105.人には、「私生活をみだりに公開されない権利」というものがあるんだよ!
29 プライバシーって何ですか?
Q29 子どものフェイスブックを見たら、友だちとの写真やお話ばかりでした。一見楽しそうにも思えるのですが不安があります。それは、プライベートな話題が多いことです。友だちの住まいや周辺のお店、公園で楽しく遊んでいる子どもたちの写真、悪ふざけしている動画やクラスメートの女の子の写真などです。どうでしょうか?
A プライバシーには、「プライバシー権」という権利があり、裁判例では、「私生活をみだりに公表されないという法的保障及び権利」のことと定義されています。
要約すると、「私生活の事実や事実らしく受け取られる恐れのあることがら」「勝手に公開されては困るもの」「他人に知られたくないこと」「知られることにより何人かが傷つく恐れのあること」「知られていないことで、知られたくないもの」などです。
子どもたちが遊んでいるフエイスブックやSNS、LINE、ホームページ、ブログなどは、軽い気持ちで投稿したり、掲載したりしているモノがほとんどでしょう。
「軽い気持ち」では、本人が「私的利用」であると思って使用している点に問題があります。
「私的」とは、「特定の人に伝えたり、見せたりするもの」を指し、ネット上で特定されているメールやLINEなどの外は、すべて私的範囲とはいえません。
さらに、多くの人が閲覧できる状態ならば、そのほとんどが「プライバシー権の侵害行為」といえます。子どもたちに悪意がない代わりに、さまざまなトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
次に、「プライバシー」には、どんなことがあるか挙げてみましょう。
「氏名」「住所」「電話番号」「家族構成」「病歴」「写真(自分や他人の写真)」「個人の悩みや問題」「私生活の状態」などですね。
イニシャルやニックネームでも個人が特定できてしまえばプライバシー侵害になります。
このように、他人の人格を著しく傷つけるような行為、又はそうなる恐れのあることをプライバシー権の侵害といいます。
写真や映像には「肖像権」があり、本人の許可なく勝手に掲載したり投稿したりすることはできません。また、他人の撮影した写真を使用する場合は、撮影した者に著作権がありますので、これも無断で使用することは許されません。
子どもたちのほとんどが、このことを知りません。
教えられるのは、身近にいる親しかないのではないと思うのですが?
30 パブリシティって何ですか?
Q30 イベント会場で有名な歌手の方と記念写真を撮り、自分のホームページにアップしたところ音楽事務所から「パブリシティ侵害だ!」というクレームが来ました。写真は私と友人が撮影したもので著作権は私にあると思うのですが…。
A 著作権は、撮影した者に権利があるということをすでにお話ししました。
風景や花や自然であれば何も問題はありませんが、人物(肖像)には肖像権というものが発生しますね。
つまり、他人を撮影した場合の「著作権」は撮影者にあり、写された肖像者には「肖像権」という二つの権利があるということです。
ですから、著作権があっても肖像者から使用許諾をもらう必要があります。
また、ここでのご質問は、有名な歌手ということですから、「パブリシティ権」というものがあります。タレントやスポーツ選手の場合は、その氏名を表示したり、姿を出すことでイメージアップし、ファンに注目させる訴求効果のあるものです。こうした訴求効果を利用できる権利のことを「パブリシティ権」と呼びます。
ですから、イベント会場で撮影したスナップ写真であっても、本人又は所属会社の許可なく自分のホームページに掲載することはパブリシティ権の侵害となります。
ディズニーランドでミッキーやミニーと記念撮影した写真などもパブリシティ権のあるものですから、許可なくホームページ等に掲載することはできません。
その写真を何枚かプリントして友だちに配る範囲であれば、私的使用の範囲内ですが、大量にプリントして、多数の人に配布するのは、それがたとえ無料であってもパブリシティ権及び著作権侵害行為となります。
子どもたちのホームページやブログ、SNSへの投稿なども、やはり許可なく公表してはならないもので、実際には犯罪行為をしていることになってしまいます。
31 個人情報って何ですか?
Q31 インターネットの掲示板に私の住所や電話番号が勝手に掲載されていました。また、メールアドレスなども載っているため知らない人からのメールなども届くようになり、怖くなりました。どうしたら良いでしょう?
A 最近、本人に無断で個人情報が公開され、それを勝手に利用するといったケースが増えています。なかでも、個人の悪口、批判、批評、住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、預金通帳の番号、会社の取引関係なども勝手に公開されています。
平成17年4月に制定された個人情報保護法により、「利用停止」「消去請求」等が可能になりましたが、悪意のある者たちは、依然その情報を拡散しています。
そもそも人には、「私生活をみだりに公開されない権利」というものがあり、それを「プライバシー権」といいます。住所、氏名、生年月日、電話番号、家族構成、財産、学歴、病歴等の私生活に関するものすべてが「プライバシー権」の対象になります。顔写真や、手紙、文章などの「肖像権」や「著作権」「個人情報保護法」とリンクします。それらもすべて本人の承諾がなければ勝手に掲載することはできません。
ホームページ等で勝手に公開した人に対しては、「掲載差し止め」「損害賠償」「謝罪広告」などの請求ができます。
住所や氏名等の流出により犯罪行為に結び付く場合は、刑事罰の対象にもなります。
知らない会社から注文していない商品が送られてくるなど、恐喝に結び付くケースなどです。恐喝の場合は、生命、身体、自由に対して害を加える旨を告知して脅迫すれば、「脅迫罪(民法222条)」として警察に通報できます。
注意しなければならない点としては、
(1)アンケートなどに、メールアドレスなどの個人情報を安易に記載しない。
(2)各種サービスを提供しているサイトへの登録をしない。
(3)不特定多数が閲覧できる掲示板やフェイスブック、ブログ等に個人情報を安易に載せない。
(4)知り合いが相手であっても、ブログやホームページ等での個人情報の扱いには注意する。
(5)パスワードは必要に応じて変更し、他人に知られないようにする。
特非)著作権協会です。第1作から読んでくださっている人たちがいます。
本日で105作目、104作まで読み続けてくれる人がいました。この場をお借りして改めて御礼を申し上げます。
このシリーズは、全国から様々な現場からのリアルで困っている質問が中心となっています。
ほとんどは講演会やホームページの問い合わせが中心で、
一切の名前等を伏せて、文章なども改変しています。
※単なる事実には著作権はありません
文章(質問)にも著作権があるのではないか?
その通り、質問事項にも創作性(感情表現)のあるものはすべて著作権がありますので、ここでいうところの「改変」の意味は、〈単なる事実〉のみを抽出して改変しています。
そこにはいただいた質問内容のプライバシー的なものは一切排除して、
〈事実〉のみをまとめたものです。
新聞記事や雑誌なども、その文章の事実のみの部分には著作権はありません。事実まで利用できなければ何も使用することができなくなるからです。
そこで、簡単な例と法律を解説します。
例えば、次の公表された記事、
「5月9日(月)の午後2時に新宿から山手線に乗って、私は東京の高田馬場につきました。ここで〇〇の会場で午後3時から講演会を行います。ふと、駅の構内にいたら、私の大好きな手塚治虫さんの鉄腕アトムの曲がホームで流れていました。そばにいた小さなこどもがお母さんにこの曲はなんなの?と質問していました。そのお母さんは嬉しそうな顔をして『鉄腕アトム』の主題歌よ!と話していたのを隣で聞いていた。私も丁度このくらいの子どもの頃に鉄腕アトムを見ていて、懐かしく思った…」
そして、単なる事実だけを抽出した場合。
「5月9日(月)の午後2時に新宿から山手線に乗り、東京の高田馬場に富樫さんはついた。ここで〇〇の会場で午後3時から講演会行うという。彼は駅の構内にいたら、手塚治虫さんの鉄腕アトムの曲がホームに流れていて、彼は子供時代に聞いていた『鉄腕アトム』の曲を懐かしんでいたという」
個人の感情的な感想や考えは全部削除しています。
著作権法10条の2項「著作物にあたらないものの」
1.歴史的事実・データ
2.ありふれた表現・題名・ごく短い文章
3.アイデア
4.応用美術(実用品のデザインなど)
このように、たんなる、ありふれた事実には著作権が及ばないことがわかります。(※注 創作性のあるものには著作権がありますので注意)
ここまで、読んでいただいて心から感謝申し上げます。
文責 特定非営利活動法人 著作権協会
いじめにあって悲しくなったり、
死ぬことを考えるほど困ったりしたら
〈24時間いじめ相談ダイヤル〉 0570-0-78310(電話)
自殺対策支援センター ライフリンクhttp://www.lifelink.or.jp/hp/link.html
全国どこからでも、夜間・休日を問わず、いじめ等の悩みを相談できます。
※特非)著作権協会おすすめ電子書籍のご案内「~激化、僭状するネットいじめから、子どもたちを守り、救うための法的制裁~「ネットいじめ撲滅著作権」全3巻好評発売中!下記URLにて検索してください。
※ネットトラブル相談窓口リンクがあります。次の連絡先を保存し自分の「お気に入り」に登録しておけば、困ったとき、トラブルに巻き込まれたときの相談先になるでしょう。
■警察庁:インターネット安全・安心相談
http://www.npa.go.jp/cybersafety/
■各都道府県別相談(サイバー犯罪)
https://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm
■文部科学省
「24時間いじめ相談ダイヤル」 0570-0-78310
http://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm
■総務省電気通信消費者相談センター
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/madoguchi/tushin_madoguchi.html
■法務省 人権侵害の窓口
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_chousa.html
■インターネットの人権相談
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200808/3.html
相談できる内容:インターネット人権相談受付、みんなの人権110番など、人権相談窓口があります。インターネットによる人権侵害のほか、様々な人権問題についても相談を受け付けています。
■インターネット人権相談受付窓口
パソコンからの相談はこちら / 携帯電話からの相談はこちら
■全国共通人権相談ダイヤル(みんなの人権110番)
電話:0570-003-110(ゼロゼロみんなのひゃくとおばん)
最寄りの法務局につながります。
■子どもの人権110番(フリーダイヤル)
電話:0120-007-110(ぜろぜろななのひゃくとおばん)
「いじめ」や虐待など子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
■女性の人権ホットライン
電話:0570-070-810(ゼロナナゼロのハートライン)
女性の人権問題に関する専用相談電話です。
■内閣府
児童虐待、いじめ、ひきこもり、不登校についての相談窓口
http://www8.cao.go.jp/youth/soudan/map.html
■国民生活センター
相談できる内容:消費生活全般に関する苦情や問い合わせ。高額請求、ネット詐欺など
■JADMA通販110番
http://www.jadma.org/DM110/index.html
相談できる内容:通信販売のトラブル全般
■違法・有害情報相談センター
相談できる内容:インターネット上の違法有害情報相談窓口
■迷惑メール相談センター
http://www.dekyo.or.jp/soudan/
相談できる内容:迷惑メール全般
■セーフライン/一般社団法人セーファーインターネット協会
■通報フォーム
https://www.safe-line.jp/report/
できる事:違法・有害情報を通報→場合によっては削除
■インターネット・ホットラインセンター http://www.internethotline.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口
■一般財団法人インターネット協会 http://www.iajapan.org/hotline/dantai/1-039.html
相談できる内容:インターネットのルール&マナーに反すると思われること ■著作権情報センター/著作権相談室 http://www.cric.or.jp/counsel/index.html#soudan
相談できる内容:著作権全般
■web100
■google情報削除の通報フォーム
https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
検索結果から削除してもらう場合の通報フォームです。必ず削除されるとは限りませんし、元のサイトの情報はそのままです。元サイトが削除されなければ、さらなる情報拡散もあり得ます。
■Twitterの不適切画像の報告窓口 https://support.twitter.com/forms/cse