中村奈都子

日本経済新聞女性面編集長を経て21年春から編集委員。ダイバーシティ、キャリア、ウーマノミクス、働き方改革を中心に取材しています。記事の補則解説のほか、消費、マーケティング、グルメ情報についても時折。キャリアコンサルタント、消費生活アドバイザー

中村奈都子

日本経済新聞女性面編集長を経て21年春から編集委員。ダイバーシティ、キャリア、ウーマノミクス、働き方改革を中心に取材しています。記事の補則解説のほか、消費、マーケティング、グルメ情報についても時折。キャリアコンサルタント、消費生活アドバイザー

最近の記事

女性シェフを応援したい!

日本で今、一番輝いている女性シェフの1人、庄司夏子さんに取材しました。 2020年にアジアの最優秀ペストリーシェフに選ばれ、 2022年はアジアの最優秀女性シェフに選出されています。 中学生の時に作ったシュークリームが同級生に好評で、料理の道に進みます。そこまではありがちですが、20代で独立し自分のレストランを持つのは並大抵のことではありません。 私たちの日々の食事は、そのほとんどが母親の手によって作られる。それなのに、「たまには美味しいものでも食べに行こう」と出かけ

    • 国際女性デーの翌週まとめ

      3月8日は国際女性デー。お花屋さんの店頭ではミモザがいつになく目立っていました。 今年の国際女性デーは昨年以上に盛り上がりをみせ、日本全国、世界各地でシンポジウムが開催されましたが新聞も華やかでした。忘れないうちに全国紙各紙の特集をまとめておきます。 なんといっても朝日新聞は力が入っていました。ほぼ全面が女性関連です。スポーツや芸術の分野まで網羅しているのが印象的でしたが、なんといっても注目は政治・経済の分野における男女格差を都道府県別に調べている特集です。 例えば政治

      • 総裁選前に選択的夫婦別姓の見解まとめ

        総裁選まであと2日。男女2人ずつの立候補というのはとても画期的なことで、毎日討論を聞くのが楽しみです。論点はいろいろありますが、まずは選択的夫婦別姓について。なぜかというと自民党以外の政党が早い段階から選択的夫婦別姓を公約に掲げるとしており、衆院選の争点の1つになりそうだからです。 例えば公明党は早い段階で「人権を守る観点から選択的夫婦別姓制度の導入、性的少数者(LGBTなど)への理解を進める法整備をめざす」としています。 https://www.nikkei.com/a

        • 逃げ恥SPから半年 結婚後の生活は?

          「逃げるは恥だが役に立つ」新春スペシャルの放映から半年が過ぎ、新垣結衣さんと星野源さんの結婚が報道されました。おめでとうございます!スペシャルの撮影をきっかけとして今回の結婚に至ったとのことですが、お二人はこのドラマをどんな気持ちで演じていたのでしょうか。なんたって入籍から妊娠、産休、育休などお二人がこれから向き合いそうな内容がてんこ盛りです。ドラマの中で彼らが悩んだり疑問に思ったりした数々のこと。今の社会でどんな動きがあるのでしょうか。 選択的夫婦別姓 これまで事実婚だっ

          国際女性デーから1週間 映画で考える

          3月8日の国際女性デーから1週間が過ぎました。この間もジェンダーや男女共同参画に関するニュースが数多く報道されていて、日本でも関心が高まっているなあと実感します。世界の動きを知る上で役立ちそうな映画を、この数年に公開された作品のなかからいくつか紹介します。 私が大好きな作品の1つが「ビリーブ 未来への大逆転」。先週も見ちゃいました。 女性が自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった50年前の米国の話、と聞くととても古く感じますが、法廷で語られるスピーチは今の日本にもその

          国際女性デーから1週間 映画で考える

          国際女性デーの翌日に

          3月8日は国際女性デー。今年は例年になくマスコミもSNSも盛り上がったように感じています。森氏の女性蔑視発言や選択的夫婦別姓を巡る議論が盛り上がっていることが背景にあるのでしょうか。8日に新聞各社が何を伝えたのか、わかる範囲で記録に残しておこうと思いました。 まずは日経。全体としては「女性とリーダー」がテーマです。特集面では「女性リーダーの台頭を阻むもの」は何か。海外の事例と日本の実情を例に考えました。日本では1946年、戦後初の衆院選で女性が初めて投票し、39人の女性議員

          国際女性デーの翌日に

          「理系」に女性が少ないと困るワケ

          男女共同参画白書(令和2年版)によれば、大学(学部)への進学率は女子が50.7%で男子が56.6%と男子の方が5.9%ポイント上回っています。専攻分野を見てみると、女子で圧倒的に多いのは社会科学と人文科学。保健や農学も含めた理系の学部生の女性比率は38%、工学系は16%にとどまります。理系を目指す女性は増えてはいるものの、国家資格に直結する医薬系が多いのが現状です(学校基本調査)。 STEM(Science, Technology, Engineering and Math

          「理系」に女性が少ないと困るワケ

          東京五輪、本当は逆だったのに。

          東京五輪。つい最近まではコロナ禍の開催の是非を論じていましたが、いつのまにか話題は別の所にいってしまいました。この方の発言で。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH03BMR0T00C21A2000000/ 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は3日、東京都内で開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会の場で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性は競争意識が強いから、誰か一人発言すると自分も言わ

          東京五輪、本当は逆だったのに。

          教師になんかなりたくない!?

          小学校の先生を志望する人が激減しています。文部科学省によれば公立小学校の教員採用試験の倍率が、19年度は過去最低の2.7倍となったとか。高年齢層が大量退職しているため採用人数を増やしているものの、民間企業にいってしまうそうです。グラフを見ると20年前は倍率10倍くらいあるんですね。中学校も高校も志望者は減っています。倍率が高ければいいってものではありませんが、ある程度の質を確保するためには倍率も軽視できません。それにしても教師ってやりがいのある仕事だと思うし、収入も安定してい

          教師になんかなりたくない!?

          仕事と治療の両立を考える

          仕事中に突然襲ってくる片頭痛。じっと痛みをこらえていると眉間に皺が寄り、機嫌が悪いのかと誤解されてしまいます。私の知り合いは偏頭痛を発症すると蛍光灯の光が耐えがたく、職場から逃げ出したくなるそうです。この片頭痛、実は男性よりも女性の方が圧倒的に多く、世代によっては3倍以上とのこと。発症すれば仕事にも大きな影響が出ます。調査によれば生産性は半減するそうです。もう少し職場での理解を深めようと啓発を始める企業も出てきました。 https://style.nikkei.com/ar

          仕事と治療の両立を考える

          不妊治療、負担はお金だけじゃない

          不妊治療を始めた女性の17%、つまり約6人に1人が離職していることが順天堂大学などの調査で明らかになりました。治療で突発的に通院する必要があることや、職場の理解不足が要因として考えられるといいいます。しかも非正規社員の離職率は正社員の2倍以上になります。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG182L50Y1A110C2000000 少子化対策の切り札として昨年、菅政権が打ち出したのが不妊治療の保険適用。来年4月にも実施するとみられ

          不妊治療、負担はお金だけじゃない

          ひとりダイバーシティのススメ

          なかなか人と会えないこの1年。それでも取材させていただいた方にはいつも元気をもらいます。 例えば勝又さんという女性。海外旅行の添乗員として20年近いのキャリアを持つベテランで、訪れた国は約70。添乗員の仕事を「天職」だと話します。ところが昨年3月以降、全てのツアーはキャンセルになってしまいました。緊急事態宣言もあってしばらくは自宅待機していましたが、その後、次のキャリアに向けて動き出します。看護助手の仕事です。年末には介護職員初任者研修の資格も取得したそうです。添乗員と看護

          ひとりダイバーシティのススメ

          女性の失業率は実質5%超って本当?

          新型コロナは世界中の人を苦しめていますが、中でも女性への影響が大きいといわれています。女性が多く働く飲食や小売り、サービス業の収益が厳しいこと、休校や外出自粛で家庭内の家事負担が大きくなっていることなどが背景にあります。失業や自殺などの数字を見ても女性が大変な状況にあることが分かります。これは世界共通で、国連のアントニオ・グテレス事務総長は各国政府に対し、早い時期から女性と女児を新型コロナへの対応の中心に据えるよう求めていました。 新型コロナのパンデミック(世界的流行)は男

          女性の失業率は実質5%超って本当?

          産後3日で職場復帰って・・・

          はじめまして。 日本経済新聞で毎週月曜日に掲載している女性面「Women@Work」の編集長をしている中村奈都子です。新聞をお読みの方は月曜日の朝刊、日経電子版をご覧いただいている方は月曜日の「社会・くらし」→「ダイバーシティ」からお読みいただけます。さらに火曜日以降はNIKKEI STYLEの「WOMAN SMART」で無料公開していますので、ぜひアクセスしてみてください。これからは女性面の解説を含めて女性のキャリアに関することや働き方改革、時々グルメや消費についても投稿

          産後3日で職場復帰って・・・