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パステウをご存知だろうか。 薄くのばした生地に、牛ひき肉、チーズ、トマト、玉ねぎを煮詰めたものを角形に包み、大量のラードでサクッと揚げる。10歳の私は、このブラジルのソウルフードにすっかり心奪われた。 なぜブラジルに行ったことのない、それどころか日本から出たことすらなかった私が、パステウを知っていたのか。少し話してみたいと思う。 ◇ タイスはその大きな体をゆさゆさ揺らしながら、ラードの海をおよぐパステウたちを器用にひっくりかえす。 タイミングが大事よ。タイスはいう 一
家から電車で30分の場所にミスドができたのは、高校2年のときだった。 その地域の第1号店。初日に友達とはしゃぎながら行ったのを覚えている。お小遣いでドーナツを買い、オープン記念品のパパリンコグラスと一緒に家にもちかえった。 「ドーナツ屋さんがオープンしたから買ってきたよ。お母さん、一緒に食べよう」 チョコレートコーティングのドーナツやクリーム入りドーナツを見た母は、目をパチクリさせた。 「こんなお洒落なドーナツがあるのね・・・」 ♢ わたしが子どもだったころ、ドー
コロッケは、3個くらいなきゃ足りない。ひじきの煮物も山盛りに。鯖のホイル煮も美味しそう。ポテトサラダと味噌汁もきちんと食べなきゃ。 中学1年生のスキー合宿で、私はすっかり参っていた。何せ、1日中雪山で滑らされた挙句、部屋で1時間も待機させられ、ようやく夕食なのだった。とてつもなく空腹だった。当時私は、170センチの長身で食べ盛りだった。早く胃に何か入れたい、とうずうずしていた。 だから、数々のおかずを目の前にし、しかも食べ放題だと聞いた時、私の目は爛々としていた。片っ端か
過去に書いたnoteを読み返すと思い出せる。自分が感じたこと、考えたこと、どうして書こうと思ったのかという当時の気持ち。ああそうだったな、書いておいてよかったな、思い出せてよかったな、そう思う。 ふと急に、思い出されることの一方で忘れていることもあるのだと、あたりまえのことに気づき、同時に怖さのようなものも感じた。 書いたものや、何度も読み返すものだけが光を放ち、その影に飲み込まれるように忘れられていくものたちがある。何かのはずみで書き残されなかった記憶に気づいたとき、こ
今日は意識してこのLIVEの3曲です。 戻られたあるnoterさんへ何となくささげます。 "デカダンスのうた"が私も好きです。 ではでは。
父は昭和2年生まれ、戦争を体験している。 父は、ある年の お盆に 戦争中に聞いた 忘れられない音と 終戦の日の光景を してくれた。 その音とは 人の首を切る音だ。 B29からパラシュートで落ちてきて、木にかかっていた アメリカ人が木から降ろされ、首を刀で切られるのを、父は見た。 その音は、 濡れたタオルを ハサミで切るような音だった、という。 父は、暑い日にタオルを濡らして 首に巻くたびに、その音を思い出し 背中に、ぞくっとする 寒気を感じると、言った。 そして
公開終了から1ヶ月を経たずして、 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のAmzonプライム配信が始まった。早! 今までだって今回だって正直エヴァはいつも難しい。 一度では聞き取れない言葉も多いし、理解も追いつかない。 わからないところは巻き戻し、咀嚼しながらもう一回は観たいのだ。 さらに現在はサブスク配信が主流となり、 日本語音声に日本語字幕を付けられるから文字でも言葉を確認できる。 映画館にも観に行ったが、当初から配信開始も待つことにしていた。 その日を以って僕の26年
noteを毎日書いて、今日で4ヶ月。 意識として、「毎日続けよう!」よりも、「今日も書かないと気持ち悪いなぁ…」に変わってきているところがある。 (どこが違うって?うーん…) ▼3月の振り返り記事 ▼【追記】振り返りnoteのマガジン、作りました! ◇ 4月は、「始まり」のひと月になったかなと感じている。 開業2年目を迎えた4月1日、ようやく自己紹介記事を書いた。 ページのトップに固定したので、初めて私のnoteを訪れたと思われる方が「この人何者なんだろう?」と覗い
その世界は、いつやってくるか分かりません。 君の視覚がない世界 君の脚がちぎれた世界 君の命が消えかける世界 君の大切な人が消えた世界 明日かもしれません。 今日きた人もいるでしょう。 ところで君は今、幸せですか?
あの時もっとこうすればよかったとか、あの反応は未熟だったとか、振り返ってできなかったことを気にして後悔する。それは、何かを乗り越えたサインだって誰かに聞いた。成長したから、そう見えてしまうだけらしい。
#大切なのはこちらが至って真剣であること変わったデザインのバッグを長年愛用している。 ある日電車に乗っていて、 目の前で背を向ける年上男性のバッグに一目惚れした。 どうしてもどこのバッグか知りたい。 5分くらい迷ったけど、思い切って後ろから声を掛けた。 (手短に無礼を詫びた上で、) どこのバッグか教えていただけませんか? とてもびっくりしていたけど、笑顔で教えてくれた。 おかげでそのバッグを手に入れることができた。 #大切なのはリスペクトしている姿勢を示すことカラ
「このあと行ってみようか」 夫が私の顔を見ずに横顔で話しかける。 パーキングに入れていた車を発車しようとサイドブレーキに手をかけていた。 「え!・・そうだね・・。」 予定通りと言えば予定していたことだ。 けれども 私は本当に行けるのか、これから待ち望んでいることが、実際に私に起こることなのか、いまだに半信半疑で実感が沸かない。 それは夢のような出来事であり、案外私たちにとってはできないことだ。 簡単にできる人はたやすくできてしまう。それはネコが高い所からヒュッ
2021/3/22〜4/5で「 #100文字の世界 」という私設企画を行っていました。 自由なテーマでみなさんから100文字ぴったりの投稿をしてもらう企画であり、 それら作品を全て同名の「 #100文字の世界 マガジン」に登録するものでした。 マガジンは今も残してありますので、よろしければコチラも併せてご覧ください。 ・・・・・ このnoteは「 #100文字の世界 」企画を1週間前に終えての振り返りです。 239件の投稿を集め、今も続けてくださる方がいる要因などを分
ニャークスのヤマダさんが書いていらした 100文字の世界を見て「私も書きたい」とお願いした時、 まさか、ニャークスさんも、これほどの方々が100文字の世界に 興味を示してくださるとは、思っていなかったかも知れません。 日々増えていく、100文字の世界の投稿。 書いてみたい、という思いが溢れていくマガジンに、 創作したい人たちのワクワク感が、伝わってきて、 読んでいる私も、多くの言葉に癒やされ刺激され気づかされました。 今日、100文字の世界を立ち上げたニャークスさんから、