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ひとりダイバーシティのススメ

なかなか人と会えないこの1年。それでも取材させていただいた方にはいつも元気をもらいます。

例えば勝又さんという女性。海外旅行の添乗員として20年近いのキャリアを持つベテランで、訪れた国は約70。添乗員の仕事を「天職」だと話します。ところが昨年3月以降、全てのツアーはキャンセルになってしまいました。緊急事態宣言もあってしばらくは自宅待機していましたが、その後、次のキャリアに向けて動き出します。看護助手の仕事です。年末には介護職員初任者研修の資格も取得したそうです。添乗員と看護。全く違う畑のようですが「病院での経験が今後、添乗員の仕事に役立つ」と話してくれました。たしかに旅先ではなにが起こるか分かりません。そのときに少しでも医療の知識があれば旅行客も安心でしょう。

実家に帰ることは考えませんでしたか?と尋ねたときの答えがとても印象に残っています。「添乗員の仕事は東京が中心。コロナが落ち着いた時に天職である添乗員に復帰するためにも、東京を離れるわけにはいかないんです。東京を離れるということは添乗員を辞めること。まだマイクを置くわけにはいきません」。ある程度、年齢を重ねた方ならおわかりですね。

https://style.nikkei.com/article/DGXKZO67992240Y1A100C2TY5000?channel=DF130120166018

もうお一人、コロナ禍で在宅勤務になったのを機に、息子が寮生活をしている佐賀県に引っ越したのは林原さん。マンション最上階の部屋からは唐津城と玄界灘が一望できるそうです。家族と一緒に暮らせる幸せ、自然に恵まれた場所で仕事ができる充実感を体験した林原さんは今、社員も好きな場所で働けるよう、制度整備に乗り出しています。

多様性とは一般に、人種や性別、出身、経験、価値観などについて多様な人材が組織に集まることをいいます。互いにいろいろな意見やアイデアを出し合うことでイノベーションが生まれると期待されています。ただ、一人ひとりの中にも多様性を生み出すことは可能です。添乗員の勝又さんは医療の世界で働くことで「経済と医療、どちらの立場も分かるようになった」と話します。林原さんもQOL、つまり生活の「質」の大切さに気づきました。多様な人々と会うことが難しい今の時代ですが、一人ひとりが新しい価値観、新しい視点を取り入れられば、コロナが落ち着いた後、それはキャリアを下支えしてくれるのではないかと思います。私自身もコロナがなければ絶対にやらなかったであろうことにどんどん手を出していこうと思っています。このnoteもその1つ。私自身のダイバーシティについても随時、ご報告していきます。

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