506.あなたには本を愛する資格がない、本に対する愛がない。愛があれば愛する人(読者)のことを考えられるはずだ...。【出版論⑥】
出版論①~③
出版社さんとの付き合い方④
憧れの出版社、憧れの編集長との初めての面談。
そして、はじめての本の売り込み。
本を出したい人は、誰もがたどる道。
お互いの信頼関係があればメールでのやり取りで済むが、はじめての場合は、やはり、お互いが目と目を見ながらの直接対決が必要となる。
まさかの、突然の大手出版社からの連絡が入り、幸せいっぱいのまま出向いた。
自分の書いたものが本になる。
なんて凄いことなのだろう?
日本全国の書店に本が並ぶ。
友人にも自慢ができるし、何よりも講演会がさらに増える。
実は、一切、悪いことなど頭にはなく、喜びでいっぱいだった...。
しかし、憧れの編集長は、突然怒り出した...。
怒鳴ったという方が合うかもしれない。
私は、頭の中が一瞬真っ白となった...。
わけがわからない…。
自分が何か悪いことでもしたのだろうか...。
すると、編集長は次のように話し始めた。
(全文掲載)
「全部、読みました...。しかし、これは本じゃあない!つまり、何を言いたいのか、何を伝えたいのかわからない...」
😢なんと本じゃあない...。
なにを伝えたいのかわからない...。
致命的ですよね...。
「あなたが、確かにたくさんの講演会をしてきたという実績は理解できるが、これは口実筆記なのですか?(テープ起こし)。それに改行だらけ(文と文のスペースが空きすぎ)。つまり読みにくい...」
😢録音したテープ起こしでなく、パソコンで文字打ちしたもの...。
白い空白を入れることによって文を目立たせたかった...。
読みにくい...。
これは致命的...。
「あなたは、『読む人』、つまり読者のことを考えて書いているのですか?自分だけがわかっているだけの文ですよね。もっと、人にわかりやすく説明が必要なんじゃあないですか?法律の本じゃあないのだからこんなに難しい専門用語など読む人には何を伝えたいのかがわかりませんよね...」
😢確かに、説明不足...。
読者不在、自分だけがわかっている...。
専門用語の解説もない...。
致命的...。
「この本は、どこに持って行っても無駄ですよ。あなたみたいな人がたくさんいる。みなさん、自分中心でただ自分の作品に酔いしれている。私で良かったですね...」
😢どこへ持つて行っても無駄...。
私みたいな人もたくさんいる…。
自己中...。
致命的。
「あなたに2つだけアドバイスしたい。1つ目は、あなたには本を愛する資格がない、本に対する愛がない。愛があれば愛する人(読者)のことを考えられるはずだ...」
😢愛がない...。
なんという、とどめの言葉なんだ...。
もう立ち上がれない...。
人生の最高の日だったはずなのに、奈落の底に落ちていく...。
もう、復活は不可能...。
「最後に、もうひとつ。それは先生を使ったこと。私はあなたの先生をとても尊敬しているし、私どもの出版社を長年支え続けてくれた作家さんだ。この方の名前を利用して売り込みをすることはやめて欲しい。この先生の名前まで傷つけてしまう。先生の推薦状のお手紙があったから、あなたと会っただけ。そうでなければこんなに忙しい最中であなたと会うことはないでしょう。もう、やめて欲しい….」
😢奈落の下には何があるのだろう?
今日は、人生最悪の日。
本当は泣きたい。
もう、立ち上がれない気がした。
先生にも合わす顔がない...。
ああ~なんと言えばいいのだろう?
後にこの言葉のすべてが私のバイブルになるなど、ゆめゆめ思わなかった。
そして、数年後、この名編集長とある場所で再会を果たした...。
あなたが私の人生の、本の原点なんですよ。
実業之日本社さん。
次回に続く。
※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。
「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めす。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいて、翌週には必ずご返事させていただいていますのでどうかお許しください。
では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。
ラインスタンプ新作登場~
「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいて、翌週には必ずご返事させていただいていますのでどうかお許しください。
では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。
※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
私たちの著作権協会は市民を中心としたボランティア団体です。主な活動は出版と講演会活動を中心として全国の都道府県、市町村の「著作権・肖像権・SNS等を中心」にお伝えし続けています。皆様から頂いた問題点や質問事項そのものが全国で困っている問題でもあり、現場の声、現場の問題点をテーマに取り上げて活動しています。
それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
noteの世界は優れたアーティストの世界です。創作した人たちにはわからないかも知れませんが、それを読む人、見る人、聴く人たちがリアルに反応してくれる場所です。もし、本格的なプロの方々が参入してもこの凄さには勝てないかもしれません。プロもマネのできないnoteの世界。これからも楽しみにして皆様のnoteを読み続けています。
私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な思いをお伝えします。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
特定非営利活動法人著作権協会
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