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東京装甲少女  EPISODE0 第29話    【 輪舞 】


初瀬龍臣を中心に周りに円を組むように   

4番隊から7番隊の隊長の5名が集まり、

先日の吹雪が、秋葉原で遭遇した出来事を纏めて

姉の響が皆に報告をしていた、、、、。

田結響
【という状況で、、、、現在の秋葉原は、
   大変危険です
、、、、。】



響から報告を受けた初瀬は、何も言葉を発さず右手の親指と人差し指を顎に当て何か考えている様子だった、、、、、。


沈黙が続き、痺れを切らした、
5番隊 隊長の大男、白根一海が憤慨して
吹雪に向かい会話の堰を切った。


白根一海
【 吹雪~!!
  子供が死んでたそうじゃねーか!?
  貴様!!幼子も守れないなんて何のための
        錬命新當流だ!!! 】

先日、秋葉原での1幕を演じた
7番隊 田結吹雪
は、
猪突猛進で憤慨してくる、いつも通りの
白根に対して呆れ顔でこう応えた。

田結吹雪
【 一海!!おめーは本当に図体ばかりデカくて
  頭が悪いんだな!! 
  あのな、俺が行った時には、奴さん達は
  もう、仏さまになってたんだよ。
  それをどうやって助けんだよこのバカが!!

誰がバカだ!!?と今にも、
吹雪に飛びかかりそうな勢いの
白根一海の前に立った姉の響は


田結響
【 ごめんごめ~ん!!
  私の説明が悪かったね!!一海ちゃん!! 
  吹雪がバリケードの先に行った時にはね
  皆、既に亡くなっていたのは本当なんだ!
  だからさ!許してあげて!!ねっ!】


と5番隊 隊長 大男の白根一海は、
自分の方に向かい懇願する姉の響を見て立ち止まり頬を赤く染めながら顔を合わせずこうつぶやいた。


白根一海
【 まあ、、、
  ひ、、響さんが言うなら
  では、しょうがない、、、ですね、、、。
  吹雪!!貴様命拾いしたな!!  】



と白根はフッ!! と鼻で嘲笑う様な顔で吹雪に
言い放った。

姉の響はそれを聞くと、にこりと爽やかな笑顔で、
白根の怒りを止めれたのに満足そうに微笑んだが、白根の淡い恋心気には無頓着な様子でもあった。


弟の吹雪は、そのやり取りを見て
ケッ!!またも、色ボケどもが阿保らしいと
舌を出してげんなりした表情を見せた。


何とか事態は治まるかなと思ったが、
普段は喋らない男が今日は口を珍しく挟んできた。



敷島千早  
【 で、、、、、結局の所、貴様は、強い相手と
  対峙して、その後、相手の正体も掴めず
  勝手に斥候の任を解き尻尾を巻いて
  逃げてきた
という事か?】  


吹雪は、
逃げただと!!!
と、敷島に詰め寄ろうと思ったが、隣にいた響が
不安そうに見つめているのでグッ!!と堪えた。


まあ、何よりこの中で1番の手練れである敷島に今挑んだ所で敵う訳もないので冷静に答えた。


田結吹雪
【 どうにもこうにも、お前らは、俺を無能
  呼ばわりしたいという様子だが
  悪かったな、一応それなりの
  情報は得てきたぜ、、、、、。】

と、いうと、吹雪は袖から、襤褸切れのような物を出した。


襤褸切れに描かれた模様



皆はそのボロ切れに注目した。

田結吹雪
【 こいつは、あのバケモンを切った時に、
  そこら辺に、飛び散ってたんで
  その後、拾いに行ったんだ。  
  響が、早く戻れ戻れ!ってうるさかったんで、
  周りを見渡すくらいしか出来なかったんだが、
  これと同じ模様が、その先のバリケードや
  焼けたロボの残骸やビル、地面の至る所に
  描かれてたぜ
、、、、、。】


敷島は呼応し



敷島千早
【 マーキング、、、、というところか? 】



田結吹雪
【 ああ、、、、、、そんなところだな!!
  ここは俺らの縄張りだ!!死にたくなけりゃ
  近づくな!!

  そんな感じだろうな、、、。
  そしてそれを知らずにバリケードを
  超えちまったやつらが
  あそこに転がってた仏さんて
  ところだ、、、、、。】


吹雪の持ってきた襤褸切れのような物を見た
初瀬龍臣は
沈黙を破りやっと話し出した、、、。



初瀬龍臣
【皆さんは、はソロエスタ教というのを
 知っていますか、、、??


一同は知らぬ様子だったが、敷島だけが口火を
切った

敷島千早
最近はやりの新興宗教だな、、、、。】


初瀬龍臣
【そうです。元は小さなカルト教団だったの
 ですが、教祖のカリスマ性やこの時世も
 後押ししてかなり信者を増やしているらしい。】


田結吹雪
【そいつらが、どうしたっていうんだ?】


初瀬龍臣
【色々、黒い噂があって、近い所で言うと
 現在我々や、それ以外の団体の主催する
 炊き出しが襲われたり、また、先日の
 地下鉄の件にもこの団体が関与
している
 らしいのです。】
 
 
白根一海
【なんだと】


田結吹雪
【だが、そいつらの目的は何だってんだ?
 宗教なら人を救うのが目的だろ?
 何故、困ってる人が来る炊き出しを
 わざわざ襲ったりすんだ?】


初瀬龍臣
【まあ、端的に言えば他宗教やその他の思想への
 排除攻撃の類という事らしいです。】

初瀬は続けて

初瀬龍臣
【皆さんは、以前に日本で地下鉄構内に
 劇薬を散布した過激なカルト教団

 あったのは知っていますか?
 多分皆さんが生まれる前の事だから知っている
 方も少ないと思いますが、、、。
 その教団では、このような儀式が
 行われていた
らしいのです、、、。
 人を埋める、、、、、という儀式が、、。】


田結吹雪
【人を埋める、、、、、? どういうことだ??】


初瀬龍臣
【文字通りの事です!!
 人を埋めるのです!!土の中に!!】


田結吹雪
【なんで、、、そんなことを、、、、。】


初瀬龍臣
【吹雪!!
 ではあなたが、やむ無く1日中水を飲めない
 状況の中、水をくれる人物
が居たらどう
 思いますか?】


田結吹雪
【そりゃあ、ありがたいと思うよ】

初瀬龍臣
【 そうですね!!では、2日では?
  3日では?6日では?
 】


田結吹雪
【、、6日だって、、、。
 そうだなそれは、命の恩人に感じるかも
 しれないな、、、、。】


初瀬龍臣
【 そうです、それがカルトの狙いです!!
  人間を空気穴だけを残し生存できる
  ギリギリのラインまで土の中に埋め
  水や食料どころか光すらも奪う!!
  人間が極限状態の飢餓思考になる
  餓死寸前まで埋める!!




田結響
【、ひどい、、、どうして、、そんな事、、。】



初瀬龍臣
【極限状態で救いを求める者を助けた者は
 さっき吹雪が言ったように、埋められた怒りも
 忘れ、逆に命の恩人と感じるのです。
 そして、その状態から洗脳 をするのです。
   如何にこの宗教は素晴らしいか、貴方は
 運命により救われた、選ばれた、貴方はそれに
 感謝しなければならない、恩返しをしなければ
 ならない。
 とそんな形で洗脳していきカルト教団の教えに
 敬虔な信者を作り上げていくのです。


田結響
【でも、、、、そこまで行く前にどこかで逃げる事も出来たはずじゃ、、、。】


初瀬龍臣
【そうですね、、、。
 ですが、それが簡単に出来ないというのが
 宗教でして、以前存在したカルト教団で
 劇薬を撒いた人物も様々な葛藤が多分
 あったはずなのですが、逃げれない環境を
 作られるということだと思います。

 教団中では外の情報は遮断され人間関係、
 役割、恋愛関係、結婚、子供、
 全てコミニュティー内でのみの関係が形成され
 外の世界は悪だ、自分たちや周りの思想以外は
 敵だと教えられ暮らしていく。

 そして、そんな日々が続く中、いつしか
 取捨選択が無い状況、組織のなかで命令が下され
 実行しなければならない状況に追い込まれる、
 自身の善悪に照らし合わせて、悩む中でも
 この中にいる人々の思想は画一化されているので
 相談した相手はやるべきだ、名誉な事だと皆が
 口を揃えて言う、いつしか、自分の考えは間違い
 なのだ想い迷走するようになり、出口を探す
 ように、やはりこれをしなくてはならない、
 皆のため、自分の名誉のために
 そして、これは、自分が選んだ道だと誇りさえ
 持つようにさえなる。
 そうした経緯を持ち実行犯は実行する。

 それは、まるで、昔この国が戦争していた時と
 同じような状況に追いやられると言うこと
 です。
 カルト教団にいる人々も初めはこんな状況に
 なるとは思わなかったと思います。
 大抵の宗教は入り口はライトな物です。
 美容や健康、絵画、恋愛、お金、流行、占い
 セミナーや後援会、SNSや出会い系サイトなど
 全く違う角度から引き込み、1度入ったら
 抜けられない状況を作り出されます。】


一同は唖然として言葉にならなかったが初瀬は更に続けて話す、、。


初瀬龍臣
【そして、この劇薬を撒いたカルト集団の意思を
 継いだ人物が八雲昴でありソロエスタ教だと
 言われています。
 八雲は初め、容姿端麗な姿が注目され
 宗教家でありながらも、モデルなどをしていた
 ことでメディアに出ていきました。
 その後、知性的でクリーンな発言をする
 コメンテーターとしても人気を博し、書籍など
 も出版するなどして次世代のNewリーダー
 
という形で近年マスコミに取り上げられて
 いますが、実際の所、蓋を開ければ
 出自は不明であり、先程の、カルト教団と関りが
 あるのか、今のところ解りませんが、
 新興カルト教団の教祖であるのは間違いなく、
 人気を逆手にライトな若い層を中心に教団に
 取り込んでいます。

 そして政界とも繋がりがあるとも言われて
 います。】


唐突に壮大な話を繰り広げる初瀬に一同は声を失ったが、吹雪だけは呼応した。


田結吹雪
【で、、?
 カルト集団の意思を
 継いだ人物が八雲昴でありソロエスタ教
 
だとして、今、俺らに関係あるのは炊き出しの
 襲撃の対処と秋葉原に入らない様に言う事
 位じゃねーのか? 】





初瀬龍臣
【そうですね、それも勿論重要なのですが、
 先日の地下鉄の件を憶えていますか?
 あれも、彼らが関与しているらしいの
 です、、。】



敷島千早
【地下鉄、、? 
 あの件は関係ないように感じるが、、、。】




初瀬龍臣
【はい、一見そう感じると思いますが、
 先程の話を憶えていますか??】



敷島千早
【先程と言うと、、、八雲の件か?】



初瀬龍臣
【いいえ、その前の所です。
 カルト教団の手法の所です。】

敷島千早
【、、、埋めるというやつか、、、。】


初瀬龍臣
【はい!それです!
 埋めるんです!!
 地下鉄の件も似たような状況だと思いませんか?
 皆さん?】



一同は、ハッ!とした表情になり何かに
気づいた所で


田結響
【あれが、、、、教団の仕業だと言うんですか??
 でもなんで?どうやって?】


初瀬龍臣
【まあ、何故と言う問いに端的に答えれば、、、。
 教団は大量の人をさらって洗脳を
 しています
、、。】



初瀬の発言を聞き、一同の顔は更に強張った、、、、、、。



東京装甲少女 EPISODE0  第30話へ続く、、、、、。



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こちらで小説を展開している
東京装甲少女EPISODE-0という作品ですが
物語の初まりのOpening Part から
現在のストーリーまで今の所

【無料公開中】です。


是非、東京装甲少女
という世界観の伝わる
始まりから
お読み頂ければ幸いです。

今後は有料化も予定しておりますので
期間限定の今のうちに
お読みい頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。


ここから、初めのストーリーを読む


※お知らせ👼

現在こちらで小説を展開している
東京装甲少女という作品ですが、
こちらにはお話の基になるデジタルアートNFT
作品があります。

そしてその作品が
2024年4月に行われましたNYCで大規模開催された
https://www.nft.nyc/という展覧会で
展示されました🎊

皆様のご協力を頂きこの度展示して頂く事が叶いましたので
また来年も展示されるのを目指してまいりますのでご協力
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました🙇



NFT NYC2024 展示作品


NFT NYC2024 デザイン採用チケット


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