マガジンのカバー画像

301
自分の作った詞になります
運営しているクリエイター

#現代詩

【詞】LOVE SONG

【詞】LOVE SONG

愛がほしいよ 言ってしまうさ
冬の息上る頃 どうにも窓を開けた

純粋な蔦が
縁側に伸びては 枯れていた

年の終わりを常々感じる
湿る雪がまた蒸気になるでしょう

野暮な言葉を拭いて
絵になる様な詩を書きたいのです

朝の顔 横目に支度する
テレビを気にする暇のない日々に
雀が変わらず鳴いていた

涙が出ている それも気のせいでしょう
道の上に何を見るのか
歩いています

愛がほしいよ 言ってし

もっとみる

(詞)無題

夕暮れ 鳥も頭上を
夕暮れ 人も帰路を
何をそんなに生き急いでるんだろう
何をそんなに生き急いでるんだろう

そして今
温かいスープを買っているよ2つ分
君の帰りを待っているんだ
表面は光を纏った
繊細な街を見渡してる

いつもそこにあるのは 光の裏の影たちで
ふと渡り鳥の様に 旅に出たいと言ってみたり
そんなに急がなくていいよ

それぞれの優しさも良さも 
額縁に飾られてしまいそうだから
そんな

もっとみる
【詞】ただいま

【詞】ただいま

晩夏の道に麦が笑う
帰り際に会釈する
狗尾草摘んで、いつも手に振る私たちみたいな人と
 
半透明の月と滴る夕景
祠の傍で変わらず眠る猫
同じ街、何れの光景
途端、俄雨 若い雨

 
一夏の終焉と しずかな気楽と
そよいだのは 馴染みの声
繰り返す“ただいま”
 
どこか憂いの漂う外と 翌月へと継ぐ淡い波長
呟く 暮らしの音
鳴らした“ただいま”
 
 
タ凪の様に 心を撫でたなつかしさ
春を急いで

もっとみる
【詞】泡沫(仮)

【詞】泡沫(仮)

鉄筋の花が咲いてる様に
見ゆる世界に冬の風
些細な茎に
笑って吹いて 笑って吹いて たなびく

鉄筋の花が咲いてる様に
見ゆる世界に冬の風
些細な茎に
笑って吹いて 笑って吹いて たなびく

遠い土地で鳴いた鳥と
舟を浮かべた旅人
我をわすれ
枯れ葉の束を抱き なつかしく眠る

嘘もまた浮遊する
どうにも話の蔵が錆びてく
流動する縁は泡沫
朱鷺が摘んでる

つい前迄 夏でした
つい前迄 夏でした

もっとみる
【詞】冬眠(仮)

【詞】冬眠(仮)

眠れない夜に
魚が天の河渡る想像してる

眩い鱗は冬の星
源流まで白く色めく

私も透明傘に映る記録を
束ねては

名も付けずに風に乗せ
現世に似た地のあの人へ

魂を撫でる様に
都市部の蛍光がなびいてる

スワロー憩う夜の畦から
浮かべた願い

魂を撫でる様に
テーブルの上 言葉が踊ってる

スワロー似た絵を野原へ
儚いしゃぼんに手を振るみたいに

喩え虚空も恋しく感じるよ
枝分かれのあの葉はい

もっとみる

【詞】Teen(仮)

夢にも夏至みたいに指標があったりするのかな
寝入りの長い日
3篇続くくらい
夢へ夢へと ルンタッタ

相変わらずバスにゆられ
ティーンを着飾ったりして
青春を周回する 
夜も更けるまで

えe

時計の塊は
いつも限られている
急かされている

半月を碗に紅茶かな
フタを開け喉に風通し

衣擦れした言葉を縫って
しゃれた朝で繭になる

単にぶれる長けた人なみ
時計は今も今も踊る

あa

新月の便

もっとみる

【詞】烏合(仮)

終わらない雨に 振られた傘と
文字の泥濘 息を吸う
らったったった と 言葉は鱗で 
星がゆらめく 街の水面を

想像してみてよ 僕は僕でしかないでしょ
あなたをなつかしむことしか出来ないの
灯ろうみたいな光漂う部屋の一幕
ゅらゅら遊覧して

そして決まりのない
線状の流れが月日を捲るでしょう
長く、速く、目は駆け抜けてる

そして決まりのない
線状の流れが月日を捲るでしょう
長く、速く、目は駆け

もっとみる

【詞】掌のダンス(仮)

寂しいけど
寂しいふりをしています
端で音符の弾む夜を
描写する人

寂しいけど
寂しいふりをしてみます
踊る声が
踊る声が
伝えば

手を取り合って

おしゃれに飾っても
満ちない気分は
誰しもそうかな
ぎこちなくとも笑ったり

おしゃれに飾っても
満ちない気もちの儘
喩え手のひらだろうと
踊ってたいの

寂しいけど
寂しいふりをしています
端で音符の弾む夜を
描写する人

寂しいけど
寂しいふ

もっとみる
【詞】ユーモア

【詞】ユーモア

読みかけの本を僕は棚に仕舞って
ペンを持ち 紙に文字を綴っていく
何の捻りもない徒然を書き起こし
古ぼけた箱のなかに溜めていった

偉そうにしていたんだ 仕舞いこむ所くらい
中身は全くの薄っぺらさ
愚痴の掃き溜めさ

まだ読みかけの本の影響受けて
構想も無しに
その日なりの気分で綴ったからさ

自分に備わってない可笑しさ
誰かを網羅し 零れる笑みが見たい
頑なでつまらない僕の頭のなかに
ユーモアが

もっとみる

【詞】wave

ただ電波の行末を
ノイズの揺れるブラウン管の先を
ながめてる

何百キロメートル位
続いてきたんだろう日々に
やがてうんと有り金を使いこむんだろう

鈴虫をあまり見なかった
今からでも

虫の里へと行くかな
星ふる季節 肩踊らせては
帰りにふと牛丼を食べるか

その雨がっぱを纏って
神がかるあの日を待とうと

思い出したのは高架下
夢見がちに遠目の街を見る

その存在が側にいるのが
すこしほっとす

もっとみる
【詞】おもかげ(仮)

【詞】おもかげ(仮)

面影をわすれないで
近くに愛しさみたいに燻製の匂いが
漂っていたの

月日の移り目でくしゃみが出た
伝書ハトが伝えたかの様に
あなたの言葉を感じた

ららら らるら

らるら ららら

約束は華やかな花をもって表へ出た
ぎこちない言葉の糸と
ゆらゆらと月を仰ぐ

旅人の目がふいに潤う時
ちょうどこの時間の空を見た時

ちょうどこの時間の空を見た時

夕顔

【詞】Good bye(仮)

【詞】Good bye(仮)

季節が変わる度 空蝉みたいになる時期がある
息は空気の白さを吸い込む
街は戯けた踊りを見せてる

ふと先日にはLiminal Spaceという
言葉を知った
現実とその隙間の空想が気になっては

手を振った船 ゆるやかに
明滅している遠くの島へ行く
電灯を点けて旅路は華やかに

手を振った船 消えていく
灯が遠のいていく

風を受け
仰々しい潮の流れ

息は空気の白さを吸い込む
街は開けた踊りで揺

もっとみる
【詞】Now

【詞】Now

今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 深い空と
また、長い 長い 長い海の

味を知る

味を知る

まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
そこに歩く人々がいる

まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
今心踊らす人々がいる

今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 

もっとみる
【詞】灯りが幾つ

【詞】灯りが幾つ

窓の外 同じ景色に
ほっとしたりする
何気ない毎日 変わらぬ儘で
在れる様に

言うほど欲張りはしないよ
この暮らしが続けばいいと
浮かぶ月 祈る様に
ふと一句詠んでみたり

灯りが幾つか
灯りが幾つと
おもかげに似た灯りがゆれては

鳴る鼓動 自分の心が
過ぎる季節にまた
年をとっていく

大きすぎる程の楽しみは
別に求めてはいないのです

ほどよいサイズの部屋と
何気なく漂う言葉や顔を見てたい

もっとみる