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520.世の中に懸賞金付き雑誌やコンクールなども花盛りだが、何といっても競争率が高すぎる。それに、ちゃんと読んでくれているかどうか?正直、不安もある。【出版論⑱】最終回・3部作前編


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【出版論】最終回前編2部から3部作となります。
私の現在と、出版界の裏側や、大変さ。そして、たくさんの人たちの売り込みと新人探し。ネット時代の出版の在り方等、のお話となります。
そして、新シリーズ「(仮称)著作者になる方法」を予定しています。
本編が、noteのみなさんに、きっと、みなさまのお役に立ちますように願っています~

本年もどうか、よろしくお願い致します。


 
 
私が生まれてはじめておだてられて本を書いた。
そして、生まれて初めての売り込み。そして、生まれて初めて出版社の「編集長」と呼ばれる人に出会った。そこで私の作品を読んで強い口調で言われた。「これは、本じゃあない...」と。私は奈落の底に落ちた...。
 
当時の言葉は私の現在でも大切なアドバイス、バイブルとなった【再録】
「全部、読みました...。しかし、これは本じゃあない!つまり、何を言いたいのか、何を伝えたいのかわからない...」
 
😢なんと本じゃあない...。
なにを伝えたいのかわからない...。
致命的ですよね...。
 
「あなたが、確かにたくさんの講演会をしてきたという実績は理解できるが、これは口実筆記なのですか?(テープ起こし)。それに改行だらけ(文と文のスペースが空きすぎ)。つまり読みにくい...」
 
😢録音したテープ起こしでなく、パソコンで文字打ちしたもの...。
白い空白を入れることによって文を目立たせたかった...。
読みにくい...。
これは致命的...。
 
「あなたは、『読む人』、つまり読者のことを考えて書いているのですか?自分だけがわかっているだけの文ですよね。もっと、人にわかりやすく説明が必要なんじゃあないですか?法律の本じゃあないのだからこんなに難しい専門用語など読む人には何を伝えたいのかがわかりませんよね...」
 
😢確かに、説明不足...。
読者不在、自分だけがわかっている...。
専門用語の解説もない...。
致命的...。
 
「この本は、どこに持って行っても無駄ですよ。あなたみたいな人がたくさんいる。みなさん、自分中心でただ自分の作品に酔いしれている。私で良かったですね...」
 
😢どこへ持って行っても無駄...。
私みたいな人もたくさんいる…。
自己中...。
致命的。
 
「あなたに2つだけアドバイスしたい。1つ目は、あなたには本を愛する資格がない、本に対する愛がない。愛があれば愛する人(読者)のことを考えられるはずだ...」
 
😢愛がない...。
なんという、とどめの言葉なんだ...。
もう立ち上がれない...。
人生の最高の日だったはずなのに、奈落の底に落ちていく...。
もう、復活は不可能...。
 
「最後に、もうひとつ。それは先生を使ったこと。私はあなたの先生をとても尊敬しているし、私どもの出版社を長年支え続けてくれた作家さんだ。この方の名前を利用して売り込みをすることはやめて欲しい。この先生の名前まで傷つけてしまう。先生の推薦状のお手紙があったから、あなたと会っただけ。そうでなければこんなに忙しい最中であなたと会うことはないでしょう。もう、やめて欲しい….」
 
😢奈落の下には何があるのだろう?
今日は、人生最悪の日。
本当は泣きたい。
もう、立ち上がれない気がした。
先生にも合わす顔がない...。
ああ~なんと言えばいいのだろう?
 
 
 
後にこの言葉のすべてが私のバイブルになるなど、ゆめゆめ思わなかった。
そして、数年後、この名編集長とある場所で再会を果たした...。
 
あなたが私の人生の、本の原点なんですよ。
実業の出版社さん。
 
 
こうして、私のそのときの売り込み原稿は1冊を書き直し、結果3冊になった。
そして、次は1年以内に本を3冊出すことが目標となった。


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現在、37冊の本が出版されている。
 
しかし、私の売り込みは永遠に続く。
毎週3か所、月に12か所、1年間で144か所、144回売り込み続けている。
私の場合、特に大ヒット作品などない万年作家。
 
ただし、出版社さんには絶対損はさせない。
そのためには、著者自らが営業マンとなって、本を売る。
それは当たり前だと思うようになった。
 
その大きな理由は、出版社さんたちは私の本を売るために出版している。
もちろん、新聞広告に載せたり、新聞記事等に掲載してもらったり、ネット等で拡散。そして、極めつけは実際の書店さんに出向いて少しでも本を売るためのお手伝いをしている。
さらに私の本に対して数百万の投資をしているわけだから、それだけでも感謝だ。
 
そして、原稿料まで頂くのだから絶対に売れて儲けてもらいたい。
儲かれば次の作品だって本にしてもらえる。
 
だから、著者だといって胡坐などかいていられない。
まさに、同じ船の運命共同体だ。
 
そこで、私自信、著者自ら書店さんに出向く。
出向いて、本の売れ行きやおいてある場所などを確認したり、書店内で宣伝もしてもらいたい。横積みにおいて欲しいとお願いする。
書店さんも出版社の担当者ではなく著者自らが書店さんに出向くのだから驚く人もいる。でも、驚いて欲しい。
頑張って自分の本の営業をしているのだから。
 
書店さんたちはとても対応が優しくて嬉しいし、売れている本の情報まで教えてもらえるという得点もある。
それに、書店回りは好きな方。
書店は本のミユージアムだ。
 
私はこのnote以外に、年間、3冊ぐらい書き続けている。
現在は8冊分ぐらいのストックがあり、それを自分で分析調査しながら売り込み先の出版社を調査している。
もちろん、すでに数百社の出版顧客リスト(作品が没になったお手紙)が溜まっている。それを、私は「出版顧客リスト」と勝手に名付けた(笑)。
たとえ、没になって断られたとしても違う作品なら受け入れてもらえる場合もあるからだ。そのたびにお断りも来る。
しかし、嬉しい。なぜなら必ず読み終えた感想がわずかながらある。それも大切な作品に対する助言だから。
 
だが、この数年、ご存知の新型コロナウイルス感染症拡大のため、出版社はもちろん、すべての中小企業はいまだにその苦境から逃れられていない。
 
この3年から4年にかけて出版社等、自営業者、中小企業、クリエイターさんたちに大きな傷を抱えた。
もちろん、その苦境を生き延びるためには借金だって必要。
多額の返済もある。
人件費や家賃、光熱費、本の倉庫代などもある。
 
ある出版社の社長は、大量の本の在庫に頭を抱えている。
在庫とは「返本」のあった本を保管しておいてあるもの。
毎月、売れなければ大量の返品の山。
 
また、その返品されたものの汚れ、傷、折れや痛みを確認して再度、また書店に出荷する。そして、また返本の繰り返し。
年々増え続ける在庫の山の倉庫代の家賃だって馬鹿にならない。
 
私は何度か、その倉庫を見学したがまるで小さな物流センターのよう。これだけのリスクを背負いながら出版社は本を出し続ける。
新刊が止まったときは終わりの時。
 
すぐさま業界に噂が広がる。
だから、新刊は止められない、本は出し続けなければ生きていけない出版社の宿命がある。
 
そして、売るだけが出版社の仕事ではない。
つまり、仕入れが必要となる。
その仕入れは「新人探し」。
 
どうして新人探しかと言えば、有名人はギャラが高いし、有名人だからと言って必ずしもそのネームバリューだけで売れるものではない。
それも大切だが、新しいコンテンツ、新しい作品、まだどこも手をつけていない新規性のあるもの。
 
そして、それが売れるもの。
これは、売り込む側にしてみればありがたいこと。
 
だから、売り込みや新人さんたちに門戸を開いている気がする。
毎月、1つの出版社にメールや原稿郵送、直接訪問など売り込みが後を絶たない。
また、それだけ売り込みが多いということはそれも出版社の評価の一部。
 
また、どこからも売り込みのない出版社はそれだけ人気がない出版社ともいえる。
世の中に懸賞金付き雑誌やコンクールなども花盛りだが、何といっても競争率が高すぎる。このnoteのコンクールも同じかもしれない。
それに、ちゃんと読んでくれているかどうか?正直、不安もある。
 
ならば、直接、出版社に持ち込んだ方が対面できて確率も高い気がする。
何よりも、現場の編集の方々の意見が聞けてしまう。
 
これはとってもありがたい神の言葉。




 
本内容は、今まで出会った出版社の方々や現在も交流のある出版社の生の声です。
果たして、3部作で収まるかどうか、わかりませんが、【出版論】最終回前編をお届けしました。ここまで読んでいただいて心から感謝申し上げます。
新シリーズ「(仮称)著作者になる本」を予定しています。
 
 

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※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。


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ラインスタンプ新作登場~


「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいて、翌週には必ずご返事させていただいていますのでどうかお許しください。

では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。


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※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
私たちの著作権協会は市民を中心としたボランティア団体です。主な活動は出版と講演会活動を中心として全国の都道府県、市町村の「著作権・肖像権・SNS等を中心」にお伝えし続けています。皆様から頂いた問題点や質問事項そのものが全国で困っている問題でもあり、現場の声、現場の問題点をテーマに取り上げて活動しています。
それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
noteの世界は優れたアーティストの世界です。創作した人たちにはわからないかも知れませんが、それを読む人、見る人、聴く人たちがリアルに反応してくれる場所です。もし、本格的なプロの方々が参入してもこの凄さには勝てないかもしれません。プロもマネのできないnoteの世界。これからも楽しみにして皆様のnoteを読み続けています。

私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な思いをお伝えします。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)

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