国際女性デーから1週間 映画で考える
3月8日の国際女性デーから1週間が過ぎました。この間もジェンダーや男女共同参画に関するニュースが数多く報道されていて、日本でも関心が高まっているなあと実感します。世界の動きを知る上で役立ちそうな映画を、この数年に公開された作品のなかからいくつか紹介します。
私が大好きな作品の1つが「ビリーブ 未来への大逆転」。先週も見ちゃいました。
女性が自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった50年前の米国の話、と聞くととても古く感じますが、法廷で語られるスピーチは今の日本にもそのまま当てはまります。エリートとされる中高年男性たちが守ろうとしている伝統や文化、モラルといったものはもはや存在しないし、社会が変化したら法律も変えなければいけないと主張するのは、RBGの名でも知られ、昨年9月に亡くなった弁護士のルース・ベイダー・ギンズバーグさん。
彼女についてはドキュメンタリー映画「RBG 最強の85歳」も公開されていましたね。
http://www.finefilms.co.jp/rbg/
米国では常に女性たちが戦ってきたという歴史があります。昨年公開されたスキャンダルも実話を元にした作品です。
「パピチャ 未来へのランウェイ」も実話を題材にした作品ですが、舞台がアルジェリアだけに、その闘いは命がけです。抑圧された社会で暴力と弾圧におびえながら、ファッションデザイナーという夢を叶えるため必死に生きる女子大生の物語。ハイクと呼ばれる5メートル四方の布をデザインし、ファッションショーを企画しますが・・・。
遠い国の話と思ってしまいそうですが、意外に近いのかもしれません。世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダーギャップ指数で日本は153カ国中121位、アルジェリアは132位。世界的に見れば、アルジェリアの男女格差や女性の生きづらさは、日本のそれとほぼ同じなのですね。それはそれで考えさせられます。ちなみに「パピチャ」とは、「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」という意味だそうです。日本だったら「わきまえない女」ってことでしょうか。たしかに似ているかも。
似ているという点では韓国の「82年生まれ、キム・ジヨン」こそ、日本人が見て共感しそうです。 成長するにつれて生きづらさを感じるようになり、必死に勉強して大学に入ったものの就職活動は苦戦。結婚・出産で会社を辞め、社会から切り離されていくような焦りの中で再就職に動くものの、その道はあまりにも困難で--。
https://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/
キム・ジヨンというのは82年生まれで最も多い女の子の名前だそうです。ちなみに日本は「裕子」さんでした。
最近はNetflixにも興味深い作品がたくさんあります。機会があればまた、ご紹介しますね。