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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2021年6月の記事一覧

アルバムレビュー:claire rousay『a softer focus』

ドラム奏者、そしてフィールドレコーディングや電子音なども用いたソロの音楽家として活動し、前者としてはAstral SpiritsからのリリースやKen Vandermarkなどジャズ/即興の分野の音楽家との共演、後者としてはSecond Editions、Falt、Longform Editionsなど多様なレーベルからリリースを重ねbandcampでの自主リリースも積極的に行っているテキサス州サンアントニオ拠点のアーティストclaire rousay。 本作『a soft

ブックレビュー「ハーバード大学のボブ・ディラン講義」

以前、ロバート・シェルトン”ノー・ダイレクション・ホーム:ボブ・ディランの日々と音楽”のブックレビューで書いた通り、1962年生まれの私はなかなか同世代でボブ・ディランをしっかりフォローしている人に出会ったことが無い。大体が一回り上の人だ。 私の場合完全フォローには程遠いが、精力的に勉強しているという意味で同世代ではかなり珍しい部類の人間にカテゴライズされるのかもしれないが、今回もリチャード・F・トーマスの本書のレビューを書いてみる。 原題は”Why Bob Dylan

【Cactus】(1970)Cactus  日本グラモフォン盤のラウドな音作りから感じること

Cactusは1970年デビューの米国ハードロックのバンドです。元Vanilla Fudgeのティム・ボガート(ベース)、カーマイン・アピス(ドラム)がジェフ・ベックとの新グループを計画しながら、ベックの交通事故であえなく頓挫、そのため急遽結成されたバンドです。 彼らの1stの日本での初回発売が日本グラモフォン配給。日本グラモフォンとは後のポリドールレコード。社名変更する1971年まで存在しました。 歴史の古い老舗ですが、1960年代末ニューロックの時代には、数多くの英米

1978年、パリ。日本製電子楽器に出会い、新しい音楽の可能性を探る女性ミュージシャンの青春物語。

『ショック・ドゥ・フューチャー』という映画が2021年8月27日に公開予定で、めちゃくちゃ気になっています。今から楽しみ。 物語は、エレクトロミュージック全盛期を目前にした1970年代後半のフランスが舞台。男性優位の音楽業界で、新しい音楽の可能性を探る若き女性ミュージシャンと友人たちの1日を描いた青春ストーリーです。 ミュージシャンのアナは依頼されたCMの作曲に取り掛かるも、納得のいく仕事ができずに半年の時間が過ぎていた。そんなある日、アナは見たこともない日本製の電子楽器

2021年上半期ベストアルバム50

 今年発表されたアルバムで好きだった作品を50枚ほど。いわゆる新譜を追い始めたのは去年からですが、それにしても今年は豊作だったといえると思います。それでは...。 50. REFLECTION / Loraine JamesHyperdubより、北ロンドンの新鋭Loraine Jamesの2枚目。ひたすらに洗練されたビートに、UKドリル等から歌心のあるポップさが組み合わさったエレクトロニック・ミュージック。それこそ職人の作ったお手本のようでありながら、どこか情念的でもある、

Dean Blunt "Black Metal 2"

イギリス・ロンドン出身のプロデューサー/シンガーソングライターによる新作。 聴いた後、何か書いてみたいなという欲求のみが立ち上がり、それでは何を書こうかと考えた時に、さて困ったなといった気持ちに今なっている。彼の作品はいつもそうだが、どう捉えればいいのか反応に困る内容であることが常だからだ。数々の名義を使い分けながら正規のフルレンス、EP 、ミックステープ、コンピレーションなど様々な形態の作品をリリースし続け、もはやこれが何作目なのか数えるのも馬鹿らしくなるほどのディス

【映画】アメリカン・ユートピア David Byrne's American Utopia/スパイク・リー

タイトル:アメリカン・ユートピア David Byrne's American Utopia 監督:スパイク・リー 「アメリカン・ユートピア」は身体性を強く感じさせられる映画だった。当然言葉の役割も大きく、デヴィッド・バーンが語りかけるTEDのプレゼンテーションさながらの言葉を観客に投げかけるし、歌の歌詞もBLMや政治など現代の問題提起として主題を持っている。ただそれと同時に体が表現するものの比重もかなり大きい。ダダイストのフーゴ・バルの詩を引用した「I Zimbra」

2021年上半期、僕の心を震わせた「邦楽」ベスト10

ウィズ・コロナ時代、2年目に突入。 いまだに先行きが不透明な状況が続く中で、それでも音楽の届け手たちは、新しい音楽観を提案してくれるような果敢な冒険心に溢れる作品を、今も次々と生み出し続けている。 ライブやフェスの延期・中止という悲しい報せも絶えないが、それでも少しずつ、音楽業界を担う人々の絶え間ない努力の積み重ねによって、ウィズ・コロナ時代における新しい興行のスタンダードが確立され始めている。何より、この5月に逆境の中で開催されながらも、一件の感染報告もなく無事に成功を

あのホイットニー・ヒューストンの「エンダァーーーイヤーーー♪」も結婚式では使用NG?! 意外と本当の意味を知らないウェディングソング3選

結婚式という人生の一大イベントを迎える皆さま、おめでとうございます。心からお慶び申し上げます。 挙式を控えたカップル=通称「プレ花嫁」「プレ花婿」さん が悩んだり、迷ったりすることのひとつが、結婚式や披露宴で流すBGMです。 2人の思い出の曲や家族や友人との懐かしい曲が多すぎて選びきれない、花婿と音楽の趣味が合わず喧嘩になる・・・などなど。(ちなみに花婿がヘヴィメタル好きでどうしてもBGMに使いたいと断固として譲らなかったというカップルは、新郎新婦入場の場面だけヘヴィメタル

J-WAVE SONAR MUSIC「音楽世界旅行2021:アフリカ経由イギリス便!」Amapianoパートまとめ

J-WAVE SONAR MUSIC 6/22放送「音楽世界旅行2021:アフリカ経由イギリス便!」をお聞きいただきありがとうございました。 これを書いてる時点でまだ放送前なのでどのような出来だったのかは分からないのですが、自分なりに一生懸命やってるはずなので楽しんで頂けてたら幸いです。 まだお聞きになられてない方はこちらから 東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木にお住まいなら登録なしで聞けます。 さて、今回自分が紹介した音源は発音が難しかったり、映像で見ると魅力が倍増する

2021年上半期ベストアルバム10選

 2021年も残り半分、というわけで特に良かったアルバム10枚です。今年も良盤が多くて悩む……。気持ちアンビエント・ニューエイジが多めかもしれない。 Joseph Shabason「The Fellowship」  カナダのサックス奏者Joseph Shabasonの3rdアルバム。優しいアンビエントミュージックで聴いていて心地よい。アルバムとしては今のところ今年一番の傑作だと感じています。 Elijah Knutsen「Pink Dream」  ポートランドのニュー

梅雨の鬱憤を吹き飛ばす🔥 スタッフがオススメする激アツロック🤘爆音再生のススメ

みなさん、もうすぐ7月ですね。梅雨のじめじめした気候やGW以来祝日もなく息抜きしにくい感じで、気持ちダウナーになっていませんか? そんな日頃の鬱憤を、【爆音で音楽を聴く】という行為でもって吹き飛ばしましょう!今回は、“爆音再生のススメ”ということで、大音量で爽快感がアップするロック…とりわけハード・ロック/ヘヴィ・メタル/ラウド・ロックに軸を置いてご紹介します! なんと、最新の研究で “ヘヴィ・メタルを聴くことで血圧を下げストレスを軽減するのに役立つ” という興味深い結果

サウナ?ヘヴィメタ?シベリウス!〜フィンランドを代表する作曲家を識る(1)

新日本フィルnoteではダントツの情報量「岡田友弘《オトの楽園》」。《たまに指揮者》の岡田友弘が新日本フィルの定期に絡めたり絡めなかったりしながら「広く浅い内容・読み応えだけを追求」をモットーにお送りしております。今回は定期に絡めてシベリウス特集! シベリウス(1923年) 我が国でも北欧の国々は観光地としても人気がある。北欧の4カ国とはデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、そしてフィンランドだ。フィンランドを除いては君主制の国であり、国王がいる。フィンランドだけは共和制

韓国K-POP、トレンドカルチャーの根源がそこにはあった【架空旅行】

段々と夏に近づいてきましたね。 半袖を出したけど、それでも暑くて、遂にノースリーブに手を出してしまいました、、 どうも、ゆるりです◎ このままだと夏本番、どうなっちゃうのってくらい最近暑くて驚いてます。 まだ6月なのに~~~~! K-POPの歴史とK-POPを軸に広がる韓国カルチャー突然ですが音楽、ファッション、グルメ、、、世の中には話題のトレンドが沢山あるけれど、一番日本に影響がある国はどこだと思いますか? わたしが思うには、圧倒的、韓国です👍笑 韓国のカルチャーっ