おそらくみなさん「緩い」と感じるのでしょうが・・・)
あとはタイに住んでいたことのある友人がいて情報が取れたり、というファクターもありました。
東京の自宅の近くにタイレストランがあり、いつも食事を終えて支払いをし出るときにタイのおばさんが手を合わせて「コップンカー」(ありがとうございます)としてくれるのです。そのたび、なんだか温かい気持ちになるのですが、この魔力を短いバンコク滞在で思い知ったというところです。とりあえずなにかしてもらう度に「コップンカー」(男性は語尾が「カー」でなく「クラップ」)と手を合わせると、なんだかこちらも有り難い気持ちになります。感謝するといいと日頃言われますが、なんだか感謝の練習をしにバンコクへ行ったような、そのような気持ちにもなりました。
ちょっと不便なのは両手が空いていないと手は合わせられない、ということです。そのため、片手だったり口だけだったりになったこともありましたが、観光客でもありそれくらいは多めに見てもらえるでしょう。
街中には多くの近代的ビルが立ち並び、タクシーで移動している間にもタワマンがいくつも建設中でした。合間合間にはもっと古い、背の低い建築物も並んでいます。とにかくぎっしり、スタイルの調和がないところが非常にアジア的と感じ、なんだか日本と似ているな、と思いました。通りなども一瞬日本なのでは、と思うような違和感のなさがありました。
回った区域のせいなのかもしれませんが、街全体が商店街のような感じ。小さな商店が軒を並べ、なんらかの商売をしています。お店のさらに前にも、路上で物を売る物売りを商品を広げていたりもします。かならずしもばんばん売れる訳ではないので、これで生活していけるのだろうか・・・という懸念は感じましたが。
BTS(高架鉄道)アソック駅直結のショッピングセンターにも帰国直前に行ってみましたが、欧米資本の「高い」ものを売っている店がある一方、日本で言えばポップアップのようなスペースでは、マーケット(市場)的なものの売り方もしていて、手作りのものや小規模事業者が営業しているようでした。
ウィークエンド・マーケットへ行きたかったのですが、お寺巡りをしているうちに時間切れになってしまい行けなかったのが残念でした。
この「混在」して雑然としている感じがタイの魅力なのかな~と思いましたが、なにせ現地滞在が正味3日間で自由時間が1日しかなかったので、なんとも言えません。また再訪したいと思うとともに、今後もタイがらみや今回の学会のことについて投稿していくかと思います。
(写真はタイ式マッサージで有名なワット・ポーを横手から見たところ。)
参考文献: 『地球の歩き方 バンコク(2024~2025年版)』(Gakken)
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